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体験版・痴漢一発

痴漢一発
 東京の山手線の電車内でおれは、前に立っている女の背後に立った。三十代後半のその女は、いかにもキャリアウーマンという雰囲気を全身から漂わせている。時刻は会社から帰る時間のラッシュアワー。東京のラッシュアワーなんて、夜遅くまで続いているよ。
夏だから軽装のその女の尻に、おれは軽く手のひらを当てた。女が感じるか、感じないか位だ。すると、都合よく電車が揺れて人が一方向に倒れ掛かる。
その方向が女の尻のほうだったから、しめたものだ。おれは、むんずと女の尻をつかんでやった。しばらく、おれの後ろから多くの乗客が、おれを押していた。
その女の尻は、柔らかくて心地よかった。だから、痴漢はやめられないのだ。女の髪は短めで、顔も人に命令しているような顔だが、それに反してスカートを履いている。そのスカートも薄い布なので、パンティの感触まで味わえた。
女の身長は平均よりも高め、だが、百七十五センチのおれよりは遥かに低い。
女は、おれが尻をつかんだ瞬間、身をくねらせた。すかさず、おれは女の足の間に右手を入れて、その女のマンコのあたりに指をすべらせて、ぐっとなぞってやった。車内は満員で、女の前に座っているのは眼をほとんど閉じた初老の男性サラリーマンだ。
また、後ろから多くの人がおれを押してきたので、おれは左手で女の左の乳房をムンズとつかんで、そのまま揉みしだいた。
おれの両手は、女のマンコと乳房をそれぞれつかんでいた。そのまま三十秒位、時間が経った。女の顔は見えないが、悔しそうな表情をしているに・・お、電車の窓ガラスに女の顔が見える。さっきまでの威厳のありそうな顔つきから、快感をこらえている女の顔に変わっている。
この女、感じているんだ。だから、痴漢はやめられない。そうとも、世間ではなんといおうと、おれはEことをしているんだ。
その女の乳房と尻は、普通より小さめだったが弾力はある。女は、おれの両手に大事なところを握られて気持ちいいのを我慢している。
電車内で悶え声など、上げられるわけもない。
一分もそのままにしていると、おれの後ろの乗客が元の体勢に戻ったので、おれはすばやく両手を外した。女は窓ガラスに映っているおれを見つめたが、すぐに眼をそらした。
おれはサングラスを掛けて、口にはマスクをしている。平たい帽子をかぶり、鼻の下に付け髭までしている。
まだ、する事があった。おれは、勃起したものをズボンから取り出すとシャコシャコと右手でしごいて、どくっと女のスカートに射精してやった。
この動作は平静な顔や態度をしてやらないと、いけない。物事にはなんでも、慣れというものがある。過去に数十回の体験を持つおれは、顔色一つ変えずに電車内で女に射精することができるのだ。
女のスカートの尻には、おれの放った白い液体が大量に付着していた。
おれの両隣の男性サラリーマンは、携帯電話でネット閲覧でもしているらしく、少しもおれがやった事に気がつかなかった。
 
電車は大森というところに、停まった。おれの精液をスカートにつけた、そのキャリアウーマンは電車を降りた。
 
と話す霧下才一(きりした・さいいち)の話を、私は満足感を持って聞いた。これで、いい。これで、いいんだ。
 
霧下才一は、月に四回から八回は痴漢をしていた。あまり回数を増やすと、捕まってしまうと彼は言う。私は、霧下才一の高校の同級生で、福岡市から東京に出て就職した。霧下君は、最近、上京してくる。というのも、彼は今も福岡市に住んでいるという。
霧下君は、
「痴漢の本場は、やはり東京だね。日本でもっとも、やりやすいよ。福岡市で痴漢の達人になれば、東京は痴漢天国だ。おれは、福岡市の西鉄バス内とかでも鍛えてきたからな。
それともうひとつ、見て見ぬ振りをする東京の人間。これも、やりやすい原因のひとつだろう。」
と都内の喫茶店で堂々と、私に語った。
東京というところは、JRと私鉄が発達したために、バスはそれほど盛んではない。その結果、大分部分の人は、電車で通勤する。その中でも埼京線という路線がもっとも痴漢が多い、といわれているわけだが、これは訴える女性が最も多いと言う事も、できるかもしれない。
霧下君は、金にゆとりのある生活を送っているらしい。が、飛行機ではなく新幹線で東京まで来る。月の半分は、東京で暮らしているらしい。新幹線の車内でも痴漢をするらしい。
彼は、こう語る。
「新幹線の自由席で女の隣に座れば、女が降りるまで痴漢し放題だ。女の到着駅では、とめてやるのがエチケットだけどね。特に女が窓際で、横一列に誰もいない場合は、最高度な状態だ。パンティの上からではなく、直接マンコに指を入れるのは当たり前で、時々、新幹線の女客室乗務員が歩いて通り過ぎる事もあるが、気がつかないよ。」
 
私は普通のサラリーマンを続けて、もう三十歳だし、霧下君も同じ年齢だ。私は、
「霧下君。就職した事はないのか。」
と聞いてみると、
「いや、ないね。又、おれみたいに痴漢の常習者が、万一、捕まったら会社も迷惑するだろう。まあ、おれは今まで一度も捕まってない。痴漢は申告罪なんだ。女が訴えない限り、捕まらないよ。」
と外国煙草の煙を吹かしながら、そう答えてくれた。
「君が痴漢するようになった、動機ってなんなの?」
「ああ、それは色々あるよ。ただね、一つは親父だ。おれの親父は地方公務員だったが、仕事中にアダルトサイトを閲覧してクビになった。母には退職の理由を言わなかったらしいけど、高校を出てアルバイトをしているおれには、
「才一。父さんはな、アダルトサイトを仕事中に見てクビになったんだ。おまえは、そうならないよう注意をしろよ。親子なんて、よく似ているのだから。」
と母のいない時に、おれに語ってくれたよ。」
「そうだったのか。でも、それなら・・・。」
「痴漢とかもしないように気をつけるはずだ、ということだね。でも、おれは親父の敵討ちみたいな気持ちもあるんだ。」
「なるほどね・・・。」
私は、分かったような、よく分からない気持ちになった。それで、次の質問をした。
「君が最初に痴漢した女性は、どんな感じだった?」
霧下才一は、眼をキラキラと輝かせると、
「高校の時の教師だよ。英語の教師だった。おれは、英語が苦手だったから、あやうく落第しかけたけど、その時もその新任の女教師は冷淡だった。私大出で、金持ちの娘だという評判はあったね。
なんかモデルみたいに背が高くて、髪は長いし、それで結構美人顔なんだ。
落第しないための授業に出たから、なんとかなったけど、学年で最低の英語の成績だったらしく、その英語の女教師はおれを馬鹿にしたような態度でその後も接した。
高校を卒業してある日曜の午後、福岡市のある地下鉄の駅でおれは、その女教師を発見した。彼女とおれは視線が合ったが、向こうはおれを無視したよ。その女教師の隣にはハンサムな若い金髪の男性が立っていた。染めているんじゃなくて、白人だよ。
おれと彼等は二メートル位しか、離れていない。電車が来た時は、同じ車両に乗り込んだ。座席は満杯なので、それぞれ吊革につかまって立つ。
おれは、女教師の後ろに立ってしまったんだ。彼女の左側に金髪の白人男性が立っていた。その女教師とおれの身長は同じくらいなんだ。金髪野郎は、おれより、あと五センチは高い。
電車は発車した。おれは下に視線を向けると、女教師の尻に眼が行った。薄手のスカートは、大きくふくらんでいた。意外と、巨尻なんだなとおれは思った。それが時々、ぷるぷる、と左右に揺れた。高校時代の屈辱をおれは、はらしたくなった。
右手を女教師の尻に当たるかあたらないか、という程度に接触させる。電車が揺れた時、おれはグイッっと女教師の巨尻を掴んだ。ピクンと彼女の肩が揺れると、顔だけ振り向けておれを見た。
あっ、という顔をすると女教師は何も言わなかった。自分の教えた生徒に痴漢されるなんて、という思いが顔に現われていた。
おれは再び、彼女の尻をいやらしく撫で回した。柔らかく、ぷるぷるした彼女の尻の肉の感触に、おれは勃起していた。それでズボンの前に布を突っ張らせているモノを、彼女の尻の割れ目の辺りに押し付けた。ズシ、と彼女の尻の肉は、おれのズボンのふくらみを受け入れた。
尻の割れ目のあたりと思っていたが、それは女教師のマンコの割れ目だったのだ。ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトンと電車が揺れる度に女教師の巨尻もおれの勃起物を受けたまま、揺れている。
(空いた手が、もったいない。)
そう思ったおれは、両手を女教師の背中から、たっぷりと盛り上がった乳房に当てて、柔らかく揉んでやった。何かに耐えている感じを彼女の後姿は、表現している。背が高いので、座っている乗客には彼女の胸の位置は高くて見えないのだ。
女教師の隣の白人男性も背が少し高いためか、おれの動きに気がつかなかった。それから十分ほど、おれはズボンの上からだったけど自分の勃起したモノを女教師の後ろから彼女の割れ目に当てていた。おれは自分のイチモツから彼女のマンコの割れ目が、おれのモノを咥える様に動くのも感じた。
(なんだ、おれのチンコを欲しがっているようだな。)
とおれは思ったので、天神駅に着いて車両を降りた女教師に、
「先生。お久し振りです。」
と声をかけた。白人共々、おれを振り向くと、
「あら、霧下君ね。久し振りだわ。」
と顔を赤らめて返事をした。彼女の視線は、おれの股間に走っていた。おれは、まだ勃起させていたのだ。それを女教師、幾野育子(いくの・いくこ)は、おいしそうに眺めて、
「よかったら、お茶でもしない?」
とおれを誘う。
「いいですよ。落第しそうな僕を助けてくれたのは、先生です。」
「まあ。当たり前の事ですよ。教師として。」
と、いかにも教師風の語調で幾野先生は、答えた。となりの白人は、
「ミーは、どうしますか?」
とオズオズと幾野育子に聞く。
「一緒に行きましょう。」
と育子が答えると、
「オー、イエース。」
と納得した。
三人で天神のレストランで食事して、地上に出るとタクシー乗り場に女教師はおれたちを引っ張って行った。
 
タクシーでは、おれと女教師が後部座席で、おれが運転手の後ろ。白人は助手席だった。幾野育子は、
「糸島のラブホテルに。」
と教師らしく命じた。
「糸島のラブホテルって、いくつかありますよ。」
「じゃあ、一番遠いところで、いいわ。」
「わっかりましたー。」
タクシーは、快走し始めた。
すぐに幾野育子は、おれにピッタリと身を寄せると、
「今、就職しているの?」
と、さり気なく聞く。
「いえ、フリーターしてますよ。」
「そうなの。最近は就職が難しいものね。なんなら、父の会社関係で働けるようにしてあげてもいいけど。」
おれは、驚いた。さっき、痴漢をしていたおれに・・・職の世話まで考えてくれるなんて。
「それは、ありがたいですね。ぜひ、お願いします。」
「うん、任せてね。父は四十位、会社を経営しているの。東京支店が三十もあるのよ。」
「ええ、もう、どこでも構いません。」
育子は、おれの耳に両手を当てて前の人間に聞こえないように、
「さっきの、あなたのチンコ、よかったわ。これから行く糸島のラブホテルでナマで挿入してね。」
と囁いた。その手をわざとらしく滑らせると、育子はおれの股間にズボンの上から触った。すぐに、元の位置に女教師は手を戻したが。
 
タクシーは、国道202号線を西に走っていく。今は糸島市となったが、つい最近までは糸島郡だった。JRの前原駅近辺が、そこそこ発達した町ではある。
糸島市に入ると、国道202号線に沿ってレストランなどの店がずらりと並んでいる。途切れるところもあるが、昔はただの空き地だったのだ。やがて、右手に海が見えるようになる。それは博多湾という内湾で、小さな島もところどころに見えてくる。
幾野育子は、おれの右にある窓ガラスから見える海を見ながら、
「海水浴の季節が過ぎたら、楽しめるわ。」
と謎のような事をおれに囁いた。今は八月だけど、盆を過ぎれば海水浴客は少なくなる。
育子は自分の右足の太ももを、おれの左足のふとももに押し付けてきた。柔らかい感触が、おれの脳に股間に血液を送るように指示させる。それで、少し勃起した。
前の助手席で、
「ニホンノ、イナカ、イイデッスネー。」
という声がした。運転手は、
「いいでしょう?でも、だんだん田舎ではなくなっていってますね。」
と話した。
育子の右手が伸びて、おれの股間のふくらみに触ると又、元に戻った。彼女の顔を見ると、満足そうな笑みが浮かんでいる。
タクシーは、ラブホテル「シーピンク」に到着した。国道202号線の右は、海岸、左は小高い丘がある、その丘の上に「シーピンク」がラブホテルらしく立っていた。タクシーを降りると、潮風が鼻にきて、海は丘の上から見晴らせる。深い青色の海だ。
駐車場には車が二台、先客らしく停まっていた。運転手は、
「帰りのご用命も、ぜひ、お願いします。」
と車の中から幾野育子に頼みかけた。
「あら、ひまなんじゃない?この辺で待ってたら。」
と育子は身を少し屈めて答える。
「いえ、なんとか時間を潰します。」
「そう、じゃあ、好きにしてて、いいわ。」
「ありがとうございます。」
深々と、運転手は頭を下げた。
 
おれたち三人は、幾野先生を先頭にラブホテルに入った。受付は農家の青年風の男性が、野良着姿でチェックインの手続きをした。
「すみません、こんな格好で。いつもの人が急用で福岡市に行ったもんだから、畑仕事をしていたオレが呼び出されて、こんな格好しとるとです。」
と言うなり頭を下げた。幾野は、
「いいわよ、気にしなくて。ラブホテルの受付に農家の作業着というのも面白いわ。」
と賛美した。
鍵を幾野が受け取って、先に歩いて行った。受付から最も遠い部屋、その部屋が海がよく見える部屋だったのだ。
育子は、全員部屋に入ると鍵をかけた。それから、おれに歩み寄るとキスを長くした。

体験版・女子校生と派面ライダー

 ビルの谷間でセーラー服を着たピチピチの若い娘が、目の前に立っている痴漢風の若者を嫌悪の眼で見ると、
「助けて!派面ライダー!」
と叫んだ。彼女は右手に握り締めた、小さなリモコンのようなものをスカートのポケットの中に戻す。セーラー服の上着の胸は、未成年者とは思えない程、豊かな曲線を描いている。彼女の前の痴漢らしい男は、大声を上げられて驚いたが誰も来ないので、彼女に数歩近づき胸に触ろうと右手をあげた瞬間、
「とおおおおっ!」
という男の掛け声が聞こえて、痴漢らしき若者は右手を蹴られていた。
「うわっ。」
痴漢のような青年は声をあげた。彼の眼には、白のアイマスクのようなもの目の辺りにつけた中年の男性、服装は白バイの警官に似たものだが、白バイの警官の服装の白い部分が赤色になっている、その男が連続的に右足を上げたのが見えた瞬間、頭のこめかみを蹴られてドウ、とアスファルトの地面に痴漢未遂のその男は倒れた。
顔はどう見ても二十歳のセーラー服の女は、そこそこのいい女だ。彼女は両手を胸の前に握り締めて祈りのようなポーズを取ると、
「ありがとう、派面ライダー。」
と感謝の言葉を口にした。
白バイの警官に似たその中年男は、
「いえ、どういたしまして。ここらを通りかかっていたものですからね。今日は水曜日で、ぼくの休みの日ですよ。リモコンの無線で呼ばれたのに気づきました。」
と照れながら自分の行動を説明した。ビルの谷間で人は通るのが少なく、道の先は行き止まりでビルの壁だ。大人二人が横に並べば道は塞がる。人の通っている道からは五メートルは離れている。派面ライダーと呼ばれた男のバイクは、谷間の入り口近くに停めてあった。
「派面ライダー、お礼に抱いてください。」
セーラー服の二十歳の女はビルの壁を背に、声を中年の背は中背で白いアイマスクの男にかけた。
「ええっ?いいのかなー、そんな事して。」
「ここなら、人も気づきません。あんな勃起もしない若い奴に触られるより、中年のあなたの方が好き。」
百五十六センチの彼女は、大きな胸を自分で両手で掴むと、
あはん、と悶えた。それを見るなり派面ライダーは白バイの警官の服装に似た格好で女子校生に近寄ると、
「ごっつあんしようかな。いただきますよ、あなたを。」
と言うと、彼女を抱きしめた。大きな胸が派面ライダーの腹の上あたりで潰れる。派面ライダーの右手は女子校生のスカートの尻を撫で擦った。尻を触られて彼女は、喘ぎ始める。
派面ライダーは、そこで顔を下に向けていって彼女にキスをした。彼女は派面ライダーの中年の唇が触れると、唇を開いて舌を出し派面ライダーの唇を舐める。中年男の派面ライダーも唇を開き、女子校生の唇の中の赤い舌に自分の舌を絡めた。
派面ライダーは女子校生のスカートの前を擦ると、彼女の股の間はスカートの上から触っても濡れていた。女子校生は唇を離すと、
「派面ライダー、早く入れてよ。」
と、おねだりした。
「ああ、わかったよ。」
すでに勃起していた彼の股間のモノは、ズボンの膨らんだところが女子校生の臍の下あたりに当たっていたのだ。
派面ライダーは女子校生のスカートの中に手を突っ込むと、ショーツを下げて彼女の膝の辺りまで下ろした。それから自分のズボンのジッパーを降ろすと、容易に大きなキノコのようなモノはパンツの切れ目から突き出てくる。
派面ライダーは膝を屈めて、少し上げると彼女の濡れた裂け目にスルリと淫欲棒を入れた。女子校生は、
「はああああーっん。こんなところでするのは、初めて。」
と悶え始める。彼女のピンクの内部は、ざらついていて自分の淫欲棒が刺激されて気持ちいい。太陽は南中していた。真上から照りつける太陽の光は、女子校生の淫欲裂から派面ライダーの淫欲棒が出ては入るのを照らしつけている。そのうち中年の派面ライダーは膝が痛くなってきた。ので、淫欲棒を一旦抜いて、
「バックからしようよ。膝が痛くてね。」
と女子校生に話す。
「いいよ。後ろから突いてくれた方が、もっと気持ちいいかも。」
女子校生はクルリと向きを変えると、ビルの壁に両手を突いて大きな尻を突き出すとスカートを右手で上げた。
すいかのような彼女の尻肉の下の中央には、もっこりとふくらんだ肉の中心に淫欲の裂け目が派面ライダーの眼についた。彼は、まだ天を向いている自分の欲棒のかたまりをズーン、とスムーズにズームインさせたのだ。
「ああん、大きいのを感じるわ、派面ライダー。」
女子校生は、黄色い声を上げる。派面ライダーは、赤い手袋をしたまま彼女の尻を抱えて思う存分、突きまくった。ずんずん、ずいっずいっ、と。「ああん、もう、こわれてしまいそうだわっ、いい、天国にいきそうっ。」
十分もすると、女子校生の内部の締め付けが強まってきて派面ライダーは、
「ああ、おっ。」
と声を上げると、どくっ、どくっと女子校生の淫穴の中に出しきれるものは全て出した。

 波山飛苧(なみやま・とぶお)四十歳は、うだつのあがらないサラリーマンだった。福岡市内の不動産会社に勤めているが、不動産会社を転々としていた。主に賃貸住宅の仲介をしている不動産屋を流れ歩いている彼は、いつでもヒラの社員だ。
福岡県福岡市は人口百五十万人を越えて、マンションやビルも増える一方、不動産会社も増えているので競争は厳しい。
東京からの不動産会社も参入してくる。福岡市の都心部は東京さながらの人口密集地帯で、いつの日か二百万を超える人口になるに違いない。
波山飛苧の父は福岡県庁に勤めとおした役人で、長男の飛苧に波の山を越えて飛ぶ飛び魚のような人間になってほしいという思いから飛苧と名づけたのだ。
 高校を出た飛苧はバイク便のライダーとなって、重要書類を届けて回っていたが、働きながら学べる不動産の専門学校に通い宅地建物取引主任者の資格を取り、不動産会社に転職した。
しかしながら不動産物件の案内などは自動車で回るのが常だ。飛苧は自動車運転免許も持っているので、顧客の案内も会社の車で行っていたが、好きなバイクに乗れないので不満が、つのっていた。

