島尻は天絵の問いに、
「ああ、今でも置いているよ。」
天絵は包丁を置くと、
「それなら、いいワ。」
と楽しそうに答えた。
朝から天絵が料理で作ったのは牛焼き肉にアボカド入りサラダ、ご飯にアサリ貝入り味噌汁だ。
島尻はテーブルに座ると、
「おおっ。豪勢だね。いただこうか。」
「いただいてくださいな。」
レストラン並みの味がする料理だった。
島尻は、
「とても美味い。料理が得意なんだね、君は。」
「わたしファミリーレストランで働いていた事があるの。そこでは配膳がロボットだけでなく皿洗いもロボットが、していたわ。料理だけは人間が担当だけど、キャベツの千切りもロボットだと乱れなくしていたの。
店長までロボット。だったのには驚いたけど。」
島尻は牛肉を食べ終わると、
「ふーん。警備員はロボットを使ってないよ。」
「そうですか。ファミリーレストランの給料はやすいから、というのも激安なファミリーレストランだったから。
わたし中洲の風俗で夜は働いたわ。
そのうちアダルトビデオのスカウトに出会ってAVデビュー。」
「ふむふむ、なるほどね。」
「あの花束の中に隠しカメラが仕掛けてあるの。」
「おお、そうだったのか。でも、あれからレンタルロボットとは何も出来なかったと思うけど。」
「うん。うちのメーカーにカメラからの動画は電波で飛んでいくから昨日の撮影は売り物にならないって社長さんから連絡が、あったのよ。」
島尻は全部食べ終わると、
「すごいな、僕は一か月後に撮影してもらうメーカーだろ、君の所属する。」
「そう。昨日の撮影が、よかったら社長は島尻さんにギャラを払うという事だったけど。だめだったから今日は私と、あの花束のあるベッドでセックスしましょ。」
「そうしよう。でも、もう出勤だからね。」
「それなら私も出る。何時頃に来たら、いいかしら。」
「夕方、六時には戻っているから。」
「それなら、その位に来るわ。」
外は豪雪だった。
華野矢天絵はタクシーを拾っていた。
警備の仕事はフレッシュアイランドに出来る建築物の工事のそばでの交通警備だった。豪雪を払いのけながら島尻は仕事した。
休憩時間に仲間の一人の男が、
「あの建物はラブホテルらしいね。」
と話した。
島尻は、
「そんな感じの建物だねー。」
と答えて置いた。
島尻のマンションは中央区中浜なので仕事は歩いて行ける場所なのだがバイクでの移動が認められているので原付バイクで通勤した。
一日中凄い雪だった。終わって中浜にバイクで戻ると中浜ラーメンの店で大盛ラーメンを島尻は食べる。
マンションに戻るとスマートフォンで、
「わたし。天絵よ。今、近くのラーメン屋にいます。今から行ってもいい?」
ドアの鍵を取り出すところだが、指紋認証パネルに指を当ててドアを開くと中に入り、
「ああ、今、帰った所だから。」
とスマホに答えて置いた。
中に入って十分もすると天絵が来た。
「お持ち帰りラーメン持ってきたの。食べてね。」
「ありがとう、いただくよ。」
台所で島尻は天絵が持参したラーメンを食べる。
なんだか股間がムクムクしてきた。
天絵が傍に来て、
「それ精力ラーメンという裏メニューなのよ。トンカットアリとかスッポン、マカ、なんかが入っているのね。うふふ。」
と、ほくそ笑む。
「そうなんだろうな。少し勃起している。」
「それではベッドへ行こうー。」
天絵は島尻の腕を取ると立ち上がらせた。
天絵はベッドにハンドバッグを持って入って来る。
それから彼女は素早く全裸になる。
島尻も全裸になった。天絵はハンドバッグの中から靴を取り出すと、
「島尻さん、この靴を履いて。」
と靴を差し出す。
「靴を履いてセックスするというのか。」
「そうよ。わたしも靴を履くわ。」
天絵は率先して裸身で靴を履いた。
少し天絵の背が高く見える。
身長を高く見せるための靴か。渋々、島尻も靴を履くと、
「なにか軽い靴だな。」
「ええ、もっと軽くなるわ。
「???」
「靴の上の方にあるボタンを押すのよ、こうやって。」
天絵は、しゃがむと左右の靴の先端にあるボタンを押した。
すると!