 飛苧は三十にしてワンルームの中古分譲マンションを買い、そこで暮らしている。福岡市の中心に近いワンルームマンションだ。三十五歳の時に変装趣味を覚えて、白バイ警官の服装を購入した。白い部分を赤く染めると、250ccのバイクに乗り、サングラスを掛けて車道を走った。
道行く車の運転手やバイクの運転者は彼を白バイの警官と間違えた。よく見ると赤い色の部分がある服装なので、気がつくはずだが気がつかない。飛苧は爽快になった。
彼はマンションの七階にある自分の部屋に戻ると、アイマスクに似た、目の部分は穴の開いたものを両目に当てて後頭部にゴムひもを掛けると、
「変チン、」
と声を出しながら、両腕をまっすぐにして肩の上に上げた。万歳の格好に似ているが両手のひらは前にではなく、横を向いている。互いの手の平が向き合っている形だ。
「おおっ。」
と飛苧は次に声を出すと、両手を降ろして股間に持っていく。両手でズボンの上から自分のモノを触ると、すでにそれは固く太くなっていた。
(いけるじゃないか。これで、変チンすれば即、勃起している。どんな女とも、すぐにやれるだろう。とはいっても、若い女となら、だが。)
飛苧は高級物件を案内したキャバクラの女性と、その部屋に行った時に、二十三歳のその可愛い女は、
「誰も居ないしさ。ここでセックスしようよ。」
と玄関のドアを飛苧が閉めた時に誘った。
「え、まさか、そんなこと、できるわけないでしょう。」
飛苧は一応、否定した。キャバクラの可愛い女は、ふんと笑って、
「勇気ないのねー。わたし、お客さんから毎晩誘われているけど、五人に一人としかセックスしないのよ。今は二月で客が少ないから、マンコに入れる本数が減ってるからさ、あんたのモノ入れてくれたら、ここの部屋に決めるよ。」
と話して、スカートを自分の胸まで引き上げた。
彼女の股間は真っ赤なショーツだった。まるで闘牛が闘牛士の赤い布キレに誘われるように飛苧は興奮して勃起した。
「お客さん、いいんですね。会社には内緒ですよ。」
と灰色のズボンの前を膨らませて、飛苧は聞いた。
「そんな事、誰にも言わないわよ。立っているじゃない。ちんこ出したら?」
とキャバ嬢は挑発した。
「出しますよ。そーれ。それから、こうする。立ちシックスナイン。」
飛苧は瞬時に自分の肉棒をジッパーから引っ張り出すと、キャバ嬢の前で逆立ちをして、手を交互に動かして逆立ちのまま、身を反転させた。
立っているキャバ嬢の目の前に、飛苧の勃起肉棒が床を向いて硬直していた。
「ええー、凄いわ。しゃぶるね、ちん棒。」
細い白い指でキャバ嬢は飛苧の血管の浮き出たモノを握って、亀頭から口に入れると、
ふぐ、ふぐ、と音をたてながら自分の頭を長い髪を振って上下に揺らせた。飛苧の目の前にキャバ嬢の股間はなかった。
「泉沢さん、あなたのオマンコは見えませーん。」
と逆立ちして太くさせた肉棒をしゃぶられながら飛苧は、わめいた。キャバ嬢は口から太い肉棒を抜くと、
「ごめん。しゃがむわね。ショーツは、わたしがおろすよ。」
彼女はしゃがんでショーツを膝まで降ろすと、そのまま自分の割れ目が飛苧の顔の前に見えるように近づけた。ああ、かわいいキャバ嬢の男の棒を咥えたくてしょうがない膨らみと少し開いたピンクの縦の裂け目が飛苧の眼にうつったのだ、彼は逆立ちの手を交互に少し進めると、キャバ嬢泉沢のマンコの縦の淫裂に口をつけて、舌を出して舐め捲くると、
「ああー、いいわー。逆立ちしている男にアソコを舐められるのは初めてよ。」
と悶えて自分の乳房を両手で持って飛苧の床に向いて硬直している肉を乳房にはさんだ。上着の上からではあるが、気持ちいい、と飛苧は感じると
ピュッ、ピュッ
泉沢の上着の胸に射精してしまった。彼女は慌てて、
「ちょっとー、何するのよー、この上着、高いんだから。カシミヤなのよ、五万するの。」
文句を言う。萎えたチンコは、やはり逆立ちしているので床を向いている。その姿勢で飛苧は、
「すみません。ここの家賃七万円でしたね。手数料は一か月分なので、五万円ぼくが払いますから。」
と話す。キャバ嬢は、にこりとして、
「そうしてね。わたしの福岡銀行の口座に入れといてよ。もし振り込まなかったら、この件は、あんたの会社にばらすわよ。」
「わかりました。なるべく早急に・・・。」
「いつまで逆立ちして小さなチンコをぶらさげてるのよ。」
「すみません。戻ります。」
飛苧は手を動かすと、背中を泉沢に向けて足は彼女の目の先の床面に下ろした。着地して慌てて小さくなったモノをズボンに仕舞い込んだ。

 というような過去もあった。紹介した部屋で水商売や風俗の女は誘ってくる場合もあったが、思うように挿入した事はない。それは追々、彼の追想で出てくるかと思う。

 さて、彼の変チンポーズだが、飛苧は変チンと叫んで両腕を真っ直ぐに天に上げた時に、頭の中でAV女優の裸体を思い浮かべる事にしている。旬の女優がいい。数年前に人気があったAV女優も、いつのまにか消えてしまうことが多いものだ。
「変チン、」
でAV女優の裸の股間に頭の中の視線を合わせると、むずむずと肉棒に血液が流れ込み、
「おおっ。」
で完全に勃起している。
最初に暴漢に追い詰められた女性はキャバ嬢だ。彼女は中洲のキャバクラ、「女子校生」に勤めている。波山飛苧も時々、遊びに行くキャバクラである。彼は、
「おれ、変身ポーズでチンコ立てられるんだ。」
と接待している女子高のセーラー服を着た二十歳のキャバ嬢に話した。
「きゃっ、チンコなんて露骨だわ。でも、すごいのね。」
と持ち上げてくる。
「ここで、して見せようか。」
「いいわ、やってよ。」
飛苧は立ち上がると、
「変チン、」
と叫び、両手を手のひらを内側に向けて真っ直ぐに挙げた。その時、彼の頭の中にはAV女優の裸が浮かんでいる。
「おおっ。」
と叫んで、股間に手を回すと、完全に勃起しているのが、目の前にいるキャバ嬢にも分かった。その二十歳のキャバ嬢は手を叩いて、
「すごいなー。ちんこ、立ってるわ。変チンのポーズ、ここのみんなに伝えておくから。」
と話した。

ファンタジー 性神世界の秘密 改訂版

どこでもAV

AV学部の授業は一応、密室で行われている。
この学部の授業のために、帝都箱崎大学は地下に講義室を作ったのだ。
何せ実践的な授業を行うための、AV女優を招いての講義のため、生徒はAV女優と絡みができる。
広い校舎とはいえ、大学外の関係者も出入りするため、そこまでの配慮が必要だったのだ。
 赤木恵一は汁男優・養成講座に出席した。

「以上で汁男優とは、何かが、わかったと思う。どうだね?」
講師は一同を、ずらーっと見渡した。
ここは、三十人程のクラスである。みんなは、理解を示した顔をした。
「わかったようだな。わかっただけでは、駄目なんだ。実践できなければ、いけない。そこで、今日は東京からAV女優を呼んである。冬野プリンちゃんだ。」
講師は携帯電話を取り出すと、
「もしもし、プリンちゃん?今から授業だよ。地下室だ。おいで。」
と通話した。
それから五分もしないうちに、講義室の扉が開いて、AV女優・冬野プリンが現れた。
 ロングヘアーで長身だ。胸も大きいのは、彼女が服を着ていても、わかる。
彼女が教壇に講師と一緒に立つと、
「よろしくー。」
と言って、指でVサインを作った。
あー、というような、どよめきが生徒から起こった。
これから実践、大丈夫かな、という気持ちの表れだろう。
講師は、
「それじゃあ、みんな準備してな。脱ぐんだよ。」
と説明すると、真っ先に冬野プリンが服を脱いでいった。
彼女の下着姿、そして豊満な胸が出て、パンティを脱ぐと濃い目のアンダーヘアが現れた。
生徒は恥ずかしそうに彼女を眺めている。
「ぼうっとせずに、さあ、準備しなさい。」
講師が命ずると、生徒も服を脱ぎ始めた。
パンツ姿になった生徒の大半は、テントを張った姿である。講師は、それを見ると、
「おおーっ。元気いいな。パンツも、おろしてな。」
と言うと、腰に両手を当てた。
生徒達は少し恥ずかしそうに、パンツを降ろしていった。
若い茸が、にょきにょき、と立っている風景である。
教壇の冬野プリンの前に、生徒のみんなは立って、あそこも勃てていた。
「よし、じゃあ、赤木から、いくか。」
すでに勃起した赤木は、冬野プリンの全裸を見ながらペニスを、しごき始めた。
講師は、それを見ると、うなずいて、
「諸君らも、始めなさい。プリンちゃんを囲むのだよ。」
 生徒みんなは教壇に立ったプリンを、半円形に取り囲むと、赤木と歩調を合わせてペニスを、しごき始めた。
プリンの真正面に赤木は立っている。
もちろん、ペニスも勃っている。
プリンは教壇に座り込むと、両脚を大きく開いた。
それを見た赤木は、
「うっ。」
と声を漏らすと、勢いよく射精した。
その精液はプリンの顔の上を越えて、講師のズボンのチャックのところに、べっとりと、かかったのである。
「うえっ、元気よすぎだ。」
 講師は情けなさそうな顔をして、ポケットからハンカチを出して、赤木のザーメンを拭き取った。
教壇に座って、脚を広げたプリンは、さらに脚を拡げて寝そべった。
彼女の割れ目は丸見えとなった。
「あっ、ああー。」
生徒は口々に声をあげると、次々とプリンの腹や胸に向けて、射精して果てていったのである。
「よしよし、上出来だ。」
講師は言うと、プリンにタオルを渡した。
プリンは、にこりと笑うと、
「みんな。元気、いいのねー。」
と言って、タオルで、かかった精液を拭き取った。
「諸君。服を着たまえ。今日の授業は、ここまで。」

「赤木君って言うの?」
愛野郁子は、妹の部屋で彼女の同級生の名前を聞くと繰り返した。
「そう。あたしに告白したの、彼。でもー、もう、あたし、彼、いるから。お姉ちゃんを紹介するって、言ったのよ。」
君代は、満面に笑みを浮かべて話した。
「そうなの?でも、私、別に男に・・・(いくらでも金玉は、味わえるわね)困っているのね。え、日本語では、これは、おかしな表現だわ。
あ、君代が言うんだもの。会いたいな。」
郁子は、無理に笑ったような顔をした。
(街で男を漁った方が、手っ取り早いけどな。それに妹の紹介じゃ、悪い事できないかも。)
「よかったわ、お姉ちゃん。今度の日曜日で、どう?」
「ここで?」
「いえ、東公園が、いいんじゃないかしら。」
「ん?私、知らないわ。その公園。」
「連れてって、あげるわよ。広い公園だから。」
 東公園とは福岡県庁が隣接した、かなり広大な公園で緑地帯である。
ホモ、というかゲイの男性のたまり場という場合もあるし、浮浪者が、たむろしたり、家族で便所の近くにテントを張って生活している人間もいる。
 樹木が多いため、くつろげる場では、あるのだが。
君代は森田健一と一緒に日曜日、東公園に遊びに来た事がある。
人通りも、そんなにない場所もあるので野外セックスを楽しめるか、と思ったのだ。もちろん、君代が、そう考えたのだが。

 森田健一は、木陰のベンチに腰掛けて隣の君代に話しかけた。
「こーんなに広い、公園があるんだね。町田の芹が谷公園より、いい感じになってるなー。」
「そうねー、あっ。」
「どうした?」
「あれ。」
少し先の公園のテントから、女のあえぎ声が聞こえてきたのだ。浮浪者カップルだか夫婦がセックスをしているのだろう。
「昼間だぜ。よくやるな。」
「あたしたちも、しない?」
「テントもないし、やめとこうよ。」
「健ちゃんは、テント張ってないの?」
「いや、まだだよ。」
「じゃあ、あたしが。」
君代は森田のズボンの股間に手を当てた。すると、みるみる森田のあそこは膨らんできたのだ。
「健ちゃん、元気いい。」
「まあなー。」
「いますぐ、始めない?」
 
 テントの中から聞こえてくる喘ぎ声は、悶え声となっていた。森田は、
「よし、やろう。」
と言うより早く、ズボンのベルトを緩めた時、向こうの方から人影が歩いて来た。
「おい、森田!」
 赤木恵一だった。赤木は森田にだけ、先に気づいて声をかけたのだが、すぐに隣にいる愛野君代に気づくと、(あ)と思った。
「あ、愛野さんも一緒か。邪魔したな。」
と近づくのをやめて、赤木は五メートル位先から声を出した。森田のペニスは赤木の顔を見た途端、萎えた。
「おい、赤木!」 
森田はズボンのベルトを締めて立ち上がったが、赤木は脱兎の様に、その場を駆け出していた。近くのテントの中からは、
「あ!」
「ああー!」
という男女の絶頂に達した叫びが聞こえた。それから、
「もっと面白いの借りてこいよ。」
と男の声がした。
「そうだなー。このメーカーのも、もう古いよな。」
と、同じ中年の年代の男が答えた声がした。
テントの中でAVの鑑賞をしていたのだ。電源は、すぐ近くの便所から引いているらしい。君代は、
「あ、あれ。」
と言うと、便所の近くの木陰を指差した。森田が見ると、その樹にもたれて一組の男同士が抱き合っていた。まだ二十代らしい。森田は、
「福岡って、こんな、ものなのかな?」
と君代に漏らした。
「こんな、ものなのよ。東京とは違うんだから。」
と君代は答えると、右手で森田の尻をポンと叩いた。
 
 東公園の東側には日蓮宗の寺があって、日蓮上人の像も建っている。この日蓮だが、神秘学的な方面からは、死んでから地獄に落ちたという話は、よくされている。
 霊界の地獄に行き、日蓮に会ったという話もある。
 これらの話は、かなり興味深いものではある。それは、さておき、君代と森田は東公園を出る事にして歩き始めた。
 樹木の並んだ道を歩いていると、通りから見えない木陰の辺りから、二つの坊主頭が、にゅっと姿を現しては又、木陰に入った。
 何と、その二つの坊主頭は抱き合っている位置にあり、首から下は僧服らしきものに見えたのである。
 その時、寺の鐘がこーん!と鳴った。
 すると、さっきの木陰から抱き合っていたらしい二人の若い僧侶は駆け出して、東公園を出て行ったのである。
 ちなみに、福岡市におけるゲイの人口は、かなりなものと言われてもいる。
福岡市出身の芸人は大概ゲイという話も、ある位だ。さて、芸能界でも、やはりゲイはかなりの数でいるらしい。
 お笑い界の大御所は両刀遣いらしいし、芸能人の男は、かなり両刀遣いらしい。最近カミングアウトした歌手もいるが、あれなど氷山の一角であろう。
 特に若い男性芸能人は女みたいに華奢な人間も多いわけだから、先輩芸能人に狙われるわけだ。芸能界は福岡出身者も多いため、ゲイも芸も伝播していっているのかもしれない。
 実は日本の芸能界は入るのには、ゲイの先輩が、いるのを覚悟する必要があるのは、ご存じない人も多いと思う。
 プロダクションによっては、ダメ押しされる事もあるくらいだ。
女性のアイドルである男性芸能人も、渋谷のラブホテルで先輩の男性芸能人と、ベッドにいるという事も又、事実なのである。
 某プロダクションでも問題になっていたとはいえ、最終的には、うやむやになってしまうのは、まさか自分の尻の穴を掘られました、とは、いえないところが事実だろう。

 帝都・箱崎大学でもAV学部を作った時、最近、流行のゲイ映画の部門、つまりゲイ学科を作ろうかという話もあったのだが、ルシファー様のご託宣によって、とりやめとなった。
「ゲイは公序良俗に反する。」
というのが、ジェイムズ・クラウンの祈りに答えたルシファー様のお告げであった。

 君代と森田は東公園を出た。
 隣接したところには体育館もあり、広い道路もある。
パート引越しセンターのトラックが、よく通っている。
 この会社はフリーダイヤルのCMでも有名である。荷造りは、もちろん、引越し先の賃貸住宅の紹介までするという事で、業界ナンバーワンに、のしあがった会社だ。
 大阪で起業して、現在は箱崎に福岡支社を置いているため、この辺の引越しはパート引越しセンターが一手に引き受けている。
 従業員の半分を正社員ではなく、パートでまかなうという業界でも他の会社が、しない事で成長した会社である。
 これが派遣などで人員を確保する、他の会社とは違ったやり方のため、派遣が禁止になっていっている現在でも急成長中の原因となっている。
♪あなたーのうちのー0120、パート引越しセンターえー
という歌のフレーズはネットを見た事のある人なら、一度は眼にしているという、あの会社だ。
 このCMの福岡版には、ミス福岡が出ていた。その女性が、東公園に犬を連れて散歩に来ていたのを、赤木恵一は、そこを出る前に見た。
 赤木も君代が森田といた事にショックだったし、博多美人なるものを見て心を癒そうと思ったので、そのミス・福岡の後を追ったのだ。
 その女性はドーベルマンみたいな犬を連れている。
その位、用心しないとな、と赤木は思った。ミス福岡は、ゆっくりと木立の中を歩くと、通り道から見えないところに、ドーベルマンと消えた。
(どうなったんだ?)
 赤木は思うと、しばらく、その場に立ち尽くした。やがて、ミス福岡がいるであろう高い生垣の中から、女のあえぎ声が聞こえてきた。
 赤木は素早く、しかし、そっと、ボクシングのフットワークで、生垣を回り込んで中に入ると、何と、ミス福岡が四つんばいになり、スカートをめくってパンティを下ろしてオナニーをしている。 ミス福岡は快感に顔を歪めて舌を出していた。(なんてこった!)
 赤木は慌てて、素早く動こうとした時、がさっ、と枯れ木の塊を脚で蹴ってしまった。その時、その音に気づいて、横を見たミス福岡は赤木と眼が合った。
ミス福岡は赤木の前に立って上着を脱ぎ、ブラジャーを外した。
 それから、スカートもパチンと留め金を外すと、赤木の目には、ミス福岡の黒々とした茂みが見えたのだ。
 それを見た赤木は、我知らず勃起していた。すかさず、ミス福岡は赤木に近づくと、ズボンの上から赤木の勃起しているものを、ぐっ、とつかんだのである。
 ミス福岡は赤木に抱きつくと、後ろに倒れかかった。そのまま赤木は、地面に横たわった女の上にかぶさった。
(い、いいのか?)
赤木は思ったが、ズボンのチャックを下げて、すでに膨らんだペニスをパンツの中から出すと、ミス福岡の膣に挿入したのだ。
「あっ、いー。」
ミス福岡が声を出すと、赤木は激しく腰を動かしていった。

 授業で習った汁男優の仕事。本当に、この女性の中にかけて、いいのか?
ミス福岡の手が、赤木の首筋に触れると同時に赤木は射精していた。
 
 その日から、赤木はミス福岡の愛人となった。大っぴらに、男を作れない立場にあるミス福岡は、彼氏もなく、だから、公園の陰でオナニーをするようにもなっていたのだ。
 この立場にも辛いものは、あるだろう。この場合に限らず、日本の芸能人の女性、アイドルとか女優は男を作れないために、事務所の方で性処理の男性を用意するという事は、意外と知られていない事実である。
 ミス福岡のように公園で、という芸能人は、まず、いないとしても芸能事務所のトイレか何処かで、セックスしているのは事実であるらしいのだ。
 それが、時々、流出してアダルトサイトなどに出てくるが、中々、大物のものは出てこない。
 事務所も、そういう盗撮はしないのが普通だろう。赤木は東公園でラッキーな出会いだったのだ。
 ともかく、日本のアイドルと称する人物は男性経験、五人は下らない場合も多くあるという事は記憶しておけば、インターネットの掲示板で青春を裏切られた、などと文句を書く必要もなくなるし、企業も後で、その人物がAVなどに出て企業イメージを悪くされる心配もない。
 言い換えれば、アイドルは清純さを装っているだけ。蓋を開ければ同棲していて、毎晩、男のペニスを貪っている事も、よくある話なのだ。パート引越しセンターに出ていたミス福岡も仰天スクープものだが、この程度の人間は、東京から写真雑誌記者も追ってこないし、分かり様もない。
 パート引越しセンターの創業者も、落ちぶれかけの芸能事務所から十七歳の新人を紹介され、東京の新橋のマンションの一室で性交に類似した行為をし、おこずかい十万円を渡したため、警視庁に書類送検された。
 これがマスコミに報道されるや、パート引越しセンターの危機か、と思われたが創業者が引退して、相談役に退くことで社会的責任は取った、と世間的に認識されたようである。一代で、巨大産業にまで成長させた、パート引越しセンターの創業者には同情の声も聞かれた。つまり、はめられた、というわけだが、実際は、はめているのは創業者だったわけだが。

殺し方は色々

 東公園で又、睾丸を噛み切られた男の死体が発見
 インターネットのニュース、新聞、その他テレビ、ラジオは大騒ぎとなっている。
何せ、昨日は二体も若い男性が死体となっていたのだから、大騒ぎだった。何しろ上着はつけたまま、パンツを下ろしている格好から、睾丸よりの出血多量で死んでいる。 
 とはいえ、その場に出ている血よりも本来は、その二人の若者の体内にあるであろう量の血液が、どうも足りない事が検死の結果、判明した。
 何故、どうしてかは理由は不明である。
 君代は、学生会館で東公園の男の変死体が、持ちきりの話題となっているのを聞いた。ラウンジで何人かが、自動販売機でカップコーヒーを片手に話しているのを聞いたのだ。
「連続殺人事件として、福岡県警も捜査に乗り出したんだって。」
「犯人は変態だね。」
「女じゃないかな。」
「ゲイも多いってよ、東公園。」
「金玉を噛み切る趣味の男も、いるかもよ。」
「そうだな。福岡だから。」
君代は、少し福岡が恐ろしくなったが、自分には森田や姉がいる。それに何より、ルシファー様の、ご加護があるではないか。

 ジェイムズ・クラウンは、その朝、ルシファー様との対話の中で、福岡の人間のいくつかを、おもちゃにする事を提案された。
「仰せの通りです。どうも私も福岡などは、やはり馬鹿の多いところであると感じていました。」
クラウンが答えて空中を見上げると、紫色の光とともに、輝かしい表情の美青年が現れた。ルシファーだ。神は微笑むと、
「手当り次第ではなく、少しずつ、やりなさい。余が教えた方法で。」
「かしこまりました。」
ジェイムズ・クラウンは恭しく跪いた。福岡市に限らず、何処でもバカップルというやつらはいるが、井尻という福岡市南区にあるところにも、結構いるものである。夏のくそ暑い日の夜に、腕を組んで歩く馬鹿蔵、いや若造がいる。その前に現れた、浮浪者風の四十代の中年が立ちふさがると、
「どけっ、馬鹿蔵!」
と叫んで、話始めた女の口を殴った。バキッ!と音がすると、その女の歯は三本折れて
「ぐえっ。」
とわめくと、口を押さえて前のめりになった。そこを中年男は右足で、女の顔を思い切り蹴り飛ばしたのである。
「がっ。」
と呻くと、女は仰向けに倒れた。女の前歯は、ほとんど折れていた。連れの男は、その場に立って、ぶるぶる、震えている。中年男が、その若造を見ると、男はズボンの前の辺りが、見る見るうちに濡れてきた。小便を垂れ流しているのだ。
 バルキョウというスーパーマーケットの前の通りである。夜の八時過ぎで、人通りはそう多くはないが、近くを通っていた通行人は、いっせいに逃げ出した。
「福岡の馬鹿どもを、やってやれ。」
中年男の頭の中で、声がした。おーとも、やらいでかと男は、うなずくと、自動販売機を蹴り飛ばして、出てきた缶ビールを手にすると、キャップを外して、ごくごく、と飲み干した。
「うめー。」
少し、口からこぼれた液体を、右手で拭うと男は悠々と歩き出した。西鉄大牟田線の井尻駅の近くには、居酒屋などが多くある。そのうちの一軒から出てきた、ばばあに男は近づくと、缶ビールの残りをぶっかけた。
「ひゃー、なんするとね。(何をするの)」
と、そのばばあが抗議したところを、男は思い切り、その六十代の老女の鼻筋を殴り飛ばした。
「びえっ。」
とわめくと、老女は横倒しに倒れた。
「福岡の田舎ものが。」
男は叫ぶと、そのばばあの顔に唾を吐きかけた。それから、そいつの顔面を靴の裏で、ごしごし、と擦った。老女は当然、意識を失っている。最後に男は老女の顔面を思い切り踏み潰した。ぐにゃっ、と音がして、眼球が右目から飛び出した。
「福岡の田舎もの、福岡の田舎もの♪。」
男は中年のだみ声で、ハミングするように声を出すと、通りから闇の中に消えて行った。

 翌朝のニュースには、これらの出来事は当然、出た。帝都箱崎大学の理事長室でジェイムズ・クラウンは、
「やったな。」
と牧田学長に語りかけた。牧田は、にこにこ、して、
「理事長の仰るとおり、東公園の浮浪者をゴーレムというか、ゾンビみたいなものにしたのが、うまく、いきましたね。」
「あとは、他にも襲わせる所は、あると思うよ。」
ジェイムズ・クラウンは顎に手をやって、にやにや、した。
「天神辺りは、目立ちすぎますかねー。」
牧田は、にやり、としながら聞いた。
「最後は、そこが、いいだろうけどね。」
クラウンは片頬に手を当てて、思案に耽った。

 天神、それは現在、福岡市の最大の繁華街である。
この一番、人通りの多いところで、路上演奏などしていて、オーディションを受けてプロデビューし、有名になった歌手もいる。
 又、ジャンボ宝くじの高額当選が、よく出るのも天神駅前の路上の売り場であるのだ。2011年に博多駅に九州新幹線が開通し、JR博多シティのような大型ショッピングモールが開店すれば、福岡市の様相も変わるだろうが、今現在は天神の方が、あらゆる意味で押している、と言ってもいいだろう。
 ひとつは、夏になっての冷房の度合いは、天神駅周辺は博多駅周辺より強く行われている感がある。
 天神地下街という商店街も、博多駅周辺の地下街より大きいため、地下街の地上出入り口から、夏になると天神は冷房の冷気が吹き上げてきて、何とも心地よいものとなる場所があるのだ。
 人工の力とは、自然に勝るものであろう。本来的には博多駅の方が、若干、涼しいのかもしれないのだが、地下街やデパートなどの冷房が、よく外まで出てきているのは天神の方なのだ。
 天神の中心に近いところに、菅原道真を祭った小さな神社があるが、これが天神の地名の由来かと思われる。
 ここに東京から出店したデパートも、ある。西鉄大牟田線天神駅は、三越と直通している。これは大掛かりな工事が必要であったのだが、三越がオープンして、しばらくすると、そこから北に百メートルも行かない所にあった岩田屋という老舗の福岡の地場のデパートが閉店することには、なったのである。
 この岩田屋は天神四つ角の一角にあり、福岡市で最も地価が高いところだ、といわれていた。
 そのため、岩田屋は地価税を二億円払わなければ、いけなかった。これも閉店へと繋がる要因では、あったのだろう。その岩田屋の建物に、今は渋谷のパルコが出店している。岩田屋の二の舞となるか、どうかは楽しみではあるのだが。
 この天神四つ角には、気温をデジタルで表示している場所があるが、それはそのパルコの東側の、道路を渡ったところにある。丁度、道路を渡ったところは、三菱東京UFJ銀行の福岡支店がある。少し丸いビルである。
 この通りを、五月の連休には、博多どんたくが、どんたく行列をするところで有名だ。もちろん、その時は、通りは車は入れない。どんたくの人出は、百万人とも言われている。帝都箱崎大学の学生も、来年は、どんたくに出場する予定だ。ルシファー像-美青年の神像を担いで行進する予定だ。ジェイムズ・クラウンは、
「どんたく、いいですね。」
と、顔を上げると牧田に言った。牧田は、うなずくと、
「ええ、ええ。人通りは、ものすごい。私の実家も、明太の会社の社員全員が、どんたくに出るんですよ。」
「楽しみは、色々だね。」
「ええ。そうです、本当に。」
牧田は答えると、思案深げな顔をした。福岡の日没は遅い。これは、明石標準時に比べて二十分の誤差が、あるからである。
 逆に東京は日没が、明石標準時より二十分早い、事は事実である。箱崎のルーベンドルフ・アーネストの住居の近くに、ワーケンスタインは住んでいる。
 朝の日課として、帝都箱崎大学の付近を散歩していると、愛野郁子が歩いている。ワーケンスタインは、(何だ、郁子さんじゃないか。あっ。)と思った。彼女の身に漂っている妖気のようなものを、感じ取ったのである。
「愛野さーん。」
ワーケンスタインは郁子に声をかけると、手を振った。
「あ、ワーケンスタインさん、でしたね。」
「そうです。今日は日曜日、あなたは何処へ行くのですか?」
「ちょっと、妹の住んでいるところまで、用事があって。」
「妹さんですか。」
「帝都箱崎大学の学生なんです。」
(帝都箱崎大学?)
 ワーケンスタインは、まだ、帝都箱崎大学の存在を知らなかった。というより、その名前だけでは、あるが。何故なら、今、彼らが歩いているのは帝都箱崎大学の、すぐそば、だからである。
「あら、知らないんですか。そこに見えているのが、帝都箱崎大学ですよ。」
 郁子は九州大学とは、まったく違った趣の近未来型の大学の建物を指差した。
「あ、あれですか。アメリカ的な建物ですな。ドイツには、ないと思います。」
「日本一、いえ、ハーバード大学も抜いて、世界一にするという学長の意気込みが、あるんだそうですよ。」
「おー、そーですか。」
 ワーケンスタインは、話している郁子の口から見える、糸切り歯が鋭く光っているのに気づいた。その日の朝も、東公園には若い男の死体が転がっていたのだが。郁子の糸切り歯は、右の方が赤く見えた。ワーケンスタインとしては、そんな大学など、どうでもいいのだ。彼は、マダム・ブーランベール達を追っているのである。
ワーケンスタインは聞く、
「で、トマトジュースでも、今朝は飲んでます?」
郁子の顔が、少し、こわばった。
「え、ええ、飲みましたよ、今朝。」
東公園で、とは言えなかっただろう。
「健康には、いいです、らしいですね。あなた、前より、生き生き、としてますし。」
「そうですか。気づきませんけど、すみません、これで。」
郁子は軽く、会釈した。
「あ、引き止めて、すみません。」
 ワーケンスタインは肩を、すくめた。
(何だか変だなー)
と思いながら、歩き去る郁子の後ろに写る影を見ると、三分の一が、ないではないか。(な、な、な)
ワーケンスタインは心の中で叫んでいた。
 大変だ、彼女は吸血鬼になってしまったのではないか。
その時、いきなり、帝都箱崎大学の建物から鋭い光が飛んできて、ワーケンスタインの眼を射た。
うわっ、と彼は、のけ反ると、その場に屈み込んだ。
 そして、三分ほど動けなくなった。
 帝都箱崎大学の物理学部の学生は、朝から乱反射する多面体の鏡を、近くを通る通行人に向けて差し向ける実験をしていた。
「やったー、やりましたねー。」
学生の一人が、小躍りして言う。
「ああ、あの外人は、しばらく眼が見えないだろう。」
 もう一人の学生は、双眼鏡を片手に、にやりとした。
物理学部に隣接するのが、魔術学部である。
ここでは、ジェイムズ・クラウンが、時折、指導に当たることもある。浮浪者を凶暴化させて、福岡の市民を襲わせる目的だ。
「福岡のやつなんて、東京町田の連中より、やりやすい、はずだ。」
牧田博士は、魔術学部の講義室で指導した。
「私も福岡市出身だから、よくわかるが、福岡には馬鹿が多い。殺すのなんて、ためらいは、いらないだろう。どうせ馬鹿なんて、生きる価値のないやつらだ。現在、福岡市の飲酒運転は全国ワースト一位だ。こんなやつらを、魔術で殺せるなんて善行の極みだよ。やれ、福岡の馬鹿どもを。」
 牧田博士は胸を張った。
牧田博士の言うとおり、福岡市では過去公務員が飲酒運転をして、東区の海岸線で子供三人を乗せた家族の車に激突、海中に沈んだ車の中からは子供三人の死体が発見されたという事件がある。
 又、博多区では事件は毎日のようにあり、警察官の人手が足りないほどである。このような事は、人口が多い割には事件の少ない東京に比べれば異常なほどで、福岡の警察官は、いつも顔が緊張している。
 東京も近年、秋葉原や少し昔の池袋での通り魔殺人などで、緊張は高まっているとはいえるが、福岡市のような緊張感は低いと思ってよいだろう。
 つい最近の事件としては、福岡市早良区でアメリカ人の老人が、英語を教えるかたわら、小学生の女子にわいせつな行為をしていたという事件もある。
 このように福岡市とは、犯罪のるつぼ、といえる場所も、あるといえよう。最も人通りの多い天神ではアンケートと称して、怪しげな新興宗教の勧誘を行っていた例もある。

 その天神の東側、那珂川を渡って、すぐのところが歓楽街、中洲だ。ここでは、近頃、風俗店の呼び込みは条例によって禁止となっている。が、禁止になる前は中洲の路上で、呼び込みは盛んに行われていた。
呼び込みは禁止されたとはいえ、風俗店の前に男が立っているのは、通行中の車からでも道路上から見える。
 さて、これらの全国でも最低クラスの福岡市民どもを、ロボット化した浮浪者に襲わせる計画、実験が魔術学部で進行中である。将来的には、人造人間を作り出す計画もある。ルーマニアから、美女姉妹二人を呼び寄せて、その講座を開講した。

ルシファーの栄光教会

「吸血鬼になる方法」
という講座だ。
 実は、この姉妹は、吸血鬼と恐れられたルーマニアの伯爵の子孫である。
青髭とも呼ばれる人物だが、領民の若い女性を狙っては、犯した上で首をはね、吹き出す血を、うまそうに吸ったという。
 その人物の子孫である彼女達も、ルーマニアが共産主義国の時は、体操の選手であり、オリンピックにも出た事があるという。
 かのナディア・コマネチより、少し遅れた世代である。コマネチはコーチとなっていて、彼女達を教えていた。
 現代に生きる女吸血鬼の彼女達の栄養源は、血液銀行から売血を買って飲む事だった。元々富裕な彼女達の事、買う額は気にしない。
 伯爵の家系ではあるが、今はブタペストで、いつくものマンション経営をやっているのだ。それは、ルーマニアの共産主義が、崩壊してからであるが。
 牧田博士らがルーマニアを訪れ、直々に説得し、帝都箱崎大学の魔術学部にしたのだ。講義は彼女達は、まだ、日本語がよく話せないため、同時通訳が側に立って翻訳する。
「吸血鬼になるメリットは、たくさんあります。睡眠時間は一時間ほどで、いい。夜通し、ワタシタチは、起きていられます。」
 姉妹の一人は、教壇の上から魔術学部の生徒を見回した。生徒達は、少し、ざわついた。
「進化した現代の吸血鬼は、必ずしも、人を襲わなくていいんです。ルーマニアでも私たちは、実験的に犬の血を吸った事が、あります。そうすると、吸血犬となるんですね。野良犬はルーマニアでも、保険所送りですから、吸血犬が広まる事は、ありませんでしたが。」
おー、という声が生徒達から挙がった。
「日本に来て、こちらに来る途中、広島の原爆ドームなどを見に行った時、一人の男性を襲いましたけどね。」
美人吸血鬼姉妹の一人は笑った。だが、吸血鬼志願者は、その日は出なかった。

 三田村神士、今は日本のカトリック教会の枢機卿であるが、は福岡の司教館に来ていた。
 カトリック教会の福岡の司教館は、平尾の浄水通りにある。平尾山、といってもいい土地ではあるが、すでに、ほとんど緑地帯はなく、わずかな公園に樹木が何本か並んでいるだけである。
 ここもマンション建設が、かなり行われているのだが、当然、家を持つ住人は自宅の前に巨大なマンションが立つのは、いい気持ちではない。
 それで○○マンション建設反対、とプラカードを立てて抗議の意を表すわけだが、その程度であって、東京町田市の様に裁判沙汰に持ち込むことまでは、やらないのだ。  
 福岡の司教に限らないとは思うが、福岡教区の司教ともなれば、フランスに留学したりしている人物である。兄弟ともにカトリックの神父とは、なっているのだが、兄は、ひとつの教会の司祭で、弟のほうが福岡の司教なのである。三田村は、
「福岡は、どうね。」
と司教に聞いた。

体験版AV男優・真羅山太資の私性活

AV男優・真羅山太資の私性活

 真羅山太資(まらやま・ふとし)は、三十歳のAV男優だ。身長は百六十五センチ、体重は七十五キロで小太りな外見だ。AV男優としては中堅だが、逆駅弁ファックを編み出した。AV女優と対面してセックスを行う駅弁に対して、AV女優に背中を向けさせて、後ろからペニスを挿入し、女優の下腹部辺りを抱える。
AV女優は両脚を上げて、宙に浮いた格好になるのだ。これには有名AV女優も、
「ああん、飛んでるーっ。」
と悶えまくったのである。女性器が下付きの女優と行いやすい体位だ。
その体位は真羅山が二十五歳の時、福岡空港のトイレで客室乗務員の女とセックスした時、女はトイレの壁に両手をつけて尻を突き出した。
「このポーズで、したいの。アテンション、プリーズ。」
とハスキーな声で、二十二歳の巨乳の客室乗務員は懇願したのだ。
太資は、
「ようし。このポーズでハメるよ。」
と答えると、女の尻を持ち上げるようにして挿入した。客室乗務員は靴を履いた両足をあげて、
「ああっ、飛行機の中でセックスしてるみたいだわ。」
と乗務員の制帽をかぶった黒髪を乱しながら、太資の野太いモノをぴっちりとマンコで包み込んでいた。ショーツだけ下ろして、彼女は紺色の制服を着たままで、スカートは制服でミニだった。膨らんだ彼女の淫肉の唇は、太資の肉竿をヌメヌメと刺激した。太資は思わず、
「おわっ。」
彼女は、
「アハン、ハアンッ。」
と声を出してしまった。幸い誰も入ってこなかった女便所だった。
 
 その後で、客室乗務員の彼女、名前は滝上夢代(たきうえ・ゆめよ)は、飛行機に乗るのだ。そのために制服を着ていたのである。夢代のヒップは制服でも隠しきれない大きさで、かなりの男性乗客は彼女の歩いて動く尻を見ていた。その尻の中に少し前、真羅山太資が盛大に白液を注ぎ込んでいる。
そういう後の女性の尻は、淫らな雰囲気を醸し出すものなのだろう。乗客の一人は彼女の尻に手を伸ばしかけたが、自制した。
 
 この滝上夢代は、それから後、一ヶ月して空港のロビーで真羅山に告白した。
「わたし、結婚する事になったわ。いつまでも客室乗務員なんて、やってられないものね。」
結婚?誰とするんだ、と真羅山の頭の中で思いが彷徨う。
夢代はニカッと白い歯を出すと、
「同じ航空会社のパイロットよ。四十歳だけど、一晩に二回はしてくれるから、太資より多いし、テクニックも上で、わたしのアソコを三十分も舐めてくれたりもするの。
結婚したら毎日するって、言ってくれてるのね。つまり、交渉ね。ここ、ロビーだから、表現は抑えないと。
要するにね、太資よりうまい人だから。」
ガーン、と雷のようなものが太資の頭の中で轟いた。夢代は制服を調えると、
「それじゃ、さよなら。もう、会えないから。」
と言葉を残して、太資の前から立ち去ったのだ。
 正にこの時に太資は、AV男優になる事を決意したのだ。自分は夢代と結婚するつもりだった。それを呆気なくパイロットに持っていかれたのだ。
太資は福岡空港で、航空便の荷物を動かす仕事をしていた。
 その仕事を辞めて上京する事にした。人手の多い今、会社を辞めるのは簡単だった。夢代と結婚していたら、太資はその会社で働き続けただろう。女の影響と言うものは殊の外、大きいものなのだ。
パイロットとセックスを比べられて、別れを通告されるという男にとって屈辱的な場面を経験した太資は、もっとうまくなりたかったし、多くの女とやりたいという気持ちもあった。
そういう思いを秘めつつ、新幹線に乗って東京へ。
 