彼女は上へと浮かび始めたのだ。
空中浮揚したのである。島尻は驚いて、
「無重力状態に、なっているね、天絵さん。」
「そうなの。気持ちいいわよ。無重力状態って。」
「そんなら僕もボタンを押そう。」
島尻も屈んで靴のボタンを押した。すると体がフワフワと浮き出したではないか。島尻は、
「凄い発明品だ。どうして手に入れたんだい。」
「これはね。宇宙人から貰ったのよ。」
「ううん。そうだろうねー。」
「それで、その御礼に、その宇宙人、男性だけど、がここに来るのよ、もうすぐ。」
「えっ、ココに来るって・・・・。」
その時、玄関チャイムが鳴る。島尻は床のパンツを取ると宙に浮いたまま、パンツを履いた。それから泳ぐように玄関に行くと、外を映すモニターカメラに色の白い男が立っている。
島尻は、
「今、取り込み中なんですが。」
「いえいえ構いません。僕は貴方方のセックスを見たいから来ました。華野矢天絵さんに宇宙靴をプレゼントした、お礼に見せて貰えるという事で。」
島尻はベッドの方を振り向いて、
「天絵さん、本当かい。」
天絵は全裸で宙に浮いたまま、
「本当よ。わたしも行く。」
天絵も泳ぐように全裸で玄関に来た。
モニターカメラに写っている男は、
「ああ華野矢天絵さん。全裸ですね。中に入れてくださいよ。」
「ええ。島尻さん、玄関ドアを開けて。」
「うん。」
肌の白い背の低い男が入って来た。歳は二十代前半というところか。彼は、
「華野矢天絵さんに話したけど僕の星の宇宙靴を差し上げたので、お礼に貴方方のセックスを見れるという事ですね。僕は座って見ているから、さあ、始めて。」
と言うなり床に座った。
ベッドの前で特等席だ。
天絵はベッドに登った。そしてジャンプする。無重力状態が彼女を空中に浮かせた。天絵は誘う目つきで、
「島尻さんもベッドに登って飛んでね。」
島尻は、
「よし、そうする。」
ベッドに登って跳躍した。やはり天絵と同じように無重力状態になった島尻は宙に浮いている。パンツ姿の島尻に天絵は島尻を指さすと、
「島尻さん。パンツ履いたままだわ。」
「ああ、ごめん。そうだったね。」
と答えてベッドの上に浮かんだままでパンツを脱いだ。
ダラリと垂れた島尻の股間棒は天絵が浮いたまま近づいてくると即勃起した。
天絵は驚きの目で、
「島尻さんスグに勃起したわ。」
「ああ。無重力状態だから勃起するのは早いんだろう、きっと。」
「無重力状態のセックスって楽しみ。ウフフ。入って来て。島尻さん。」
天絵は宙に浮いたまま両手と両脚を大きく広げた。
島尻は平泳ぎのような手つきで天絵の裸身に近づくと、空中浮揚立位性交を敢行した。
「あああ。重力のないセックスって気持ちいい。」
天絵は島尻の背中に両腕を回して両脚は折り曲げて島尻の尻に当てる。
天絵の女壺に埋め込まれた島尻の肉道具は勃起の維持は容易だった。島尻は尻を無重力状態で前後させた。
天絵はスグにアクメに達する。
島尻も天絵も楽な気持ちで性交に励んでいる。重力がないので性器の結合だけでなく身体を筋肉を使って支えることが無いからだ。
小柄な宇宙人男は興味ありありの顔で二人の交わりを見ている。いつの間にか彼は伊達メガネを掛けていた。
二人は一時間も空中浮揚性交を続けたのだ。
遂に島尻は頂点に達して股間棒を縮小させた。天絵から離れると、まだ空中に二人は浮いている。
小柄な宇宙人は、
「よかったですね。僕は満足です。この眼鏡は撮影出来ました。自分の惑星に持って帰ってアダルト動画として販売します。」
空中の二人は納得した。天絵は、
「ええ構いませんわ。わたしは。島尻さんは?」
「僕も同じく同意します。」
宇宙人は、
「アリガトウ。疲れたでしょう。靴の先のボタンで無重力状態から解放されますよ。」
二人は靴先のボタンを押す。
するとユックリと二人はベッドに軟着陸した。
二人にドッと疲れが襲ってきた。
重力の重さが戻ってたからだ。
宇宙人男は、