 東京についてから昔ならAV男優を募集している事務所を探したりしたのだろうけど、今はインターネットで簡単に探せる。
「AV男優募集」
で検索すれば、いい。
ズラズラと沢山、出てくる。なにしろAVメーカーは、三百社は超える数はあるのだ。
それでも運よく太資は、大手AVメーカーのハメハメカンパニーにサイトのフォームから応募していた。
ハメハメカンパニーは西新宿にあった。高層ビルが立ち並ぶ一角のビルの三階に、AVメーカーとは分からない外観の入り口がある。
ハメハメカンパニーとは通称で、ビルの会社名の表札にはHHCと出ている。
ドアを開けると一人の美形な長身の女性が、受付に座っていた。真羅山太資を見ると、立ち上がって、
「真羅山さんですね。専務が、お待ちかねです。」
と笑顔で個室に案内する。AVメーカーの女子社員は真面目な女性が、ほとんどだ。させ子のような女性は、いなかったりする。
女性がAVメーカーに持つイメージは、男性が持つイメージとは違うという事なのだろう。
ほとんどの場合、女性の体や顔を中心に撮られているのがAVなのだ。
 それにAVメーカーの人達は、優しくて真面目な人が多い。撮影技術もテレビ局に勝るものを持っているのだ。この理由は、こうだ。
映画全盛の時代に優れた人達は映画会社に入った。映画会社に入れなかった人間がテレビ局に入った。
そのうち、テレビが普及すると映画は圧迫され、興行収入も落ちてくる。
普通の映画では生きていけない人達は、アダルトビデオの世界に身を投じるようになり、そこで優れた撮影技術でAVを製作していったのだ。
レンタルビデオ店がAVメーカーの収入源ともいえるだろう。人がお金を払って借りるのがAVであり、タダで見るのがテレビなのだ。
 だからAVメーカーの人達は、優れた映像製作者でもある。
 太資の待つ、すべての壁が白い部屋のドアが開いてHHCの専務、五十代の筋肉質な男性が入って来た。背は高めだった。眼は丸く鋭い眼差しで、
「やあ、初めまして。専務の飯野栄蔵(いいの・えいぞう)と言います。福岡から応募してくれて、ありがとう。最初にね、健康診断があるよ。それ、大体、男優持ちだけど、君は今回はウチで持つからさ。新宿の病院に行って貰います。いい?」
「はい、もちろんです。」
「じゃあさ、今から行ってもらうよ。スタッフに同行してもらう。道川君というアシスタントディレクターと行ってね。」
道川ADが呼ばれて、会社の近くにある病院に性病の有無を検査しに行った。道川は二十代後半の丸く肥った男で背は低い。
「真羅山さんの男優名ですけど、漫湖名眼留(まんこ・なめる)だそうです。」
と細い眼をして道川は、新宿の裏通りで語った。
太資は苦笑いした。これから多くのAV女優のマンコを舐めるのでは、あろうけれども。
 病院では、クラミジア、HIV、淋病、梅毒、そして性病とはいえないが、B型肝炎でないか、どうかを調べられた。
道川は検査結果を貰って、
「陰性でしたよ。つまり、安全でした。これで撮影には入れるな。」
と太資に話した。
このようにAV男優になるにも健康診断が必要だったりと、昔のように簡単には、なれなくなっている。
それでも昔と違ってインターネットで登録はできるし、まるで派遣の登録みたいだが、AV女優とガンガンやれるし、マンコも舐め回せてギャラも貰えるのだ。初回の絡みから、いい仕事をしたと監督に認めてもらえれば五万円は貰える事もあるらしい。それは、メーカーによって違うだろう。
 
 真羅山太資の場合、汁男優からではなく企画ものの撮影から始まった。
恋人を失った男
というもので、恋人をなくした男性宅をAV女優が訪ねて行って、セックスをするというものだった。撮影は社内にあるスタジオの個室で、おこなわれた。
椅子に座り、落ち込む漫湖名眼留。その時、玄関のチャイムが鳴って、名眼留が開けに行くと、
社長秘書のようなAV女優が立っていた。
「こんにちわー。なんか落ち込んでませんか?わたし、そんな貴方を助けたいんです。
救済AV企画、恋人を失った男というものを、やってるの。わたし、春野桜姫(はるの・さくらひめ)っていう名前でーす。」
白いスーツの上下の桜姫の体は、出るところが出ている他は痩せていた。それで、腰のクビレが凄い。
白々しく思いながらも太資は、
「ええーっ。夢みたいだな。おれ、彼女を失ったんだ。」
夢代の事を思い出しながら、寂しそうな表情をする。なかなかの役者だ。俳優などは現場で監督に指示されて思い出しによる演技もする。太資は自分でやっているから玄人裸足で逃げ出す、というものだろう。
春野桜姫は美巨乳を誇示するかのように、白スーツの上着を脱ぐ。白シャツも脱ぐと白いズボンも降ろした。
立ち上がった太資の目の前に、桜姫のブラジャーに包まれた、たわわな乳房があった。それは乳首の透けてみえるブラジャーだった。ツン、と突き出たピンクの乳首を太資はブラの上から吸う。
「ああっ。うまいのね。」
桜姫は頭を反らせて、気持ち良さそうだ。桜姫の睫毛は長く、股間のショーツの陰毛も長そうだ。
彼女の乳首を吸いつつ、太資は服を脱いでいった。
結果として、太資は全裸、桜姫は下着姿だ。すぐに太資は彼女の下着をブラジャーから外す。
彼女の股間のVゾーンは、黒々とした長い陰毛がその下の閉じた淫唇も隠していた。太資の指は彼女の膨らんだ淫唇の合わさった割れ目を、ゆっくりと辿る。
「ぁー、はぁーん。」
と声を出して彼女はビキニで日焼けしていない尻を揺らせる。太資の肉茎は蛇が鎌首を持ち上げるように上に立ち上がる。
 その時、監督の声が、
「はい、次は真ん中に置いてあるトランポリンに行って、乗る。そこで、跳びながら合体。」
と指示した。
二人は腕を絡ませつつ、トランポリンまで歩くと裸の彼らはトランポリンに乗り、ディープ・キスから太資のモノを立ったままハメて、二人で跳びはねる。
「ぁん、ぁん、ぁぁぁっ、あん、おまんこ、一番気持ちいいのーっ。」
と桜姫は、しまいには両脚を太資の尻に巻きつけ、両腕を彼の首に回して、ぶらさがり、マンコは太資の硬い肉茎を咥え込んでいる。脂肪のついた桜姫のマン肉は気持ちよく太資の肉砲に絡んで締め付けた。
彼は気持ちよくなり、
「あっ、出る。」
と叫ぶと、空中に二人が跳んだ瞬間、精も放っていた。降りた時、彼は膝をついて桜姫の大きな乳房が彼の胸に押し付けられた。
監督が満足気に、
「よし、いいぞ。トランポリン・セックス、うまくいったね。」
と二人を慰労するように声をかけた。
 
 ハメハメカンパニーでは、マンネリ化したAVを打破するために新企画を考案中だ。企画部の羽目田育造(はめた・いくぞう)は、三十五歳の独身男、だからというのか、今もAVに夢中なのだ。一応、百人斬りは達成している。
ハメタ!イクゾウの新宿ナンパ実録
という企画モノでは自ら主演していた。そのシリーズで、ある大企業の専務の娘を引っ掛けてハメ撮りに成功したのだ。
彼女は二十五歳、あと一ヶ月すると某財閥の長男との結婚式が控えていた。自分の望みというより、親に用意された結婚らしい。
瓜実顔の彼女は大きな眼を開いて、
「乗り気の結婚じゃないけど。」
とインタビューで答える。
羽目田は中背で、痩せ型だ。画面に顔は出ないが、
「じゃあ、好きな人が他にいるのかな?」
と尋ねる。
「いるけど、その人も又、親の勧めている相手と結婚するのよ。」
「なるほどね。それで、このAVに出ようというきっかけというか、動機と言うかな。それは?」
彼女は微笑むと、
「別れる彼はAVが好きなのよ。それでわたしが出ているのを彼が見ることがあったら、面白いなって。」
 
東京を下に見ながらのセックス、というAV撮影が羽目田育造と、その令嬢、飯名レ美(いいな・れみ)とで行われた。
ヘリコプター二名貸切で、五万七千円弱という料金だ。(2014/04/09現在)
所要時間は二十三分程度である。七日前の予約で、なんとかなった。ヘリコプターの機体価格は五千万円前後なので、お得な料金だろう。
R44という機体で、最高が時速190キロ、航続時間は三時間二十分、航続距離は592キロメートル。
高度限界は4270メートル。というヘリコプターで東京へリポートから羽目田と飯名は空へ舞い上がった。
東京へリポートは江東区新木場四丁目にある。
操縦士は後ろを見ないのだ。二十分の短い時間で、カメラは座席に置き、横からの撮影だ。
バタンバタンバタン、
とヘリコプターの羽が回り始めるとフワッと空へ昇った。レ美は羽目田の膝の上に跨り、羽目田は彼女のスカートの中に手を入れてショーツを膝頭までずらした。擬似セックスなどは昔のAV、それと現在も芸能人専門レーベルでは時々、行われている。が、それでは面白くないので、羽目田はコンドームさえつけずに、やる。
だから、彼がズボンのファスナーを下げて、パンツから長大な陰茎を取り出しても、ゴムはつけなかったのだ。
「レ美ちゃん、いくよ。」
「うん、入れてー。」
大股を開いて羽目田に跨っているレ美のスカートを上げると、彼女のほどよい陰毛とその下のピンクの股間口が開いているのが見えた。モザイクはあとでかけるが、羽目田の眼にはレ美の淫口は男の男根を欲しくてしようがない、という形状をしているように見える。
たまらずに大きなレ美の尻を両手で引き寄せて、合体結合した。高度は一キロ位まであがっている。
レ美の顔を羽目田は横に向けて、眼下の風景を見させる。彼女は、
「ああン、まるで天国ね。羽目田さんの、大きいわ。あっ、ァ、アアッ。」
と令嬢の慎ましやかな悶え声は、それだけでもオナニーで抜けそうだ。レ美は軽く大きな尻を動かしている。
ブルルルル、と羽の旋回音が二人の耳に響く。
レ美の大きな胸を赤の上着の上から羽田は揉んだ。
「アフン、ウン、イイ。」
髪を振り乱してレ美は、のけぞった。ヘリコプターは左に曲がりながら飛行する。
羽目田はレ美の上着を脱がせてブラも外して、お椀型の乳房の硬くなったピンクの乳首を吸ってやると、眼を閉じて眉をしかめたレ美は、
「感じるわ。空の上で、アアーッ、もっと、チンコでこすってぇー。」
と叫ぶと、羽目田の首に手を回した。お嬢様がヘリコプターの座席で男に跨り、白い両足を大きく広げている。その脚は、やがて羽目田の尻に絡まり、強く締め付けた。
「あっ、あっ、オマンコ、とろけそうよぅ。いくっ、いくっ。」
とレ美は顔を赤くして、よがりまくった。口をポカンと開いて、赤い舌を出すと、
「いくわー、あっ。」
と悶えて、だらーんと体を伸ばした。失神したらしい。二十分は早く過ぎる。躾よく育てられた令嬢の乱れた姿は一部の男しか見られなかったわけだが、AVで何人かは撮られてきたとはいうものの、今回の飯名レ美は最高の女性だっただろう。普通、こういう令嬢はAVどころかテレビにも出たがらないのだ。
レ美の彼氏の事情で出演してくれて、青い大空でピンクの乳首を立てて失神したのだった。
 
 羽目田育造も又、福岡県福岡市の出身だ。それで真羅山太資をもっとメジャーにしたがった。漫湖名眼留の芸名も有名にしてやりたかったのだ。
ハメハメカンパニーでは芸能人などを使う事は、一切しない。女優、タレントなどの知的レベルの低い女のセックスなど今の時代には見られる事もない。そもそも女優などという職業の女は台本を読むのがいいところ、の頭の中身のお粗末な連中だ。
こういったのがテレビなどに出て、企業も自社のCMに出したりしてきたわけだが、おたくの商品って、あの馬鹿女優程度のものなのかね、と識者には見られているわけだが、馬鹿企業はそれにはお構いなく、大勢の消費者にアピールできれば、と思っている次第だろう。
そもそも銀幕だのブラウン管に写ってきた女優など全てオツムのレベルの低い女である。
脚本を読むのが精々の頭であるのに、それ以上の事をさせる奴等が結構多い。
インターネットの時代になり、こういった馬鹿女優を追う人達も大いに減ってきたのだ。
 
 さて、ひるがえってAV女優とは、そもそもの初めから知性の高い女性が登場していた。国立大学生や国立大学院生という極め付きの女性も出演していたのだ。というのは、ご存知だと思う。
テレビ、映画の馬鹿女優など見るよりもAV女優を見る方が、知性の高い女性を見る事になるので、ためらわずにダウンロードやネット通販でDVDを買うべきだ、といえる。
真羅山太資も又、電子書籍を熱心に読んでいる。
「ちんこ立ちぬ」
という森建夫(もり・たてお)という人の書いた小説だ。
 
私は恋人を油山という福岡市の南にある療養所に訪ねた。もう二年も彼女は肺の病気で悩んでいるのだ。いい薬はあるのだが、高価なため実家の貧しい彼女は最低の治療費しか出してもらえなかった。もう二十になる彼女は、それでも胸は成長していた。
六人の相部屋に彼女は、いたのだ。みんな、もちろん女性ばかりで彼女の他は、おばさんばかりだった。
看護師に案内されてドアを開けた私を見たのは彼女、そう、郁埜(いくの)だった。
彼女は寝ていたが半身を起こして、
「来てくれたのね。わたし、あなたが来てくれると思ってた。」
と嬉しそうな顔で私に話しかけた。それは自分には意外だったのだ。
「本当かい?君は僕のことなんて軽く見ているのかな、と思っていたよ。」
「そんな、わたし、他の人には興味がないの。どうして、二年も訪ねて来てくれなかったの?」
「それは、ぼくは東京の会社に入社してしまったんだ。だから、福岡に戻る事は出来なかったんだよ。」
「そうなの、それなら来てくれなかったのも仕方ないわね。東京って、ゴホッ、ゴホッ。」
彼女は頭を前に傾けて咳き込む。私は、彼女に駆け寄ると、
「大丈夫かい?」
と声をかけて、彼女の肩に手を置いた。柔らかい気が自分の指に伝わってくる。右手はスルッと滑って彼女の胸に触ってしまった。
「あ、はっ。」
と彼女は声を出した。
「ごめん、手が滑ったんだ。わざとじゃ、ないよ。」
慌てる私に彼女、郁埜は、やつれた、つぶらな瞳を私の眼の中に向けると、
「感じてしまったわ。わたし、肺の病気なんだけど、おっぱいは二年で大きくなっちゃって。」
と照れたように言う。
「そ、そうだね。君とは高校の卒業式の時、以来だから。」
私は病室内を見渡した。今の彼女の反応を聞かれただろう、と。
だが、私の眼に映ったのは熟睡している五十代から四十代の主婦らしき人達で、さっきの郁埜の性の反応には気づかなかったらしい。
で、私のちんこは立ってしまっていたのだ。もちろん、半立ちだったが。
ちんこ立ちぬ、と私は頭の中で、その言葉を反芻した。
郁埜は顔を赤くして、うつむきながら話すのだ、
「なんか、感じたの?だって、あなたのズボンの股間のところ、膨らんでいるもの。」
「えっ、そうなのかい。ばれたら、しょうがない。でも、半立ちだよ。」
「それってさ、わたしの胸に触ったから、かしら?」
「だろうねえ、君の胸ってプリンの大きなものみたいだ。」
彼女は潤んだ瞳を二つ、私の方に向けると、つまり、顔全体も横向きにして、
「このまま、死んでいったら、セックスもできないのね。」
と大胆な事を言ったのだ。私は、ドギマギしてしまった。東京でインターネットの会社に勤めているが、サポートデスクで働いていて、外回りではないから未だに東京の人間にはなっていないと思っている。
「そ、そんな事ないよ。ぼくが、いるからさ。」
高校の頃の憧れの彼女だった。卒業して短大に進むも、肺結核で入院して未だに治らないという現代では珍しい症状だという。
病室にいる女性は全員、肺癌だそうだ。それも手遅れで治らない人達だという。そう、郁埜は話した。
「だからね、もう、このおばさん達は一日中、寝てるの。わたし達が何しても気がつかないのよ。」
そう話した郁埜の顔の色っぽい事といったら、なかった。大きな眼に、額を隠した長い髪、ほっそりとした首すじ、狭い肩、その下の小さなメロンのような二つの乳房は私以外の男性は触った事がない、と彼女は言う。
「自分の手で乳首をつまむ事もあるの。病気なのに性的発育とか感覚はあるのね。わたし、死ぬ前にセックスしたいな。」
「死ぬなんて事は、今は肺病ではないんだよ。癌でない限りは。」
と私は彼女を励ました。半立ちは収まりつつあるようだ。
「あら、ちんこ、小さくなったのね。だめよ、立たせていてほしいの。」
郁埜は柔らかで細い右手の指で、私の股間を触った。彼女の手からも柔らかな気が立ち上っていて、私のズボンの下の肉欲の道具にも浸透してきた。
「うふ、立ってきてる、立ってきてるわ。ヌンチャクを握っているみたい。」
そうなのだ。彼女は空手五段という、すごい女の子だ。それで美しい顔をしているのだ。高校三年生のときにも下校時に四人の男に襲われたが、いずれも蹴りの一撃で倒してしまい、しかもそれは男の股間の急所のために、全員が性的不能者になったという。
「郁埜さん。全部立ってきたよ。」
と私は告白した。彼女は軽く私の肉欲の棒をしごいて、
「ちんこ、立ちぬ、なのね。もしかしたら、わたし、肺がんになって死ぬかもしれない。だから、今、経験したいのよ。」
きりり、とした決意の眼で私を郁埜は見たのだ。
看護師は三十分の面会時間を許した。あと二十分ちょっとだ。
窓の外は一面の緑の林が見える。標高四百メートルのこの場所で、郁埜とセックスする事になるなんて、東京駅では思ってもいなかったのであった。
「ねえ、キスして。」
と郁埜は言うと、長い睫毛を伏せた。私は夢中で憧れの郁埜の唇に自分のものを重ねたのであった。ああ、滑らかで、おいしい。私は郁埜の細い肩を丁寧に抱くと、キスを続けた。郁埜も両手を私の首の後ろや、背中に走らせた。
憧れだった彼女を抱き、キスしただけでも私は良かったのだ。何故なら、私は東京に恋人がいた。それも同じ会社の一つ上の女性で、私のデスクの横でサポートをしている。ただ、彼女とは喫茶店でコーヒーを飲んだりするだけの関係だったが、なんとなく結婚を意識するような女性なのだ。それでも、今、郁埜を、ほっておく事はできない。彼女は死ぬのかもしれない、という予測も私もしたのだ。こんなにも長く肺結核を・・・
ピンポーン、と真羅山太資の部屋のチャイムが高らかに鳴った。
太資は電子書籍リーダーをノートパソコンの横に置くと、
「はーい。どなた?」
と風呂上りのガウン姿で玄関に立つ。
小さな穴のガラスから見ると、二十歳かと思える若い女性がミニスカートで立っている。
若さに満ちたその姿は、チラチラと見えそうなスカートの下のショーツが気になる。
思わず鍵を外して、ドアを開けると、
「こんにちは。今日は、お仕事、お休みですか?」
実は夕方六時から撮りが入っているのだが、
「そうね、今、いいよ。」
と太資は答える。その女性は笑顔で、
「わたしたち、使用済み下着の訪問販売をしています。もちろん、一人暮らしの男性にターゲットを絞ってますけど。」
と説明して、右手に持っている大きな黒いバッグを持ち上げてみせた。
「なーるほどねー。でも、おれ、あまり興味ないなー。」
と太資は拒否してみせた。どう反応するかを楽しみに、である。果たして女性ミニスカート販売員は食い下がってきた。
「そんなこと、ないでしょ?オナニーのおかずにもなりますよ?」
「あんた、よくそんな恥ずかしい事、言えるね。」
「だって、仕事ですから。それに今は昼の二時で、このマンションのこの階は誰もいませんよ。」
「そうだろうけどさ、で、いくらするの?それ。」
「ありがとうございます。ブラジャーとショーツ、のセットで五万円です。」
「五万円、って、高いね。」
「その代わり、都内の高級デリヘル嬢のものですよ。そのデリヘルの電話番号とサイトのアドレスも書いてある紙も、ついてますから。それと、その高級デリヘル嬢の写真も。」
デリバリーヘルスと提携しているようだ。
「それを買ったら、あんたとやらせてくれるか。」
「いいえ。そういうサービスは、しておりません。」
「そうだろうな。よし、五万円で買ってやろう。」
「ありがとうございます。本番はしませんけど、サービスとしてミニスカートの下のショーツには触っていいです。」
太資は部屋に戻って財布を取ってくると、金を払って商品を受け取り、彼女のミニスカートをめくると、透けたショーツの淫らな割れ目を指でなぞった。
「アアーン。はい、さようなら。」
乱れた顔を元に戻して、その若い女は走っていった。
 茶色の袋に入ったものを太資は取り出してみる。紫色のショーツとブラジャーが出てきた。その下着からは香水の匂いと、女の匂いが漂い流れた。それは太資の鼻腔から鼻の奥に入ると、マグマのように彼の脳髄に浸透していった。
(高級デリヘル嬢のマンコを覆っていたショーツだ。一度、ショーツになってみたいものだ。)と太資は思う。自転車のサドルになってみたいなどとは、物足りなさ過ぎる思いだろう。
考えてみれば、この紫のショーツは彼女が風呂にはいる時、便所で用を足す時、男とセックスする時、以外はいつも高級デリヘル嬢のマンコに接しているのだ。
袋からは一枚の紙が出てきた。それと写真だ。長髪のモデル体型の女性が写っている。この下着の持ち主だった女性だろう。二十二歳くらいに見える。全身が写っているが、脚も長く、胸と尻は程よく張り出している。その紫の下着を身につけた写真で、ショーツはマンスジが浮き出ている。
ブラには乳首が突出していて、紫の色は不思議な性欲を昂進させた。太資はズボンとパンツを脱いで、紫のショーツを履くと、すぐに淫肉茎は充実したのだ。
(おおっ、彼女のマンコがあたっていたところに、おれのチンコが触れている・・・)麝香のような匂いの中で太資はマスターベーションしてしまった。
その紫のショーツの外側にそのモデルの陰毛が一本、付着しているのを見た時、彼は反射的に射精していた。どっぷりと白濁液を吸い込む紫のショーツは、まるでそのモデルの淫門であるかのようだ。
いかにもモデルらしい取り澄ました美形の女、彼女の紫の下着を誰か男が見たり、外したりしたのだろうか。
フェチというのも単に見るとかよりも、そのものに触るとか、身につける方が楽しいはずだ。
昔の文通などは手紙フェチといえるだろう。相手の女性の指、手の側面部や底のあたりは便箋についている。これを受け取った男は、その便箋に触るので感じるものもあるだろう。
実際に「気」が、ついていて、それが男の陰茎を刺激する事もある。香水がついている事もあるだろう。太資の場合、モデルのマンコがついていた部分に自分の肉茎を接触させたため、すぐに感応してしまったのだ。
ネット通販で使用済み下着が密かに売れるのも、単なる物体ではないという証拠だ。その女の淫門が長い間、ぴったりとくっついていたものは女の気が付着しているのだ。
ネット通販でも可愛い女性が顔を出して売っている、それはその女性が使用していたショーツやブラに価値を認めて売っている。ラブドールより価値があるといえる。
太資が気がついた紙には、その高級デリヘルのサイトのアドレスがあったので、さっそくアクセスすると、
写真のモデルは口を手で隠していたが、掲載されていた。アラビア人女性のような顔だ。
ここで電話して、その女性を呼んでも平凡で、つまらない。そう太資は思うと、彼女の紫のショーツを洗濯機に入れて、次は紫のブラジャーを鼻に当てて匂いを嗅ぐ。
レモンのような匂いさえ、感じられた。又しても陰茎は立った。太資は紫のブラを鼻に当てて、匂いを嗅ぎつつ、陰茎をしごくと気持ちよかったのである。
でも、射精は・・・近くのコンビ二の女とコンビ二の便所でゴムをつけて射精する。それが、もっと気持ちいいのだ。コンビ二にも客の少ない時間帯というのがあって、女子学生、主婦のバイトも店内掃除をしたりしている時がある。
太資は何度も買い物をして顔なじみの女子大生が便所の近くにモップを持って行った時に、歩き寄って、
「男子便所の調子が悪いんだ。見てくれないかな?」
と話すと、肉感的な学生店員は、
「え?わたし、わからないので店長を呼んできます。」
「いいから、入って見て見てよ。」
と太資は、女子学生を男子便所に連れ込んだ。便器のレバーを引くと太資は、
「あれ、流れたよ。」
「じゃあ、問題ないんですね。」
と太資から十センチ離れた女子学生が話す。
「いや、問題は、おれの陰茎なんだ。ほら、」
女子大生の手を握って、股間を触らせた。もっこりとズボンの布は、ふくらんでいた。
「きゃ、何するんですか。」
と女子大生は声を出す。
「君の体に感じて立っている。だから、ハメさせて欲しい。」
太資はコンビ二の制服の女子大生を抱きしめると、勃起したモノは女子大生の陰毛の上あたりに当たった。
女子大生は眼を薄目にして、
「仕事中です。ゃめてくダサイ。」
とちいさな声で少し抵抗する。太資は、その口を自分の口で塞いだ。
女子大生は、うぐうぐと口の中で音を出すが、太資の舌の侵入を受け入れると、自分の舌を絡めてきた。彼女の制服のズボンの下はショーツしか身につけていなかった。そのショーツも下にずり下げて、太資は自分のズボンのベルトを緩めて、下に落とすと、パンツを下げて肉砲を彼女の割れ目に向ける。少し太資は腰を落とすと、彼女の縮れた陰毛の下の肌色の縦の唇に、自分の腰を持ち上げると共に野太い陰茎を挿入した。
「あはっ・・・・。」
彼女が感じた声を出したので、慌てて口を手で塞ぐと、気持ちよく締め付ける女子大生のマンコを堪能して、コンビ二のトイレで太資は腰を振り続けた。
女子大生の上半身はコンビ二の制服を着たままだ。彼らの下半身は結合している。くちゅ、くちゅ、と太資の男根が抽送される度に淫らな音を彼女のマンコが発した。
彼女は眼を閉じて、口を開くと赤い舌をチョロ、チョロと出したり引っ込めたりする。
彼女は、
「成人確認の画面のタッチを、お願いします。」
と、うわごとのように声を出す。太資は、腰を振って、女子大生の大きめのマンコに深く入れながら、
「ここか。タッチするよ。」
と言いつつ、彼女の右胸に右手でタッチした。
「あン、ありがとうございます。」
と笑みを浮かべると、彼女も大きな尻を軽く振り始めた。
 
彼女の中に思い切り射精すると、陰茎を抜いて、コンビ二のトイレのティッシュペーパーで彼女の膣周辺を拭いてやった。
二人とも下半身だけの脱衣だったので、元に戻るのは早い。ショーツを上に上げて履く、女子大生は色っぽかった。
彼女の名札は美滝と読めた。
 
ハメハメカンパニーに困った事が起きた。それは、ある日、一人の女性が訪ねて来た事から始まる。彼女は未成年だが、十八歳だ。でも、十八になったばかりで高校生では、ある。
髪は腰まで伸ばして、ミニスカート。身長百五十七の彼女は、美乳と推定される形を上着から見せていた。今風のコピーライトでは、魅せていた。いや、魅せすぎていた、といえるだろう。
最近のダイエットブームは、本当に女性の美である豊乳、巨乳を亡くしつつある。テレビなど見て、やせ細ったクソ女優やゴミタレントのガリガリの体に憧れるからよくない。
そんな、できそこないの見世物女に憧れてはいけない。大きな胸を失うのはダイエットだ。
ハメハメカンパニーに現われた彼女は、インターネットはするがテレビは見ないという。
白いソファに座った彼女は、
「わたし、水名月照香(みなつき・てるか)って、いいます。高校に行きたくないです。もうやめて、AV女優になりたい。」
と話すのだ。専務は、
「経験は、あるのかな、男性の。」
と向かいに座って、質問すると、
「一人だけでした。彼、工場に勤めていたけど、東区のね。AV男優になるといって、東京にいきました。」
「連絡は、取れないわけだね。」
「取れたら会いに行きますよ。わたしもAV女優になれば、会えると思って。」
「なるほどね。確かにAV女優は多いけど、AV男優は少ないからね。でも、女優が多いから、いきあたるとは限らないよ。」
「そっかぁ、そうですね。どうしたら、いいのかしら。」
「高校卒業して、おいでよ。」
「もう三ヶ月も休んでいるんです。うちには携帯電話で連絡して、東京にいるって話していますから。好きにしていいって、ホテルにブラックカードを送ってくれました。」
専務は面食らった顔をすると、
「どういう家庭なの、君の家。」
「ん、敷地は五百坪しかないけど、ヘリポートとヨットも博多湾につないでます。東区の海に近い家ね。」
いかにも金持ちのお嬢さんらしい。ブラックカードがあれば、ホテルはスイートルームに無料でランクアップしてくれるらしいではないか。
「今、泊まっているのは、ホテルのスイート?」
「もちろんじゃありませんか。カードは使わないと、損ですよ。」
専属のデスクがいるブラックカードの保有者だとは。
企画部の羽目田が専務の横で聞いていたが、
「専務、なんとか彼女の彼を使いましょう。」
と申し出る。
「そうだねー。彼の写真とか、あるの?」
水名月照香は携帯電話を出すと、画面を操作して二人に見せた。
「この人ですけど。」
そこには、いかにも工員風の若者が写っていた。が、専務と羽目田は途方に暮れた顔をした。
専務は、
「私の知る限り、見ない顔だね。AV男優になってないかもしれないよ。」
照香は、
「それじゃあ、どうしたらいいのかな。あ、でも彼はAVが好きなんです。彼の部屋で二人でAVを見た事もあります。現役女教師の四畳半セックスとか。」
あっけらかんと彼女は打ち明けた。それは大学院卒の大学講師を四畳半の部屋で、十二時間
犯しまくるというものだ。
専務は指を鳴らして、
「それ、うちのだよ。漫湖名眼留の出ているものだね。」
漫湖名眼留、真羅山太資は四畳半の薄暗い部屋で、その二十四の女講師をまず、四つん這いにさせて後ろから挿入した。意外にも大きな彼女の尻は艶々としていた。太い漫湖名眼留の陰茎を迎え入れた彼女のマンコは、陰茎を包むように張り付いている。その上には皺のよった尻の穴が見えている。
東京の下町の民家で古いため、空き家となっているのを借りて撮影したもので、昼の一時から夜中の一時まで食事以外は撮影された。もちろんトイレの休憩もあったが。
風呂も二人で入った。こうやって撮影していると、その女講師も打ち解けてきて恋人同士のセックスのような雰囲気に近いものを盗撮しているようだ。だが、女講師はAVである事を忘れない、それは出演してお金がもらえるという事。この意識が二人の絡みを面白くさせる。
ハメハメカンパニーとしては高額の八百万円を彼女に払うのだ。
太資の陰茎の抽送に恥ずかしげに揺れていた女講師の白い巨臀も、やがて淫らに自分で挑発するように動かし、
「いい、いいっ、いいわあんっっっ。く、ふう。はっ、あっ、いきそうよっ。」
と静かだった知的な顔が快感で歪んでいる。大きなレモンのような乳房は、ぷるん、ぷるんと振れている。漫湖名眼留は、彼女の乳首を両手の人差し指で撫で回した。
「あっ、うふん、乳首立ちそうよ。ああっ、はあっあっ。感じすぎる、いいっ。」
と髪を振り乱して乳首を硬直させていった彼女の顎に手を当てて名眼留は横を向かせると、自分も左に顔を向けてキスした。すぐに二人の舌は絡み合った。カメラは据付で、二人の他にはいないのだ。
彼女の尻の辺りに自分の両手を後ろに伸ばしている手を名眼留も両手で握ると、柔らかく彼女の指が絡まって、舌も更に絡ませてくる。
聡明な女とのセックスほど気持ちのいいものはない。普段とは違った彼女の顔はもちろん、服の上からは想像もできないイヤラシイ乳房や尻、そしてマンコの花びらを見るだけで、すぐに名眼留は陰茎を天に向けていた。
学問一筋だった彼女は今、花びらのようなマンコで名眼留のどす黒い陰茎を咥え込んで離さない。横に広がった彼女の尻は、ユサユサと色っぽく揺れている。それを名眼留の両手はムズッと掴むと彼女は、
「はぅぅ。あぁぁぁ。」
と息を荒くした。知的な彼女の横顔が、性の快楽を味わう表情を見せる。そこに初対面で見た彼女の顔との大きな開きがあるからこそ、余計色っぽさがある。すぐに遊びに応じるような顔の女性のセックスは、その変化のなさからも面白みはない。
名眼留の右手は彼女の臍の穴に入った。
「ああああっ、やーっ。うん、あぁ、はん、うぁぁ、うぁぁ、ぁふっ、はっ、ぁっ、やぁん、ぁん。」
と二つの穴に男の体が入った感覚を気持ちよくヨガリ続ける彼女の声と裸体は、性を職業とする女性も及ばない淫靡さがある。時々顔を上に上げては、口を開ける動作も恥女よりも艶めいている。
彼女の声は、名眼留の勃起を持続させた。名眼留は彼女の臍の穴に右手の人差し指を出し入れする。それと同時に自分の陰茎の運動も連動させるのだ。そして、左手の人差し指を彼女の尻の穴に当てた。
「いゃん、ゃんっ、いいっ、だめ、そこは、はあーっ。」
と大きな声を出した彼女は、ますます淫らに体を揺らせる。これで三つの穴に名眼留は、自分の肉体を埋め込んだ。こうしていると、まるで楽器を弾いているようである。よく女性の体は楽器に例えられるけれど、名眼留は幻の名器を弾くように彼女を愛撫した。
 「ぁぁぁぁ、はぅ、ゃぁぁ、ゃぁん。」
とヨガル彼女の声はしかし、楽器と違って男の欲情を倍化させるものだ。甘えるような悶える声は、名眼留の淫茎をとろけさせそうにした。
「出るよ、もう。」
「まだ、早いわ。十二時間、持たせてーっ、はうんー。」
四十分は彼女の悶え声も連続したが、名眼留の腰は彼女の中に発射するように脳からの指令が伝達され、
「うっ、うう。」
と小さく声を出すと、彼はピタリと彼女の淫唇が挟み込んでいる陰茎の先から勢いよく欲液を噴射させた。
彼女は自分の乳房を掴んで、のけぞった。そして、ガクガクと巨尻を震わせたのだった。
 
 こうして後、十一時間は知的美人との愛交は続くのだが、それを水名月照香は全部、見たらしい。
「彼と一緒に全部、見ましたよ。彼の部屋で。」
と得意そうに照香は話す。専務は、
「ありがとう。でもね、あの美人講師には八百万円も払ってるんだ。」
照香は驚いて、眉を上げた。
「そんなにも、ですか。でも、あの女性は綺麗でしたね。安いのかも、ですね。」
と受け答えする、照香の声には{わたしだって、綺麗でしょ?}という響きがある。
照香にも清楚な雰囲気がある。工員の彼がいた、なんて思えない。羽目田は、
「君さ、あのビデオの男優と絡んでみたくないか?」
と提案すると、照香は、
「いいですよ。二人目の人がセックスのうまい人だと、いいな、って。思ってたの。」
専務と羽目田は眼を見合わせて、やれやれ、という顔をした。という事で、水名月照香のデビューを決めてはみたものの、専務には絵が浮かばなかった。まだ高校生の雰囲気もある。それも、マズイ。
それで、水名月照香をひとまずハメハメカンパニーの社員にする事にした。照香は、それを聞くと、
「うわあ、社員にしてくれるんですか。今、まだ就職難の時代です、働けて嬉しい。」
と喜んだのだ。
ハメハメカンパニーには来客もある。大手レンタルビデオ会社の社長が来る事もある。そんな時、照香はコーヒーを持って、応接室に置いていく。はっきりいって、それだけで枕営業などはHHCではしないのだ。それが意外でもあろう。
清純が売り、そうな芸能プロダクションでは枕営業をすることもある。枕営業とは、もしかしてご存じない方のために説明すると、女性の肉体接待の事だ。男性の接待もあるのかもしれない。その場合は尻の穴を提供するか、陰部の提供だろう。が、あまり耳にしないものである。
 事務員のような雑用だけでは、もったいない。照香は撮影現場にも、ちょくちょく顔を出させられるようになった。
照明を当てる仕事の手伝いも、させられた。AV撮影では照明は大事だ。光を当てる事で、性交中の女性の顔を変えることができる。
アメリカと日本では、ポルノムービーの現場は違っている。それを羽目田は近づけてみたかった。
まさか、そのまま真似するわけにはいかない。何故ならアメリカでは、男優、女優は麻薬など吸いながら撮影にのぞむという。
 それで、別の方法でやってみるのだ。
照香は現場で見ていると、男優が挿入してAV女優が、
「ヒイイィィィ。」
と声を上げた。そのAV女優は、あまりの刺激のせいか眼に涙さえ浮かべているのだ。それは今までのAVでは見られなかった女性の表情だった。
「ぁぁぁ、いっちゃうぅぅぅ。」
絶頂の叫びを上げて、彼女はイッた。ベッドの上で大きく股を開いて。股間の割れ目はヒクヒクッ、と痙攣していた。
照香はそれを見て羽目田に、
「何か、したんですか。」
と不思議そうに聞く。羽目田は、
「ああ。男優のコンドームの外側にメンソレータムを塗ったんだ。効いただろうな、オマンコに。」
と答えた。
 
 ぶらさがり健康法というのがあるが、それに似た、ぶらさがりセックスも撮影された。
真羅山太資=漫湖名眼留が鉄棒にぶら下がり、そこに対面で女性がかぶさって自分で名眼留の一物をワギナに入れ込むというものだった。本当に掴まると名眼留は耐えられないので、彼より背の高い女優が膝を曲げて挿入させて、脚を伸ばすのだ。AV女優は脚を地に着けている。
 
 女子体操選手だった二十歳のOLがAVに出演したくて、やってきた。漫湖名眼留も男子体操選手の格好をして撮影が始まる。
その女性は赤の体操着を着て平均台の上に立った。体操着の股間は抉られたように開いている。黒い恥毛はモロに見え、彼女が平均台の上で片足を高く上げるとオマンコ丸見えとなった。そのポーズで静止したところに名眼留が平均台に登って、これまた股間の開いた短パンから鉄のような肉棒を突き出して、彼女に近づき、彼女の尻を片手で抱いて元女子体操選手のマンコに分身をハメていった。彼女は両手も上に上げて、
「あはーん。十点です。」
と声を出した。
 彼女は現役時代、特に平均台での演技中に観客の男性の視線が自分の股間に集中するのに感じて、演技中にマンコを濡らした事もあったらしい。
 
 ハメハメカンパニー、HHCは都内の小さなスケート場を夜に貸切にさせてもらった。
今年、2014年は日本の男女で世界フィギュアスケートを制覇する快挙もあったが、HHCではスケート場で滑りながら裸の男女がセックスする映像を撮った。もちろん合成なしである。
 女優はフィギュアスケートの選手だった女性で、下手な漫湖名目留の滑走を助けて、滑るのだ。
手を繋いで五十メートルほど滑った後、勃起した名眼留の肉茎は氷の上で元女子フィギュアスケート選手のピンクの縦裂の秘部に入っていく。
「あーっ。」
氷の上を滑りながら、髪を振り乱して彼女は乱れた。彼女の誘導で回転しながらの滑走、秘部を結合させたまま片足を上げて滑るなどのシーンもある。寒いので滑りながら彼女は、全裸の柔らかい乳房を名眼留に押し付けた。そして名眼留と結合したままキスしての滑走。ふたりの裸の尻は淫らに揺れていた。
二人は万歳した格好で片足をそれぞれ上げて滑りながら、名眼留が
「出すよ、」
と声をかけて陰茎を抜き、滑りながら彼女の白い腹部に腹射した。余裕があったので小さめの彼女の乳房に胸射もした。白い氷の上を手を繋いで滑りながら、名眼留の白い液体は彼女の腹と胸に飛び散ったのであった。
「ぁぁぁ、イヤッ。」
と、よがった彼女の吐く息も白かった。
 
 水名月照香はビキニになってもらって、股間の開いたものだが、撮影した。もちろん、ボカシは入れられる。ボカシのない照香の陰唇はチューリップのつぼみのようだ。
髪は、おさげにして胸と下のパンツ部分が離れたところは、白い肌に彼女の臍が見える。脂肪のつき始めた脚はスラリと牝鹿のように長い。
魅惑する西洋人的スタイルだ。美乳と巨尻な彼女である。
Tバックショーツも履いてもらった。十種類のTバックショーツ、それは男女兼用タイプで、これを更衣室で全部、彼女のオマンコに直接あてて履き、脱いだものをデビューサイン会の時に、駆けつけたファンに先着順で配った。
清楚さが売りの照香だから、その使用したTバックショーツを貰ったファンはキンタマ雀躍した。
頭にかぶって寝ると、照香にクンニしている気分になれる。
十八歳という年齢も、ウケた要因の一つだった。HHCでは他社のやらない使用済み下着販売も、やっている。AV女優のメールアドレスは、五万円で販売中で、売れると三万円は、その女優にキックバックした。
水名月照香は本人が拒否したため、メールアドレスの販売はなかったが、十万円のスタジオ見学は出演した。これは、HHC内のスタジオの広い風呂をマジックミラーで覗ける場所に見学に行ける。女優は全裸で、前張りもつけない。水名月照香も黒い密生した陰毛を、見学に来た多数のファンに見られた。その場合は八万円のキックバックがある。
十人見に来れば、八十万円だ。土日は照香も朝、昼、晩とスタジオの風呂に入ったりする。
それで一日二百四十万円の収入になる。一ヶ月で九百六十万円ほど稼ぐ月もあるのだ。照香が美乳と巨尻と美マンを見せるだけで。
もちろんそれは、無修正だ。ただ、マジックミラーで見える場所は十人しか入れない。
 