「ああ、うん、疲れたんでしょう。ゆっくり休んでね。」
天絵は、
「体は疲れていますけど頭は疲れていませんわ。宇宙人さんは何処の星から来たんですか。」
「ああ、そう遠くない星ですよ。でも地球からは、まだ発見さていませんけどね。」
島尻は、
「その星にも重力は、あるんでしょ。」
「ありますよ。地球と同じ位の重力は。」
宇宙人男はスマートフォンのようなものを取り出すと、
「これは地球のスマートフォンと似てますが、未来映像を見れるんです。」
ベッドで寝ている二人は驚く。天絵は、
「未来映像ですか。」
「そうだよ。この機器から壁に投影して、その映像を映すから。」
宇宙人男は機器を操作した。
部屋の壁にスクリーンが現れる。そこに映し出されたのは・・・。
アメリカ大陸だが自由の女神が映し出された。
自由の女神が手にしているのはアメリカの国旗だが赤色の背景に中国の国旗とインドの国旗が混ざり合ったものだ。
世界地図が映し出された。
そこにあるのはアメリカの国名がチャイインドと記されている。チャイインド合衆国。それが旧アメリカの国名だ。
ホワイトハウスはチャイインドハウスと呼ばれている。ペンタゴンはチャイインドゴン。
チャイインド大統領は中国人とインド人の四年ごと交代で選ばれる。人口の大半が中国移民とインド移民で締めらているチャイインドだから自然と、そうなったのだ。
またアメリカ議会の議員も中国人とインド人以外には、いない。
ニューヨークなどの大都市が映される。そこにも大半は中国人とインド人が通行人として映し出された。
中国の人口は20億人、インドも20億人。アメリカに移民したのは、それぞれの国で4億人と言われている。
アメリカの人口は11億人にも、なった。
アメリカもワクチンで大半の白人が死んでいったのだ。
世界各地からアメリカに移民して中国とインド以外は2億人以上。
日本は現在、三千数百万人である。不動産価格は大暴落した。それでも買われない不動産は売れない。
時流太郎は藁束のような価格の不動産を買いまくってみる。専務の本池釣次郎も漁村を丸ごと買ったりしている。
会社で釣次郎は社長の流太郎に、
「悲惨な人口ですけど漁村を買えるようになれるとは思ってもみなかったんです。」
「それでも中洲なんて価値が下がらないね。風俗街は買えないよ。」
「それは、そうですけどね。我が社には、まだまだ不動産を買える資金がありますよ。」
「うむ。とは言っても田舎の水田を買っても、しょうがないよ。」
人口が四分の一になった日本では顧客を失った大企業が中小企業になっていた。流太郎の会社などは元々、顧客が少なかったために受けた打撃も少ない。
ワクチンによる人口消滅なので若者の多い国には、なっている。
流太郎はノートパソコンでサイトを調べつつ、
「安い風俗を作ろう。」
と釣次郎に話した。
釣次郎は、
「風俗って高くないと成り立たないのでは?」
「デリバリーヘルスを少しだけ安くするのさ。」
「それなら・・・といっても、どうやって。」
「女ロボットデリバリーヘルスだ。」
「ああ、なるほど。」
「今はボロカスのように家賃が安い事務所は、いくらでもある。博多駅周辺は若い男性が多い。この前に買った北九州の牧場は安定した利益を取れているし、会社として買った賃貸マンションも十を超えた。中洲のビルを買えたらビルごと風俗にするけど中洲のビルは、やはり高い。」
「中洲の風俗も料金を下げませんしね。」
「ああ、そうだ。そこで無店舗販売のデリヘルを始めれば、いい。」
そこで開業届を行政書士に依頼して、それを警察署に届け出た。それから流太郎は電話を掛ける。
「あ、もしもし。お久しぶりです。時です。」
「ああ、時君か。今日は、どうした?」
「女性ロボットを購入したいと思いまして。」
「そうか、ありがとう。今から来てくれれば、いい。」
「それでは今から参ります。」
「うん、待っている。」
二十分後にサイバーモーメント株式会社に到着した流太郎は受付に社長室に行く事を伝えた。