 HHCは福岡市に新たなスタジオを作る事にした。九州の福岡県福岡市だ。東京では土地が高すぎる事、とマンネリ化したAVしか作れないと判断したのだ。
防衛省や文部科学省を初め、最高裁判所などがある場所でAVとは、これ、いかにと言えなくもない。そういうところでコソコソと作るより、豊かな自然も身近にある福岡市で新たなAVを作ってみようという発案であった。
それで、企画部の羽目田と真羅山太資の二人で先に現地でAV作りをする事になった。さて、土地の確保だが2014年の今、福岡市にある広い空き地は東区にある人工島と呼ばれる場所で、すでに半分程度の建物は建ったのだが、残りにかなり広大な空き地がある。HHCは映画スタジオの建設と称して申請し、敷地千坪を確保した。今はスタジオ建設を進めている。
島のような形の埋立地で緑を多くしている。中央には大きな緑地の公園もある。いずれは、このスタジオで様々なAVを撮るわけだけど、今は建設中なので羽目田育造と真羅山太資は東区の香椎駅の西にある千早駅近くにマンションを借りて、住む事にした。
三十階の窓から眺める◑◑博多湾も又、いいもので☀晴れでも☂雨でも☃雪でも、それぞれの様相がある。
 羽目田も真羅山も福岡市の出身だった。それでも人通りの多いところでのナンパは、やりにくいのだ。それに、引っかかる女もまず、いない。それは、東京と違うところだろう。東京でもストリート・ナンパは条例で禁止されてはいるらしい。
そこで、AVメーカーが、やっているのは仕込みと呼ばれるヤラセである。
あらかじめ打ち合わせておいた女性に、それらしく声をかけるのだ。断る女性も応じる女性もAVメーカーと打ち合わせ済み。これなら、条例にも引っかからない。
羽目田はマンションで朝の九時に台所で、
「勇んで来たのは、いいけど、女性が問題だな。東京に比べれば、AV志願の女性も少ないからなー。」
と、ぼやいた。太資は、
「そおっすねえー。おれも、客室乗務員の彼女しか、いなかったから、どうしたら、いいのか迷ってしまいますよ。ナンパなんか、したこともないし。」
と同調する。不協和音は、出ないのだ。
天井の片隅を見つめていた羽目田が、ハッと気づきの表情を見せると、もしくは魅せると、
「いい方法が、ある。インターネットだ。それで、いこう。」
と促すと、
「ああ、そうだ。今の時代は、昔と違いますね。ネットでナンパ、ですね。」
「そんなに、コソコソしなくてもいいよ。おれ達は、AVメーカーの人間だよ。堂堂とやろうよ。な?」
!$£¢、℡、℡。
「そうです、異存はありません。」
「でも、おまえはおれに依存しろ。」
「は、頼っていいって、ことで?」
「いいぞん、なんてね。って、あんまり遊んではいられないよ。ここに光ファイバーを引かないとね。」
「そうでしたね。それまでは携帯で、出会い系サイトの女と交渉しましょうよ。」
「交渉しても高尚な女は見つからないだろう。でも、やらないよりは、いいか。」
羽目田は、でも、まず携帯電話で光ファイバーの手続きをNTTとした。羽目田は笑顔で、
「一週間くらいで、いいらしい。この点、他社よりも早い。何だかんだといっても光はNTTの独占になるよ。所詮は、だね。最初の電話を考えれば、いいんだ。どこの他社が、いた?それで、誰が不満を持っていただろう。電電公社といっていたけど、光ファイバーもNTTが独占した方が、いいと思う。
それは、その方が何かといいよ。」
「そうですね。それは分かりますよ。日本という国は、一つだし。」
「そうだろう?な?ウクライナみたいな小国はロシアに併合されたいわけだ。電話線の中を走っているものは、NTTだけで、いいね。」
「ハメハメカンパニーもAVのNTTになれば、いいっすねえ。」
「ははは。NHHCか。国立大の女をAV女優にするのは難しいが、女子社員は国立大出を揃えるのも、いいし。」
「出会い系、しましょうよ、羽目田さん。早めに作らないと、いけないんじゃないですか。」
「それほど責め立てられないけど、いくか。」
二人は古いタイプの携帯電話を取り出した。インターネットに接続すると、羽目田は、
「出会い系ミレニアムというサイトが、あるんだ。ここは、女性会員の質が高い。なんと、女性に身分証明が、いるんだ。しかも運転免許証がある女性は、運を丸で囲んでいるアイコンがついている。
お、この女性は・・・。」
羽目田が太資に見せた画面には、可愛い女が画像で載っていた。どこか化粧をしすぎ、という雰囲気もある。太資は、それを見て、
「この女性、アンダーヘア画像も、載せてますね。」
逆立つ黒い恥毛が印象的な女性だ。
羽目田が声に出して読み上げる。
「オナニーの回数、毎日、か。好きな体位、後背位。職業、キャバクラ。なるほど、中々、彼氏のできない環境だな。酒を飲むのは、大好き、とね。」
太資は彼女のヘアを見ていると、少しムクムクとアレを大きくしていた。羽目田はそれに気づき、
「戦闘準備、完了みたいだね。よし、このハンドルネーム、エロリンにアタックメールを送ろう。」
と宣言する。
 
!こんにちは。ひまな、お時間に遊びませんか。
こちら、撮影もできますから。
‰Ω℧ℵ
№1⌘の貴女へ
 
送信中です、の画面が出た。羽目田は、
「彼女が、暇ならいいけど。」
と呟く。朝の十時前だ。十分経過すると、メールが到着した。羽目田の顔に喜悦が走る。さっそく開くと、
 
 メールありがとね。店は五時からだから、今、ひまですよ。
 
と、ある。①成功だ。そこで羽目田は返信する。
 
ぼくは東区に住んでますけど、貴女は?
 
今度は五分以内に返信が来た。
 
わたしも東区です。箱崎だけど、ね。☀♫
 
羽目田は、
 
ぼくは千早だ。それじゃあ、箱崎駅前で待ち合わせしようか。
 
と携帯電話を打つ。
 
うまく、いってる
 
彼は、事が早く進むのに満足だ。
 
 返信は、
何時が、いいの?
羽目田は、
十一時に。
エロリンからは、
 
よろしくね
赤のハンドバックを持っていきます。。
と、ありえないような書体の返信が、きた。
だから、羽目田も、
黒の帽子
文字は、見えるかな?黒の帽子を、かぶっていきます。それでは、現地で。
と送信したのだ。
 
 JR箱崎駅はモダンな外観だ。灰色と銀色が混じったような色の建物で、昔の駅の外観とはかなり異なる。
そんな中、羽目田と真羅山は隣の駅、千早から着いた。人の行き来も、そう多くはない。入り口より少し離れたところに美形の若い女が立っている。手には赤いハンドバッグ、エロリンだ。
羽目田と真羅山は近づいていって、羽目田が、
「エロリンさんですか。」
と声をかけると、彼女は笑みを浮かべて、
「そうです。撮影って、なんなのかしら。撮ってくださるの?」
羽目田は、
「うん、まあ、そのですね。いきなりっていうわけには、いかないでしょう。」
春の服装の彼女は、それでも胸のふくらみをクリーム色の上着の上から表している。
「もしかして、へんなやつじゃないでしょうね?まさか、AVとか。」
羽目田は開き直って、
「そうなんですよ。でも、軽いものから色々とありますから。」
それを聞いて彼女は、
「当たったわね。でも、いいわ。軽いものって?どんなもの?」
「それは、下着になるだけのものから、色々とありますよ。それで淫語を話すとかね。」
「あー、あれね。」
とエロリン。羽目田は、
「意外と詳しいですね。AVを見てらっしゃる。」
「お客さんの中にAVマニアの人がいたから、話を合わせるために勉強したの。キャバ嬢も楽じゃないのよ。自費で勉強。」
エロリンは、微笑む。
 太資が感心したように、
「すごいな。」
と声を洩らすと、エロリンは太資を見て、
「こちらの方は?スタッフさん?」
と優しく尋ねた。羽目田は、
「いえ、この男はAV男優なんですよ。」
「まあ、じゃあ、わたし、この人と絡むの?」
少しエッチな眼をして聞く。顔を赤くして。太資は、
「まだ、決まってないんですよ。羽目田さん、どうしますか?」
「ああ、なりゆきで、いこう。エロリンは、どっちがいい?」
「うーん。3pも可能かしら」
と戸惑いつつ、答える。
羽目田と真羅山の顔が輝く。羽目田は、
「おれたち、千早駅の近くにマンションを借りてるんだ。そこでインタビューから始めよう。やめたくなったら、いつでも言えばいいからね。」
「それなら気が楽だわ」
と彼女は、答える。ピカリ、と彼女の瞳孔が光る。
羽目田はホッとして、
「それなら、行こうか。もちろん、電車代、昼飯代は出すよ。出演料は撮影次第で。」
と誘うと、
「キャバに間に合うように、終わって。」
と云う。
「何時からかな。」
と羽目田が聞くと、
「千早なら四時に乗れば、いいから。」
「それなら三時半まで、撮影ということにしよう。」
「そうね。それで、Eわよ。」
と、いいを英語のEのように発音した。
三人が、高層マンションの部屋に入るまでは時間がかからなかった。
リビングでエロリンに、さっそくインタビューだ。
羽目田が彼女の前でマイクを片手に行う。カメラは据えつけている。
エロリンの上半身は据付のカメラ、そして少し足を開いた下半身は真羅山がテーブルの下に潜って撮影している。
花柄のパンティで大きく膨らんだエロリンの股間は、スジが見えている。陰毛が一本、花柄のショーツからはみ出ていた。
羽目田が質問する。
「職業はキャバクラだそうだけど、お客さんとセックスする事、あるのかな。」
「ないですよ。ウチは高級キャバクラで、手も握らせません。」
「ふーん。硬いんだねー。男の人の硬いアレ、握った事あるだろう?」
エロリンは恥ずかしそうに、
「あります。」
「それを咥えた事は、あるのかな。」
「ええ。バナナみたいで、おいしかった。」
羽目田は真羅山に目で行け、合図した。太資の右手はエロリンのマンスジをなぞる。彼女は眉を動かして、
「ああっ、感じる。」
と少し、ヒップを動かして、喘ぐ。彼女の瞳が潤んだ。羽目田はニヤニヤして、
「敏感なんだね。どんな体位が、いいのかな。」
「それはもう、後背位かしら。バックでガンガン突かれるのが好きなの。」
真羅山は、ショーツの上から彼女の淫穴の裂け目に指を軽く入れた。首を少し後ろに反らせて彼女は、
「あっ、ふうんっ。」
と声を出す。クイ、クイとエロリンのマン穴は太資の人差し指を締めるのだ。羽目田は、そのままにしていろ、という合図を真羅山にする。
太資のカメラは、さっきより開いた彼女の白い太ももを映している。
エロリンのマンコにはショーツの上から太資の指が入っているのだ。据付のカメラは彼女の表情を映していて、下半身は写らない。
「それは、いいな。その体位は、いつしたのかな?」
「半年前かしら、彼がそのあと、ああああああ、消えてしまって・・・わたし、その体位で五時間も彼にやらせたの。だから、かしら。彼も四回は出したけど。」
太資はテーブルの下でエロリンの穴に指を入れて、クチュ、クチュと動かしていた。
羽目田は太資に、
「真羅山。おまえ、エロリンと絡んでもらう。体調は万全だろう。」
と命ずると、ニタリとした。続けて、
「テーブルの下で丸裸になれよ。」
と言われた太資はカメラを止めて、筋肉質の素肌をさらした。パンツも脱ぐと、バナナの長いもののような彼の肉竿が垂れ下がる。
羽目田は眼を斜め下に向けて、
「ようし。エロリンの横に行け。」
素裸の太資は彼女の横に座った。彼女は、
「きゃっ、大きいな、これ。」
と脳内では、その反応の声は、もっと大きかったのだ。羽目田は、
「エロリン、脱いで。」
と声をかける。彼女、細い指を動かして上着を脱ぐ。張り切ったブラジャーが、乳首を浮き出せていた。それを眼にした太資は肉竿を上に立たせた。それをエロリンのブラの乳首のところに両方、擦り付けた。彼女は、
「はううっ、気持ちいいっ、最高っ。」
と快楽の声を上げる。ソファに上がって太資は、そそり立った肉竿を彼女の耳たぶに当てて、かがむと、ふーっと彼女の耳に息を吐く。
「ああん、ぞくっとするわ。変に、なりそうよっ。」
とヨガル。羽目田は、
「エロリン、スカートも脱いで。」
と指示するので彼女もソファの上に立って、スカートを降ろした。花柄のショーツに浮き出ているマンスジに染みがついている。
羽目田は、
「ソファに四つん這いになって、尻を高く突き出して。」
と指示する。彼女は、膝と手を突くとショーツの尻を上に上げた。股間のスジは太資の眼に丸見えだ。たまらなくなった太資は彼女のショーツをずり下げて、肉竿をズブリと挿入する。
「あっ、はあう、あふあふうっっん、いいっ、あはぁ、あぁ。」
と快感の声を上げるエロリン。品位のあるキャバ嬢の全裸の四つん這いの姿は、羽目田もチンコを少し立たせてしまった。しかも、その白い大きな尻に太資の巨肉竿が出たり入ったりしているのだ。
「はん、ハン、ァアァァァ。」
と切れ目なく声を上げ続ける彼女の快美感を感じている声。乳房はタプ、タプと揺れている。それを両手でムズ、と掴む太資。
「あーん。いいっ。」
と裏返ったようなヨガリ声だ。
羽目田は、
「よーし、いいぞ。その調子だ。今から面白いものを下ろすからな。」
と快哉を叫ぶ声を出す。ウイーン、と天井の方から音がした。何かが二人の上に降りてくる。二人は後背位でつながったまま、上を見上げた。
白いロープが二本、手で掴まれるようにそれぞれ、Uの字型に曲がっている。それは、サーカスの空中ブランコ用のロープだった。羽目田は命ずる、
「それに掴まって空中で揺れながらセックスを続けてくれ。」
全裸の二人は立ち上がると、それぞれのロープに手を掛けた。エロリンのマンコには太資の肉竿がスッポリと入っている。二人が手を掛けると、ロープは上に上がった。太資が腰を振り始めると、二人のロープは揺れ始めたのだ。
「ああーん。飛んでるぅ。」
気持ち良さそうに眼を閉じて、エロリンは絶叫した。
「普通のバックより、千倍は気持ちいいわあ。」
二人は、腰を同調させて振り、やがて、それは早くなっていった。太資は左手をロープから外し、エロリンの左の乳房を後ろから揉む。
「やぁん、ぁぁぁぁ。」
彼女の淫膣は強く太資の鋼鉄のような肉竿を締め付けた。その絡まりの気持ちよさに彼は、
「おうっ。出ます、出ます、あああ、いく。」
「ああああ、いやんっ。」
エロリンは失神しかかったので、羽目田は急いでロープを下に降ろした。彼女は、ビニールのソファに崩れ落ちたのであった。
最初の撮りは、こうして終わった。次は、どうするか、羽目田は頭を悩ませる。
とりあえず、淫語でいくか、と羽目田は考えた。それよりも、官能小説の朗読でもいい。エロリンをさっきのソファに座らせて、でも、今度は全裸だ。大きな乳房が二つ並んでいる。
昔の官能小説よりも今の電子書籍の官能小説がいいいだろう。黒い縁取りの電子書籍リーダーを手にするエロリンは、朗読を始めた。それにしても、キャバ嬢が全裸で座っているのも、なかなかの見ものだ。
柔らかな彼女の声は、
「通勤の時、いつも気になるOLが今日も地下鉄に乗ってきた。満員の地下鉄で、彼女の身体はおれの体と密着してしまうのだ。肩と肩が強く、くっつく。どんな女の肩だって、肩の骨は硬い。ぴったりと腕が接触すると、柔らかな感触がおれの股間を刺激した。あ、立ってくる。とおれは思った。果たして、自分のセガレは強くなっていくのだ。世の中の父親は自分の息子、といっても陰茎の形容ではなく、実際の子息を自分の陰茎のように思っている奴もいるのだろう。自分の息子が強くなり、やがてもう自分では制止できなくなるような事態にまで発展していく。そんな強さをおれは今、自分の陰茎に感じていた。
目のパッチリとした彼女は背は百六十はないけど、大柄な感じで、尻も大きい。胸も大きいのだ。おれは肘で彼女の乳房に当たってみる。プル、という感触が肘に感じられた。
ぁっ、
と彼女は小さな声を出した。うまくいった。肘を伸ばして下に降ろした手で彼女のスカートの股間に触れる。そこには柔らかな膨らみがあった。陰毛の厚みをおれは感じた。痴漢をしているのだが、でも彼女は抵抗しない。これも長いこと、地下鉄に乗り合わせているためかもしれない。もう、半年だ。しがないサラリーマンのおれだが、こうした新入OLの体を腕や手で味わえるのだから通勤は楽しいのだ。
これ以外にはソープと他の風俗に行くしか、楽しみはない。で、それら風俗通いにはスリルがないのだ。
金でオマンコを買い、息子を突入させる、その後のやるせなさは愛のないせいかもしれない。ソープの女は金をもらえるからオマンコさせてくれるのだ。
ああ、むなしい。そう思えるのも当たり前かもしれない。だから、地下鉄で顔見知りの女子社員の体を服の上からでも堪能できるのは、おれとしては最高の楽しみ、金を払わなくていい娯楽だ。
ちょっとした勇気はいるが、それは彼女と視線が合った時に自分への気持ちを確認すれば、騒がれないですむ。考えてもみてほしい。スカートをはいている女の下着は薄いショーツだけなのだ。
それはピッチリと女の股ぐらに張り付いて、中にはスジを作るほど食い込んでいる場合もある。けれど、厚さ何ミリのものだ。鋼鉄のショーツを身につけている女など世界には一人もいないのだ。
だから、おれは勃起してしまったモノを女のスカートに後ろから当ててやると、肛門か膣のあたりに接触して、そのまま気持ちいいから射精した事もある。満員電車なんて最近の客は携帯に夢中でいたりするのが多いから、誰もおれを見ようともしない。そのOLは、もうおれが射精しても動きもしないのだ。勿論の話だが、こういう事をすると決めた時はおれは、地下鉄に乗る前、自宅を出る前にコンドームを装着してくる。
そうしないと、射精したらパンツは濡れるし、ズボンにも滲むだろう。薄型のコンドームをしていれば、大丈夫なのだ。0.02ミリのものならコンドームをしていないような気分にもなる。使用後のものは、会社のトイレで処分する。
多くの男性は痴漢をしたくてもしないのは、もしかしたらこの究極の射精を怖れてかもしれない。もちろん犯罪になるからというのが、第一の戒めだろう。それでもいい、と決意しても、そのあとには自分も勃起する。そして、ついには射精するとなるとパンツは濡れるし、となってしまう現実はこれから会社や役所に行く人間にとっては厄介なのだ。
だから、おれみたいに通勤時にコンドームを装着していれば、女の尻、にチンコを当てて射精しても慌てなくていい。
こうやって、通勤中の地下鉄の中でおれは週一回のペースで射精する。福岡市の地下鉄の中で、だよ。福岡県のね。福岡市の地下鉄は海沿いに走っているところもある。海から何キロか離れていても、潮の匂いというものは漂ってくるものだ。地下鉄の中にもその潮の匂いは微弱ながら存在するのだね。
そういう中での射精は気持ちいいよ。それから、その女には目線で、好きだという気持ちをアピールしておく。そして三ヶ月以上は手出しをしないのだ。女の目線が自分を見るのに親しみを見せてから、触り始めるんだ。それで痴漢呼ばわりは、されない。
その女の尻の割れ目に勃起したチンコを入れて、射精する事もあるよ。
 
羽目田は手でエロリンを制止した。あまりエロくないと判断したからだ。次の電子書籍を探すと、又、彼女に朗読させた。
 
角刈りの若い男がラブホテルで上品そうな三十路の女性に、
「言ってもらおうか、奥さん。云うんだよ。おまんこ、オマンコ、まんこ。ってな。」
上流な家庭の夫人らしき女性は、
「いくら、あなたとラブホテルに来ているからって、そんな下品な言葉は、いえません。」
と拒絶した。角刈りで背の高いやせた若い男は、
「へえ、そうかい。おまんこ、っていう言葉は知ってるじゃないか。東京の田園調布に住んでいても、おまんこという言葉は知ってるんだろ?じゃあ、言えよ。おまんこ、して下さい、ってな。」
三十路のエレガントな服を着た細身のその女性は、
「おまんこ、して下さいと言わなくても、するつもりでしょ、あなたは。」
と意外にもスラスラとおまんこ、と発音した。角刈りの男は笑って、
「おう。言ってくれたね、おまんこ、って。江戸前の女なら、おまんこする前におまんこと言わなきゃあ、な。江戸っ子だってねえ、神田のおまんこ、よ。と、くらあね。銀座のおまんこ、日本橋のおまんこ、とまあ、言えばキリがねえや。おや、おれの息子が起立したぜ。先生に質問があるんだろう、な、先生よ。」
その女性はベッドに腰掛けている。男が目の前に立って、股間を突き出したので、ふくらんだその部分を右手で触った。口紅のついた口を開くと、
「元気いいチンポじゃない。しゃぶり甲斐が、ありそう。」
と品の良い口調で語りかけた。角刈りは首をのけぞらせて、
「おおっ。奥さん、うめえや。ちんぽの扱い方が。さんざん、だんなのをしごいたんだろ?まるでマンコに入れた感覚だ。ああっ、でも後で奥さんの本物のマンコは味あわせてもらうげとな。」
「ふふ、それで夫の借金は帳消しにしてくれるのなら、三回まで射精してもいいわ。」
「本当かい?奥さんのマンコ、今の手の平より柔らかくて濡れてるだろうな。」
「あなたのチンポも先走り液が出て、濡れてるわよね?」
「そらあ、もう、出てるよ、少しなー。奥さんの中で出したいぜ。」
「いいわよ。誓約書には、山科蓮子とオマンコ三回しましたので借金は帳消しにします、とあるわね。終わった後で判を押してね。」
「あー、押す、押す。こっちも江戸っ子だい。トサンの金貸しだけど、約束は守る。」
「十日で三割のところから、主人もよく借りたわ。おかげて、あんたとのオマンコが待ってるけど。」
「おっ、奥さん、オマンコって言ったなあ。すぐに、やるか、今から。」
「いいわよ、オマンコ。」
男のモノは、すでに巨大になっていた。
 
「で、いいんですか、羽目田さん?」
素裸のエロリンが読むのを止めて、聞くので、
「お?それだけなの、その官能小説は?」
と羽目田は聞き返すと、
「だって、無料サンプルはここまで、でしたよ。購入してもいいのですか。」
「いや、その作者の別のものに、いこう。江路埜達人のね。電子書籍リーダーを貸して。」
エロリンから黒縁のWIFIなしでダウンロードできるタイプのものを手に取ると、羽目田は別の官能小説をダウンロードした。エロリンは股間も隠さないので黒いヘアも丸見えだ。膝を閉じているので、ピンクの洞窟の入り口は見えないけれども。
羽目田はダウンロードが終わり、
「次は、これで、お願いするよ。」
とエロリンに渡す。受け取る彼女の乳房が色っぽく揺れた。
エロリンは眼を細めると、読み始める。
 
 大学に入ってすぐ、里代は性に目覚めた。官能小説で淫語を覚えた彼女は、好きな同級生の鉄次郎に告白したのだ。キャンパスの大樹の陰で、誰もいなかったから、
「オマンコしてください。」
と。鉄次郎は、
「ええっ。おとなしそうな君が、オマンコなんて、何処で覚えたのかい。」
と筋肉質の体に似合わずに、おどおどと聞く。
「え、これくらい今の女子大生に限らず、女子高生も知っていると思うの。オマンコ、オメコ、福岡ではボボとか言うわ。でも標準なのは、オマンコだと思うし。鉄次郎さんの大きなオチンポさんを、わたしのオマンコに入れてください。」
と眼を潤ませて、里代は又、はっきりと鉄次郎に話しかけた。鉄次郎は回りに人がいないか、見回すと、誰もいなかったのでホッとして、
「もう、その話はここでは、やめてくれ。外に出ようよ。そしたら、できる。」
「オマンコを?」
「そうだ、場所を探そう。」
と鉄次郎は里代の言葉を遮るように喋った。大学の肛門、いや校門を出てから里代は、
「わたしね、朝起きたらオマンコが濡れているのを感じるの。鉄次郎さんを知ってから、こうなってきたんです。だから、鉄次郎さん、責任を取って。」
なんの責任なのか、と鉄次郎は言いたかったが、
「そうだな。おれも男だし・・・。」
「オチンポも、大きくなるわよね。」
くっ、と鉄次郎は喉の奥で音を鳴らした。
「当たり前だろう。毎日、立ってる。でも、おれは空手をしているからな。立てても、射精はせずにすませているんだ。」
里代の目が大きく開いた。
「立派なのかしら、それ。苦しくないの?キンタマに精子が溜まってるんでしょ。出した方が、いいわよ。」
「大胆に話すなー。キンタマとか、大きな声で言うなよ。むこうの、おばさんが笑って通り過ぎたぞ。」
「いいじゃないの。里代、鉄次郎さんのキンタマも見たいし、舐めたいな。」
鉄次郎は息を呑むのだった。そして、
「あまりにも露骨だな。キンタマというより睾丸と言った方が、マシだ。」
「そうなのね。睾丸剤って、あるわよね。」
「あれは癌の抗癌剤だ。キンタマの睾丸じゃないぞ。」
「そうよね。女の人でも恥ずかしがらずに抗癌剤って言ってるものね。」
「当たり前だろ。癌の薬だからな。」
福岡市東区は奇妙な土地がある。右側を見ると夕陽が沈んでいるのだ。北に走っていると思われる道路が南に走っている。彼らは、そうしたところを歩いている。
「わたしの子宮が癌にならないように、鉄次郎さんの睾丸を使ってくれれば、こうがん剤。うまいでしょ。」
里代は長い髪を右手でかきあげる。鉄次郎は、
「それは、いいな。おれのキンタマが女性の役に立つのかとか考えた事がなかったよ。ラブホテルがあるじゃんか。見えるだろ。」
二人の右、つまり西に何と、お寺の形をしたラブホテルがあるのだ。名前も、
快楽浄土という。
五重塔の代わりに男性の性器をかたどった石の大きな彫刻品が庭に飾られている。亀頭は天を向き、陰茎は直立して、睾丸は地に据えられている。
大学の近くにラブホテルというのも日本有数の話かもしれない。利用者は里代と鉄次郎の大学の教授も利用している。不倫専門の利用だ。中には教え子で在学中の女子学生と、この快楽浄土に入り、昼間からオマンコしている四十代の男性教授もいる。
その教授はスマートな裸体で、美人の教え子の全裸をベッドの上に眺めると、
「脚をもっと開いて御覧。ああ、いいオマンコだ。君の顔と同じく綺麗なオマンコだね。」
と嘆賞すると美人女子大生は、
「先生、早くオマンコしてくださいっ。先生のオチンチン、大きいわ。」
教授は破顔一笑して、
「妻がね、子宮を手術で全部取り出してから、オマンコしてないからね。授業中、君のマンコの辺りを眺めて、昼休みに弁当を食べた後に便所でオナニーしていたんだ。今、僕は君のオマンコを見ている訳だけど、大体想像していたオマンコの形だね。」
「先生、かわいそう。わたしのオマンコを想像してマスターベーションをしていたなんて。」
「ああ、でも。アントニオ猪木の言葉みたいに言えば、
オナニーすれば、なんでもできる
かな。それと、
オナニーしてますかぁ?
とかアントニオ猪木風に言ってみたいね。」
「授業中に、お願いします。今度。」
「それは、できんよ君。君だけへのオマンコ言葉としてね。言ってみただけだ。妻のマンコは、もう役に立たない。」
「では、これから何度もオマンコしてくださるんですね、嬉しい。」
「ああ、」
教授は教え子の上に乗り、勃起した肉の棒を根元までピンクのういういしい美人のマンコに挿入した。彼女は口を少し開いて、
「あ、あふうん。」
と色っぽい声を出して、頭を軽く左右に振ったのだ。
美人の教え子のマンコに入った教授のチンコは荒々しいまでの動きをして、彼女を忘我の境まで導いた。
「ああっ、先生のチンコ、いいっ。」
「君のマンコも最高だよ。ぼくのチンコが動きやすいように、君の膣内はよく濡れている。」
「恥ずかしいっ。けど、マンコ、気持ちいいっ。」
ふたりは手を握り合い、舌を絡めあった。
 
 同じ時刻に教授の自宅では、妻がインターネットの勧誘員に玄関を開けていた。彼女は色白の三十歳、やはり美人だ。二十代半ばのセールスマンの青年は、筋肉質でスポーツマンタイプの爽やかな印象だった。
「うちの回線は、他社さんより、お安く御利用できます。」
「あら、そうなの。それでは、あがってください。居間で、ゆっくり話を聞くわ。」
「それは、どうも。では、遠慮なく、お邪魔します。」
背広姿の青年は、茶色の靴下で玄関を上がる。紺色の背広は、クリーニング屋から戻ってきてすぐのもののようだ。
二人はテーブルをはさんで向かい合って座った。青年は、
「ご主人は、どういうお仕事をされていますか。」
「大学の教授ですわ。」
「それならインターネットも、ご覧になりますね。」
「それは見ておりますけど、ADSLでね。アダルトなものも見てるみたいです。」
少し顔を赤らめて、教授の妻は云うのだ。
「はは、それが普通ですよ。男ならですね。そのためにも、うちの光ファイバーの回線に変えていただければ、と思います。」
青年はパンフレットを教授の妻の前のテーブルに置いた。続けて青年は、
「海外の無修正ならオマンコもバッチリ見えますし。それなら、ご主人も喜ばれると思います。」
「まぁ、オマンコが、ですか。主人は、わたしのオマンコを舐めるのが好きなんですのよ。ぉほほ。」
彼女は手を口に当てて笑った。
「そうなんですか。奥さんのオマンコをねえ。でも、他の女性のオマンコ画像とか動画もみたいんでしょうねえ。そのためには、光ですよ。」
「そうなのですか。光ならオマンコを見るのにいい、と主人に言っておきますわ。」
「お願いします。でも、ぼくも奥さんのオマンコ、見たいなあ。」
「まっ、でもあたし、ストリッパーでは、ございませんのよ。」
「それは、わかってますよ。今のは冗談ですよ。営業で、こさせてもらってます。契約の方を、お願いします。」
青年は頭を下げた。
「でも、主人に聞いてみないと分かりませんわ。海外の無修正のオマンコを見るために光にしてくれるか、どうか、はね。」
「男はオマンコのためなら、なんでもしますよ。ご主人も例外ではないと思います。」
「どうかしら。じゃあ、その無修正のものは男の方のアレも見れるのね。」
「はい。オチンチンやキンタマ、いや、睾丸もモロですし。そう、奥様のお楽しみのためにも、いいと思います。」
「ま、オチンチンなんて恥ずかしい。オチンポさん、と言った方がいいですわ。勃起チンコをしゃぶる女性も見れるのね。」
「ええ、フェラチオやクンニリングスも見れますよ。奥さんも、ご主人にクンニされてるんでしょう?」
「ええ、週三回ですか。そのペースです。」
「うおおー。中々、いい回数ですね。奥さんの旦那様は、おいくつで?」

巨乳な女探偵・夏海静花の管理ファイル 体験版

巨乳な女探偵・夏海静花の管理ファイル

 夏海静花は二十七歳の女探偵だ。身長百五十八センチ、バスト九十一、ヒップ九十二の体は夏になるほど、見えてくる。彼女は高校卒業後、すぐに探偵事務所に入社した。その頃でも、すでに巨乳になる兆候は出ていたのだ。成人になってからは、今の体型に到達した。探偵として、その体は不利になるかというと、それは違う。
世間的に巨乳の女性は頭が悪いと思われている。そこを使えば、捜査もやり易くなるのだ。
探偵社に入社してすぐ、夏海静花は浮気調査の助手をする事になった。男子所員、日名気弓雄(ひなげ・ゆみお)に同行する。日名気は三十歳、長身で痩せ型だが、顔は平凡でハンサムではない。眼は細く、鼻も低い。
夏海静花は丸顔で、目と唇が大きい。鼻は団子のようで、美人といえるかどうか微妙だ。クリクリと動く眼は知性的なので、知能の低いアイドルとは違った雰囲気だからだ。
それより男性なら彼女の胸と尻に視線が、いってしまうだろう。二十七歳の今の彼女の顔の雰囲気は女性検事の顔と同じだが、入社した当時はまだ、女子高生的雰囲気もあった。
日名気と同じ車でターゲットの男性を尾行する。この業界は女性からの依頼の方が多いのだ。夫の浮気を疑っている女性は、多い。しかし、探偵社に頼むとなると結構な費用がかかる。
福岡市のような百五十万人の都市では、月に数百の依頼はある。そこで静花の探偵社も毎日のように浮気調査をしている。
今回の依頼は福岡市会議員の妻からの依頼で、議員は四十五歳の男性で、一見、真面目そうだが、今回以前も疑わしい行動があったという。市会議員といえども、五時過ぎからの行動は自由だろう。とはいえ、その妻にはそうはいかない。

静花は車中でレポートを読み上げる。
「相手はキャバクラ嬢ですね。撮影されたものを見ると、美人に見えますか。」
日名気は冷静に、
「福岡のキャバクラ嬢は、大抵そうだよ。市会議員さんも、色好みだね。」
とハンドルを回しながら助手席の静花に答えた。
夜も十一時だ。福岡市には六十以上のラブホテルがある。東区の志賀島近くにあるラブホテルに市会議員の車は走っている。探偵社二人の尾行する車も、その後を追う。
静花のレポートに写っているキャバ嬢は色白で痩せた、笑顔の美しい女性だ。二十代前半だろう。全身が写っていて、前からだが尻の横に張っているのは、よくわかる。スカートはミニで、胸は上に向いた形のよい美乳だ。顔は真面目そうで、キャバ嬢とはいえ、乱れた感じはなかった。
二人がラブホテルに入るのを写真と動画で撮る。日名気と共に静花も撮った。静花は、
「成功ですね。帰りますか。」
と場を離れたいようだ。
「出てくるのを待つんだ。ぼくたちも入ろう。」
「えっ、まさか・・するんですか。」
「心配するなよ。彼らの隣の部屋が空いていれば、そこに入る。コンクリート・マイクで音も拾えるかもしれん。」
そのラブホテルは無人のフロントなので、気軽に静花たち二人も入れた。市会議員たちの入った部屋の隣の部屋は空いていた。日名気は、
「ラッキーだ。入ろう。」
無言でうなずく夏海静花だ。日名気が先にドアノブを回した。後からの静花がドアを閉める。コンクリートマイクといっても様々だが、探偵社の使うコンクリートマイクは九万円くらいはする高価なものだ。録音機能もある。日名気は、すぐにコンクリートマイクをセットした。耳にレシーバーを当てると、
ちゅっ、ちゅっという男女のキスをする音が聞こえた。それから女の声が、
「奥さんと別れるって、本当なの?」
「そのつもりだ。もう、子供は大学を出て社会人になった。新しい妻が必要なのかもしれない。」
「嬉しいわ。東区のはてまで来て、セックスする必要もなくなるのね。」
「そうだな。これが最後かもしれん。」
ばさばさ、と服を脱ぐ音がする。
「きれいだ。君の胸は白い美乳だよ。」
「恥ずかしい。」
聞いている日名気は、音から二人の場面を想像する。
 市会議員は全裸になったキャバ嬢の乳房を左から右に、それぞれ吸った。全裸の市会議員の股間のイチモツは巨大になっている。
「とても変わった体位で君としたいと考えていたんだ。」
二人は立っている。感じて身をくねらせたキャバ嬢は、
「どんなポーズで、するのかしら。」
「君は体が柔らかいだろう。ブリッジを、ベッドの上でしてくれ。」
「ええ、いいわよ。」
彼女はベッドに乗ると全裸で乳房を揺らせながら、両脚を開き、体を後ろにそらせて両手をベッドについた。豊かな陰毛の下の淫裂がピンクの口をパックリと開いた。
「これで、いいかしら?」
天井を見つめながら、彼女が聞く。議員は、
「上出来だ。すぐ、行く。」
議員は彼女の開いた白い足の間に膝をつくと、大きくなったモノをキャバ嬢の淫穴に挿入していった。
「ああん、こんな体勢だから、とても感じるわ、ああん。」
とブリッジの体勢のまま、彼女は声を上げた。二人は、その体勢のまま結合して三十分は過ぎた。
日名気は退屈そうに、
「長いな。」
と呟く。潮風が室内にも入り込んでくる。波の音がザバーン、ザバーンと窓の外からは小さく聞こえる。日名気は眼を静花に向けると、
「終わったよ。先に出るからな、おれたちは。」
と指示する。日名気の後から静花も部屋を出た。
後は二人がラブホテルから出てくるのを、写真撮影、ついでに動画撮影もすれば終了だ。日名気と車に潜んでいると、市会議員が出てきた。だが、彼ひとりだけだ。日名気は、
「そんなはずは・・・。もしかして、あのキャバ嬢を殺しているかもしれない。」
と口に出す。
「それは大変ですね。あとは警察の仕事でしょう。」
と静花も動揺する。
「とにかく君は、ここにいてくれ。おれは議員の後を追う。」
「はい、わかりました。」
日名気は市会議員の乗り込んだ車を追いかけて、車を発進させた。あとに残された静花は、近くの大木の陰からラブホテルの玄関口を見張った。しばらくすると、一人の尼僧が大きなバックを下げてラブホテルから出てきた。真っ黒な眼鏡をかけて、頭は剃られてツルツルだった。
その尼さんは、十メートルは歩くとタクシーが現われて、それに乗り込んだ。黄色いタクシーは海岸線の道路を福岡市に向って走っていった。
静花は、
「尼さんがラブホテルから出てくるなんて。」
と一人呟いた。
(そうだわ。あの尼さんは、キャバ嬢の変装に違いないわ。)そう思った静花は運よく近くに来たタクシーを停めて、
「あの黄色いタクシーを、追って頂戴。」
と指示する。急発進する静花の乗ったタクシーは、黄色いタクシーが山の中に入っていくのを追った。
キキーッ
と土の上に音を立てて黄色いタクシーは停まった。そこは山寺だったのだ。タクシーから降りた尼僧は寺の山門へ足を運ぶ。
発車した黄色いタクシーの跡に、静花の乗ったタクシーは停まった。降りた静花は石段を登っている尼僧の後を、静かに尾行する。石段の上に辿り着いた尼僧は振り返ると黒いサングラスを外して、
「珍しいわ。こんな夜中に、参詣してくれるなんてね。」
と静花に言葉を投げた。
顔を見るとキャバ嬢ではない。セクシーな尼僧で三十代前半か。静花は、ビクッとして階段を登る足を止めた。尾行は失敗だったのだ。くるりと尼僧に背を向けて降りようとする静花に、
「ちょっと。探偵さん。もう、あの女性はラブホテルを出ているわ。わたしの後ろの方を歩いているのを、振り返って見たから。男と同時にラブホテルを出ないようにしてたわね。あんた、証拠写真でも撮ろうとしてたのね。」
と尼僧は呼びかける。
静花は階段を降りる足を止め、尼僧に振り返ると、
「そうです。すみません。」
「まあ、もうあの女を追っても間に合わないから、今日はうちの山寺で泊まっていきなさいよ。」
「ええ。でも・・・。」
「わたし独りの寺だから、のんびりできるよ。」
静花は日名気に携帯電話する。
「失敗しました。」
「だろうな。今日は直帰で、いいから。」
「すみません。」
「議員は無事に、ご帰宅だ。奥さんは腹の虫がおさまらないだろうけど。」
「キャバ嬢は遅れて出たようですよ。」
「うん、それも考えてはみた。そうだったらしいな。明日になれば、又、やり方を考えるさ。」
ツー、と携帯電話は切れた。

 静花は先ほどの尼僧と同じ部屋にいる。寺の中だから和室の畳の部屋で、仏像が飾られている。その仏像の姿は座っていて、手が六本もあるのだ。顔は恐ろしげな表情である。静花は正座して、それを横目に見ると、
「変わった仏像ですね。」
と素直に感想を洩らした。尼僧は、
「愛染明王といってね。愛欲の仏さんなのよ。足は崩していいよ。この寺の住職は、わたしだから。」
静花は正座の足を崩すと、
「ラブホテルには、どうして・・・。」
と聞く。
「ああ、あれね。あれは檀家の若い男とやりまくるために行ったのよ。最近は、そこまでしないと護寺費を遅らせる檀家があるのね。一応、用心のためにサングラスをして、わたしが先にラブホテルを出ているけど。あんた、この辺の人じゃないみたいだから、教えてあげるけどね。」
「なるほど、分かりました。」
愛染明王の像の前には、赤い蝋燭が二本立てられて火が、ともされていた。ゆらゆらと動く蝋燭の炎が、薄暗い室内をほの明るくする。潮の打ち付けるザバー、という音も聞こえた。
目の大きな女住職は好色そうな顔で、
「AVも色んな分野の女性を出したけど、尼さんは一人も出てないみたいね。わたしが出てもいいけどさ。」
と話すと白い歯を見せた。