受付も美女ロボットだった。
車内電話で美女ロボットは連絡を取ると、ニッコリして、
「黒沢社長が、お待ちです。」
と答えてくれた。
人間ソックリなのは驚くばかりだ。
最上階の社長室では昔のように美人秘書の美月美姫が出迎えてくれた。
「時さん、お久しぶりですね。」
と美月が話すと流太郎は、
「お久しぶりです。お元気そうですね。」
「ええ、おかげさまで。」
そこで美月は振り返ると、
「社長、時さんです。」
「おうおう、時君。待ちかねたよ。」
椅子を立ち上がって黒沢は時の前に来た。
「黒沢さん。美女ロボットを購入したいんです。」
「まあ、あそこのテーブルに行こう。」
それで二人は応接セットに腰かけた。黒沢は、
「どういう目的で使うのかな。使用目的を知りたい。」
「デリバリーヘルス用の美女ロボットです。」
「うん、そう来るのではと思っていたよ。そういう依頼は初めてなので開発には時間が掛かる。一か月、数か月かな。」
「あまり高性能でなくても構いません。」
「そうかね。では数週間で作ろう。」
流太郎は頭を下げると、
「よろしく、お願いします。」
「ああ、引き受けたよ。」
美月美姫がマンゴー紅茶を二人に運んできた。
流太郎は自社に戻ると釣次郎に、
「数週間は、かかるそうだ。」
「それでも早いと思いますよ。」
「それまで何とか、してみる事もあるかと思う。デリヘルの開業は許可されたのでね。」
釣次郎は楽しそうに、
「それでは女の子ですね。もちろんインターネットで応募しましょう。」
「スマホ用のサイトを作ってくれ。」
「はい。すぐ出来ますよ。年齢制限は、どうしましょうか。」
「上限は24歳だ。」
「うわ、そこまでで。」
「それ以上は要らないと思う。」
「はい、それでは。」
本池釣次郎は机の上のノートパソコンでサイト作りを始めた。カチャカチャ、と動かしている指を止めて釣次郎は、
「店名は何にしますか?」
「そうだな。愛の秘宝。で行こう。」
「秘密の宝ですね。」
「そうだよ。そのうちに美女ロボットも完成する。初期投資は掛かるけど、それは回収できるさ。それまでは牧場の収入、不動産の収入がある。人口削減計画でアロナワクチンは作られたのかもしれないけど、お互いに俺たちはワクチンを受けてないから死を免れた。」
「黒沢社長たちもワクチンは受けてないんでしょう?」
「ああ、受けていないと話してたよ。全社員に受けさせなかたらしい。」
「社長の恋人だった城川さんは、ワクチンは・・・。」
「冬眠中だろう。受けるはずは、ないと思うよ。」
「全世界で人口が減りましたものね。」
「ヨーロッパが一番減っただろう。過疎化した国ばかりだ。」
「あ、サイト作りを続けます。」
三十分位で大体サイトは完成した。
流太郎は斜め横の席の釣次郎の真後ろに立つと、
「あとは写真画像が必要だね。何人か採用して写真を撮る。動画も取る。福岡市は昔から若い女性が他の地方から来るから人口回復も割と早いし、SNSで募集してみよう。」
「わかりました。水着SNSなんてのも、ありますからね。」
パソコンで釣次郎は検索すると、ミズギーヌなるSNSが見つかった。
釣次郎は福岡市の水着美人を探した。ビキニの美人が出てくる。それにイイね!を押して行く。そうするとイイねを押された女性にイイねが押されたのが届く。
釣次郎も顔出して登録しているのでイイねを押された女性も安心感を持つのだ。
ホンツリさん、イイねを、ありがとう。
というメッセージが来た。
ホンツリとは本池釣次郎のハンドルネームだ。
いいえ、どういたしまして。
貴女の水着姿が眩しい。
と釣次郎は送信した。
その水着美女のハンドルネームはアカリだった。
褒めてくれて有難う。
と又、釣次郎にメッセージが到達した。
どんな、お仕事されていますか?
と釣次郎はメッセージを送った。
モデルとかコンパニオンしています。
と返信が届いた。
収入の方は、どうですか?
と釣次郎が送信。
ーあまり、よくないですけど。
-だったらウチで働きませんか。収入のいい仕事ですよ。
ーそれなら、やってみたいです。
-それでは一度、来社ください。当社のサイトアドレスを送ります。
釣次郎は愛の秘宝のサイトアドレスを送った。最初から、どういう仕事か分かるというものだ。それで来ないのなら、それでいい。清楚で可愛い顔の女の子だが水着の体は成熟していた。胸はビキニから、はみ出そうで股間の部分は縦スジがクッキリしている。盛り上がった股間の美女だ。
しばらくして返信が来た。
ーやってみたい仕事なので面接に行きます。
_よかった。即採用と思います。是非、御来社ください。
ーはい。今からでも、いいですか。
-ええ、場所は分かりますか。
ーサイトにアクセスの地図があるので分かりますよ。
-それでは、お待ちしています。
という事で水着美女が来る事となった。
真冬の季節だ。
軽装では来ないだろう。三十分後に現れた水着美女は分厚いオーバーコートを着ていた。
「こんにちわ。面接に来ました。弓島篠江と申します。」
明るい声で自己紹介した若い美人は立ち姿もイイ。
釣次郎は立ち上がって、
「ようこそ。そこの椅子に、掛けてください。」
弓島篠江は椅子に座る。
釣次郎は、
「デリバリーヘルスの仕事の経験は、ありますか?」
「ありませんけど興味は、ありましたわ。」
「サイトに顔出しは、マズいでしょうね。」
「それは目線を隠してもらえれば出来ると思います。」
「ああ、なるほど。では、そうしましょう。運転手を雇うまでは僕が運転します。」
「ええ、お願いします。」
「本番などは、しないでくださいね。念のため、ですけど。」
「ええ。分かっていますわ。」
「年齢は、おいくつですか。」
「二十二歳。」
「若いな。とても、いいですね。彼氏は?いますか。」
「いません。」
「どのくらい、いないの?」
「一年くらいかな。」
「うん、アイドルっぽい容姿ですね。」
「よく言われますよ。でもアイドルになる気なんて、ないんですけど。」
「うーん。貴女なら高級デリヘルでウチもスタートできます。」
「嬉しいな。」
そこへ社長の流太郎が、
「初めまして。社長の時です。貴女には他にも仕事をしてもらおうと思います。今、構想中ですが、その仕事からも高収入は得られると思いますよ。」
「社長様、初めまして弓島篠江です。モデルとかキャンペーンの仕事って福岡では安い収入ですの。初めての風俗だけど男性経験は少しありますので頑張りますわ。」
と篠江は宣言した。
「ありがとう。まずはデリバリーヘルスの仕事を、お願いします。」
「はい、頑張りますわ。」
という事で弓島篠江の目隠し画像をサイトに載せる事になった。
二十分後に電話が鳴った。釣次郎が電話を取る。
「はい、愛の秘宝です。」
「あ、サイトに出ているシノンさんに来てもらいたいんだが。」
老人男の声がした。
「はい、送ります。場所は、どちらですか。」
「福岡市南区豊山(ゆたかやま)一丁目・・・。」
と番地まで話した。
自宅らしい。豊山とは文字通り、小さな山になっている場所の地名である。
「はい、それではシノンを送り届けます。お待ちください。」
「ああ、待っているよ。」
電話は切れた。釣次郎は立ち上がると、
「弓島さん。最初の顧客だ。年寄みたいだね。」
篠江も立ち上がり、
「年齢は気になりませんわ。」
と話す。
流太郎も立ち上がって、
「頑張ってくださいね。」
と篠江を激励した。
釣次郎が運転する会社の車で二人は南区豊山に向かった。
フレッシュアイランドから豊山に辿り着くまでには三十分は必要だ。かなりの部分を緑地地帯として残しているため、邸宅を建設すると土地代は福岡市でも有数の高値となる。
二人の眼に大邸宅が映った。電話で老人が話した場所が、その大邸宅だ。釣次郎は自動運転なので気楽に、
「凄い大きな家だね。」
と後部座席の弓島篠江に話しかける。
「本当です。こんなに大きな家が福岡市に、あったんですね。」
その大邸宅の大きな門の前にはロボット男性警備員が立っていた。
車を停車させて降りた釣次郎は、
「デリバリーヘルス愛の秘宝です。」
と話すと、
「門を開けますので、通って下さい。」
とロボット警備員は答えた。
開いた門から釣次郎は車を進める。
数十台は駐車できる広さがあった。石段を登っていくと広い玄関に行くと扉が開き、男の老人が顔を出した。釣次郎は車で待っている。弓島篠江は、
「愛の秘宝から来ました。シノンです。」
老人は笑顔で、
「ようこそ。入って下さい。」
と簡潔に言う。
長い廊下の奥の部屋が寝室だった。
老人は、
「実はインポテンツになってしまってね。色々とデリヘルを頼んだけど、全部失敗した。それでも勿論、金は払った。あんたの場合、上手く行きそうだね。」
と弱弱しく話したのだ。
篠江は、
「何とか頑張ります。」
老人はベッドに腰かけて、
「まず、あんたの手で、やってみて。」
と股間を開く。
篠江は老人の股間のズボンの上から右手で触れてみた。
「おうっ。」
と老人は声を上げる。
少し股間が膨らんだのだ。老人は立ち上がるとズボンを脱いでパンツも脱いだ。
かなりの巨根だった。篠江は右手で老人の巨根を優しく握り上下に動かす。すると巨根は膨らみ始めて半立ちとなる。老人は、
「十年ぶりだね、シノンさん。半立ちでも満足だよ、私は。」
篠江は上半身の服を脱いだ。
盛り上がった二つの丘が白のブラジャーで覆われている。
老人のモノは少し上向く。
篠江は、ためらわずにブラジャーを外した。
なおも上向く老人の肉棒、篠江は、
「ベッドに腰かけてください。」
と要望した。
「ああ。いいともさ。どっこらせっ。」
腰かけた老人の前で篠江は跪くと新鮮な果物のような彼女の弾力性のある白い乳房で老人のモノを、はさんだ。老人は、
「おおっ、気持ちいいっ、」
と叫ぶと彼のモノは勢いよく反りかえったのだ。
全立ちとなったのである。
老人の顔は満喜色となり、
「ううん、立った。勃起したのは十年ぶりだ。」
篠江も嬉しそうに、
「パイズリしますわ。」
と話して自分で両乳を上下に揺らす。
三十分も篠江の乳房に、はさまれて揺らされた老人の勃起棒は射精せずに持ちこたえた。
篠江は腕時計を操作してデジタル表示を腕時計の上部から二十センチの空間に浮き出させていたので、それを見ると、
「お客様。時間です。」
と話して桃乳を外す。老人は、
「そうか。ありがとう。デジタル画面が空中に浮いていたね。新製品なのかな。」
「はい、サイバーモーメント株式会社の新しい腕時計です。」
「そうかね。知らなかった。わしも買おうと思うよ。股間ムスコは発射しなかったがワシは満足だ。今は半立ちになりおったけど。」
ブラジャーと上着を付けると篠江は、
「ありがとう、ございます。初出勤なので至らなかったと思います。」
「そんな事、ないよ。又、来て欲しいな。金は海に捨てたいほど、ある。が老化は止められないな。だがね、最新の若返り薬を今朝、服用したのだよ。もうそろそろ、効果が出るらしいけど。」
と老男が話すと、男の顔は変化を始めた。
なんと老男の顔は若返っていくでは、ないか。
顔のしわが取れて行く。白髪交じりの毛髪が真っ黒になる。
おまけに、どちらかといえばブ男の顔が青春の輝きを持つ美男に変貌した。篠江は驚きで動きも出来ない。
「お客様の顔は完全に若返りましたよ。」
と指摘した。
嬉しそうな顔をした老人、いや若者は声まで若々しく、
「そうかい。嬉しいね。あそこの鏡で見てみよう。」
と下半身は裸のまま、大きな姿見鏡の前に行くと、
「おおお。本当に。若返ったよ。ワシは若い頃、美男子だったのだ。女遊びも相当に、やった。けれども金儲けに熱中してからは女と縁を切っていた。気が付くと老人になっていたのだ。このまま、死ぬのも惜しいと思ってスマホサーフィンをしてデリヘルを探していたら愛の秘宝のアンタを見つけた。
朝に飲んだカプセル剤が効き目を顕わした。実は、さっきの勃起も若返り薬の効果かもしれん。いや、あんたは月並みな言葉でなんだが絶世の美人と思うけど。」
篠江は謙遜顔で、
「そんなに美人では、ないと思っています。」
若返った男は足取りも軽く篠江の前に戻ってくると、
「お、パンツを履こう。」
と云うと、床に置いたパンツを取り上げて履く。そして、
「いやいや、謙遜せんでもいい。ワシの秘書になれば今の収入の倍は払う・・・という事では、ダメだろうな。甘やかされては女の美しさも消えるというものだ。
辛い仕事は女性の美を輝かせるものだからな。」
「ええ。厳しい環境にばかり、いました。」
「そうだろう。だから頑張りなさい。ワシは東京で頑張っていたが、沿岸部が大津波で海没するという予言を信じて福岡市の、ここの山を丸ごと買ったのだよ。
あと数か月後に東京湾岸部は壊滅、首都機能は混乱する。」
篠江は驚いて、
「そうなんですかー。わたしの友人は東京でモデルをしています。」
若返り男はズボンも履くと、
「それは大変だ。すぐに知らせた方が、いいよ。」