そういう過去のあった静花も、今は独立して事務所を構えている。女探偵が何故有利なのかと言うと、相談してくるのは大抵、女性だからだ。だが逆に男性が相談者として依頼もしてくる。それは調査相手が女性のため、男性の探偵より依頼しやすいという事になる。
おかげで夏海静花の事務所は仕事が舞い込んだ。
「忙しいわね。そうだ、助手も女性にしよう。」
静花は一人呟くと、インターネットに募集広告を出したのだ。それも何処かの広告代理店にではなく、自分のブログ、「女探偵の孤独なつぶやき」に
当探偵事務所では、助手を募集しています
とブログの右側面に書くだけでよかった。その日の内に事務所の電話が鳴った。
「はい。夏海探偵事務所です。」
「あの、わたし助手になりたいんです。ブログで見ましたよ。」
と若い女性の声がした。
「ありがとう。さっそくだけど、面接に来てくれないかしら。」
「ブログに載っている住所ですか。」
「そうよ、中央区の薬院ね。電車の駅を降りて、歩いて五分かな。」
「わかりました。今から、いいですか。」
夜の七時だ。外は暗くなっている。
「いいわよ。九時ごろから尾行だから、早く来てね。」
「ええ。風のように飛んできます。」
くす、と静花が笑うと電話は切れた。それから十分もすると、事務所のチャイムが鳴った。
「はい、どうぞ。」
と静花が大声で答えると、ドアが開いて清楚な若い女性が立っていた。髪は肩にかかる位、少し長身であるけど胸の膨らみもそれなりにある。スカートの横幅の広さは豊かな尻を想像させた。眼は、つぶっているように細いが、睫毛が長くて女らしい。茶色のスカートに白い上着で足はスニーカーを履いている。
「よく来てくれたわね。探偵助手って厳しいのよ。その代わり、給料はいいけど。そこに座ってよ。」
静花は応接テーブルのそばにある横長のソファを指差した。面接女性は、ふんわりと腰掛けた。静花も応接テーブルをはさんでソファに腰掛けると、
「履歴書を見せて。ありがとう。霞露子(かすみ・つゆこ)さんね。二十歳。若いわね。短大を出てアルバイト・・・今もしてるの?」
「ええ、深夜のコンビ二とかもしています。」
「それなら探偵の仕事には、入りやすいと思うわ。浮気調査は夜が多いのよ。今夜もわたし、行くけどね。」
「徹夜もできます。」
「それは、いいな。あと、女探偵は体を張る事もあるのよ。」
静花は立ち上がると霞露子の背後に回り、露子の上着の上に突き出した二つの乳房を両手で鷲摑みにした。露子は首をひねると、
「あはっ。感じますぅ。」
と悶えた。その露子の顔に自分の顔を静花は近づけてキスした。ヌル、と静花は自分の舌を露子の唇の間から差し込むと、露子の赤い舌と絡め合わせる。露子は眼を閉じて、じっとしている。静花は露子のスカートの中に手を入れて、ショーツの上から露子の割れているスジを指でなぞる。
「いゃぁん。」
露子は口で抵抗したが、両足は大きく広げた。ショーツの上からでも、露子の突起した淫核が静花の指には感じられる。それを捏ね回すと、
「ああん、ぁぁ、ぁぁーん。」
と露子は悶えて、唇を開いた。忘我の表情を静花は見ると、指を露子の淫核の突起にかふさったショーツから手を離して、

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2098年のキス
 2013年の現在、首都・東京などでは特に気軽な男女のキスが一目も憚らずに行われる事が少なからずあるらしい。これは今からもう少し前から見られる現象で、欧米の影響だといえるのだろう。
それと並行するように日本では、少子化が進んでいった。
2098年の現在、日本でそのような行為、すなわち、人前でキスをする事は公然わいせつ罪として逮捕されるようになった。その理由は、おいおい述べていく事とする。
他の現象としては、映画やテレビドラマなどは見る人も極めて稀となっているのだが、キスシーンはアダルトなものとして取り扱われ、テレビからはキスシーンが姿を消すなどしている。
ここまで取り締まられるようになったなどは、2013年に生きているあなたがたには時代の逆行のように思われるに違いない。
さてさて、そういう時代となっているから2098年現在、女性は外出時にはマスク着用が一般となっている。日本政府としても、マスク着用を義務付けようかという検討もしたが、中東の女性とは違う伝統のためにそこまではやらない方がいい、ということになり、法的に規制はされない。
それでも、大抵の女性は外出時、のみならず勤務時間帯もマスクを取らない。
ある平凡なサラリーマン家庭を見てみよう。女性は、その辺を歩いているような、よくみかけて顔も覚えられないようなありきたりの三十代の主婦、凡子は帰宅した夫、沙羅男(さらお)にマスクをしたまま、
「会社の方は、どうなの?」
と聞く。
「ああ、なかなか出世できそうもないよ。」
「じゃあ、わたし、まだパートに出た方がいいのね。」
「うん、すまない。でも、キスぐらい、おまえ・・。」
凡子は目で抵抗して、
「簡単に、させてあげられるもんですか。2000年初期の頃とは、違うんだから。」
沙羅男は、ふーっ、とため息をついた。それから独り言のように、
「あーあ。おれも2013年頃に生まれていればなー。そうしたら、もっと簡単にキスもできたし。」
「そんな、いやらしい事、夫婦だからって気楽に話さないでくださいな。その頃のキス映像は、すべて成人指定のアダルトになってるでしょ。今は。」
「そうだけどね。昔の人達は、気楽だね。」
「ずいぶんと昔だわ。公務員も勤めていれば、給料が上がったそうじゃない。」
「そうだったらしいね。役人天国だったんだろうな。でも、今はそれも違うね。おれの同級生も地方公務員になったけど、リストラされてね。」
「大変ねー。」
「風俗産業に入って、今は安定した生活を送っている。」
凡子は眼をきらめかせると、
「そうだ、あなた。風俗関係の仕事に転職なさいよ。自動車の会社なんているから、だめなのよ。何十社もあるでしょう、車の会社。」

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近未来の不動産会社OL

 美山響子(よしやま・きょうこ)は、三十歳、不動産会社勤務、独身、身長百五十八センチ、88>59>89のサイズで、通勤はフェラーリで通勤している。
満員電車では必ず、痴漢された。美山響子は男性の好みは限定されていたので、多くの男に触られるなど気分のいいものではない。もちろん、大抵の女性なら痴漢は気分が悪いものだが。それで、二千万円クラスの黒のフェラーリを現金で購入した。
インターネット検索で、フェラーリの販売店を探し出したのだ。フェラーリの公式ホームページから探せる。響子は福岡市なので、福岡の販売店を探すと、一つしかなかった。
2013年も一つだったが、2033年の今もフェラーリの販売店は福岡市にしかない。なにせ、トヨタがレクサスなどの高級車の販売に力を入れたため、高級外車は昔ほど売れなくなっていた。

響子は帰宅すると高級マンションの最上階で、宅配ピザを注文する。
「春吉の美山です。」
「毎度ありがとうございます。」
名乗った後に、間を置くのはピザの店の人間がパソコンから美山の情報を呼び出すためで、これはもう随分昔から行われている。
Sサイズのピザを二枚、注文した響子はフカフカのソファに座った。それから向こうの部屋にいる彼の体を思い出す。彼は料理、洗濯なんてやってはくれないばかりか、自分で歩行するのもままならない体だ。
それでも一昔前の彼のタイプの・・・
ピンポーンと、何十年と変化のないチャイムが鳴った。携帯電話の着信音なんて様々なものがあるのに、ドアのチャイムは何処も同じ、およそ建築関係の人間は発展性がないのだ。それが証拠とはいえるかどうか、日本の大手建設会社の起源は江戸時代の頃で、保守一点張りといえるのかもしれない。
玄関ドアを開けると、男子大学生アルバイトらしい青年が顔を出した。背も高く百八十センチはあり、フットボールでもやっていそうだ。響子は(ピザよりも、この青年の方がおいしそうだわ。)と思ったが、学生では面倒な事も多い。
「お待たせしました、ピザビッグです。」
ズボンと上着が繋がっている、いわゆるツナギの白い制服を着た大学生は
ピザビッグ!おいしさ二万倍。
と文字が印刷された白い箱を響子に手渡した。受け取って玄関脇の棚のところに置くと響子は、代金を払った。その宅配員の視線を胸に感じながら響子は、その男の股間を見ると白い制服に大きく張り出した格好になっている。(勃起しているのかしら)
「丁度、いただきました。ありがとうございます。」
深々と頭を下げた青年の股間を響子は注視していたが、ドアが閉まるまで張り出したものは、引っ込まなかった。

ピザビッグはSサイズも他の宅配ピザより、大きかった。響子の好きなメニューの一つがウインナーピザで、長さ二十センチのウインナーを先に手にとって、男性のペニスを頬張るように口に入れる。
このウインナーピザの注文は独身女性からが最も多かったので、ピザビッグの経営者は、含み笑いをしながら、
「裏メニューを開発しよう。簡単だ。ウインナーを男性器の形にするんだ。それをバイブ版、という形でメニューに載せる。メニューには、未成年のお客様は、このバイブ版は御注文できません、と但し書きは入れるようにする。さっそく、取り掛かってくれ。」
という発案に、開発スタッフが取り組み、できたものはバイブというより食べられるだけに松茸という感じの黒い大きなウインナーだった。
今、響子が口に入れたのは、この裏メニューのバイブ版だった。
(まるで、男の大きなアレみたい・・・。)
響子の舌は、その男性器と同じ形に作られた、というより勃起時の男性器と同じに作られたウインナーの亀頭の部分を舐め回していた。亀頭のカリも舐め回していく。
TANNERの第五段階、の男性器をモデルにしている。すなわち、最終的に成熟した男の性器である。
響子は上着を脱ぎ、シャツも脱いでブラジャーを外すと、TANNERの第五段階である自分の乳房を揉みながら、ウインナーをまるで男性の勃起したペニスにするように舌を這わせていった。
広い食卓に一人で座って、響子はウインナーにかぶりつく、のではなく、しゃぶりついている。
響子の白い大きな乳房はTANNERの第五段階のため、乳輪は後退して見えない。
世間的に見られるAVなどでの乳輪の大きな女性は、TANNERの第四段階であり、完全成熟とはなっていないのである。
空腹は、響子の想像を打ち破った。カリカリとウインナーは、響子の口の中で噛み裂かれる。胃袋から伝達される感覚が、彼女を現実に戻したのだ。
(彼は、寝室にいたわね。ダブルベッドで寝てるけど。わたしがピザのウインナーで、こんな事をしているのは知らないでしょう。)
そもそも、その彼との性生活に不満があるから、ウインナーもビッグサイズのものを求めるようになる。でも、それは彼のモノのサイズが小さいからではない。
ウインナーを食べ終わると、ベッドに寝ている彼のビッグなモノを想像して響子は笑顔を浮かべた。

ピザが入っていた紙の容器をゴミ箱に捨てると、響子は寝室に向った。ドアを開けると、ダブルベッドの片隅で全裸の彼が寝そべっている。響子は彼の股間に真っ先に、眼をやる。ビッグ!ただ、それはまだ固くなっていない。
その彼は、同じ不動産会社の同僚だった。年齢も同じで、三年前に結婚した。半年ほどは薔薇色の結婚生活だった。何が楽しいといって、仕事から帰って夕食を食べ、そのあとにすぐするセックス以外にあるだろうか。彼は大学時代、ラグビーをしていたのでタフだった。
響子を手早く全裸にしてくれて、先に全裸になっていた彼は、すでに怒髪天を衝くという言葉を変えて、怒棒天を向くという趣の姿態だ。
お互い立ったままの彼らは、響子が尻を向けて彼に寄り添う。彼は高く突き出した彼女の尻の間に見える大きな割れ目に、太く長いイチモツを突き入れると、響子の両脚を膝の後ろから両手で抱えて、空中に浮かせた。
駅弁体位の女性が、逆を向いた姿勢になる。駅弁体位の場合、女は男の肩に掴まったりするが、響子の今の体位は背中が彼の胸に密着して両手は空いている。
彼が響子の体を高く持ち上げるようにして、おろすという動作は騎上位を空中で行っている気になり、
「あっ、あっ、あっ。」
という悶え声を響子は止められなかった。空中に座ったまま、彼の雄大なペニ棒が出入りしている。それが、新婚生活で響子が最も好きな時間だった。
響子のマンコは締め付けが強く、セックスを終わった後、彼のペニスを観察するとその皮膚が締め付けられて赤くなっていた。
それ位の締め付けだから、彼も五分と持たないことが多かった。
不動産会社も多種あるのだが、響子の勤めているところは主に賃貸物件の仲介だ。福岡市の中心に近いところにあるので、家賃の高い部屋が多く、したがって仲介を頼みに来る人達も少ない。
平日の昼間など、午前中もだが、客は一人も来ないことが多い。高い家賃を払ってまで福岡市の中心に引っ越したい人達は、東は神戸まで見当たらない巨大商業地の天神でビジネスとか店を考えている人達なのだ。
響子は一人で店にいる事も、しばしばだったので、逆駅弁の夫とのセックスを思いながら指はスカートの中に入れて、パンティの上からマンスジを強くなぞって楽しむ事もある。
不動産の仲介店に行けば、どこでも座っている女性の下半身は見えないようになっている。だから、万一、客が入ってきても響子は指を素早くパンティから離せばよい。
大手建設会社の受付も暇なことが多いし、人も通らない時間が多いと受付の女性はオナニーに耽る事もあるらしいが、響子は店のドアが開く瞬間に手を離して来客用笑顔を向けるので、気づかれた事はない。
響子の夫は営業に回されていたので、部屋も違い、顔を会社で合わせる事もなかった。
それでも、二人が付き合っている事は社内では知れ渡っていた。それは狭い世間というところだろう。響子と彼が、会社の休日にラブホテルに入ったのを見た社員がいたらしい。
休みの少ない不動産会社の休日に、二人はホテルで朝から晩までセックスした。
昼の食事も、そこそこのホテルに泊まるようになってからは、部屋に持って来てもらうようにした。その昼食を受け取る時だけ、彼が衣服を身につけた。大抵は若いホテルマンが、台車で昼食の上に布をかけて持ってきた。その時には、一発は響子の尻の中に射精していたし、入り口から見えないベッドで響子は全裸で寝そべっていた。
不動産会社の休日だから、水曜日、響子の会社も水曜日が休みだ。昼食を食べ終わった二人は、再び全裸で抱き合う。窓のカーテンも締め切っているけど、その外の下の空間では忙しそうに白いカッターシャツを着たサラリーマンが、歩き回っていた。
正常位で挿入しようとした彼に響子は、
「昨日のお客さん、案内した部屋の中で、さりげなくだけど、わたしのお尻をむにゅーと掴んだのよ。」
と告白する。彼の勃起したイチモツは、響子の膣口の前で停止した。
「ええーっ、それだけか。」
「うん、それだけ。」
「よーし。おれがもっと、おまえの尻を愛してやる。」
彼は響子を、うつ伏せにした。大きな二つの乳房が、プルンと揺れる。尻を高く上げた響子の股間には、大きな淫裂の線が彼の眼にイヤラシく映った。潤んだその長い割れ目に、彼は長大なモノを根元まで突き入れた。響子は尻を震わせて、顔を横向けにすると、
「あああ、すっごく、いい。マンコ、気持ちいい。こすって!」
と淫らに悶えた。頬が紅色に染まっていた。不動産会社で働いている時の顔とは、別人のようだ。恐らく、AVに出ても分からないのではないかと、思われる。
この頃のAVはマンネリ化して売り上げも落ちてきていたのだが、テレビに出た、もしくは出ていた芸能人を出演させるという企画で、どうにか持ちこたえていた。狙い目は昔、大人数で歌っていたあの数十人単位のメンバーをどれか一人でもAVに出せば、昔のファンが必ず買うという現象がある。メンバーの二人を同時に出演させて、男優四人と絡ませる。そういう企画ものは、四十万枚もの大ヒットとなった。AVは昔からレンタルされるのが普通で、十万枚も売れれば大ヒットだった。
昔のファンには、たまらないシリーズだった。握手をしたファンは、一人で二枚は買った人もいる。
傑作なのが、この元アイドルグループのシリーズものを三十枚買うと、誰か好きなメンバーとホテルで、しかも高級ホテルで一泊できるというものだった。そのシリーズのDVDに付いている応募券を集めて郵送すれば、東京のホテルまでの往復の旅費まで旅行券がついて好きなアイドルとの夜が過ごせた。大抵は三十過ぎになっていたメンバーが多いけど、その高級ホテルの従業員の話では、そのアイドルと泊まっている客の部屋では一晩中、灯りがついていて、その元アイドルの悶え狂う下品な悶え声が四、五時間続いて聞こえた、とか、朝、その元アイドルが蟹股でヨタヨタとホテルの通路を歩く姿が見られるという。
やはり一晩中、大股開きにさせられて、熱くなったファンのモノを受け入れていると股ずれが起きる事もあるらしい。
元メンバーの中には、結婚しているものもいたけど、旦那公認でそのAVに出ている場合もある。その場合も、応募できるのでシリーズ累計二百万枚の売り上げを記録しつつあるAVのミリオンダラー箱である。
オンデマンドという言葉があるけれども、これ以上に客の要求に応えたシリーズは過去には、なかったろう。
これらのシリーズものの売り上げは、低迷しているCD業界などには垂涎の的ではあったが、彼女等の悶え声だけを収録したCDも大した売り上げには、ならなかった。
彼女達が出るAVをAVB24と称していた。アダルトビデオ部隊24の略だった。

結婚が決まるまで部屋に入れてくれなかった響子の彼、だったが、結婚が決まって、
「おれも包み隠さず、部屋を見せる。」
と男らしく公言するように話すと、薬院という福岡市の中心に近い場所の二十階立ての十五階に住む、彼の部屋に響子は連れて行ってもらった。
神戸の人口を抜いて、名古屋に迫ろうという福岡市でも高層マンションの建築はボツボツだ。それは郊外にまだ、土地があるからである。神戸の人口より少ない頃も、高層マンションを多く作るという発想は福岡市内では、あまりなかった。東京のように完売できるかという心配もあったと思われるが、新築のマンションはすぐに満室になったり、分譲マンションは建築中でも完売御礼が出るのが福岡市である。

推理小説・無料体験版・盗まれた名画の秘密

 春川智明、年齢は三十歳、160センチの小柄にして体重は60キロというと太めの体かと思いきや逆三角形の上半身で背広を着ると着やせするタイプなのだ。
彼は福岡市に探偵事務所を開き、インターネットによる集客で大いに金を稼いだ。ホームページは何という有能なセールスマンだろう!
おかげで春川は宣伝広告費は払わずに済んだのだ。ウェブサイト制作を業者に頼んだのが宣伝経費と言えなくもない。業者の男は、
「春川さん。スマートフォン向けのサイトも作りませんか。お安くしておきます。」
と携帯電話に連絡してきたが春川は、
「それは今のところ要らないよ。顧客は金持ちでないといけないわけだ。年齢もそれなりにいっている男女からの依頼によるものだからね。
ぼくのところにはアクセス解析ではスマートフォンから来ていないんだ。」
「そうでしたか。そういえば、そんな気もしますね。又、よかったらメール下さいな。」
「ああ、何十年先になるかな。」
それを聞いた担当者は絶句したようだ。携帯電話は唐突に切断されたのであった。

 春川は(ああ、浮気調査ばかりだ。しばらく休みたい)事務所の外に見えるのは福岡市南区井尻の湯気の立つような風景だ。それにも彼はウンザリした。
もともと春川は探偵小説に感銘を受けて探偵を志したのだ。しかし、殺人事件を日本の探偵、いや、どこの国の探偵も取り扱うことはないといっていい。
携帯電話にメールが着信された。
開いてみると、差出人は害人三十面相だった。

 ご機嫌いかがかな、春川智明君。
君は浮気調査に飽き飽きしていると思う。だから、吾輩が君を刺激してあげようと思う。福岡市東区にある埋め立て地に新しく美術館ができたのは、ご存じだな?
そこで日本画の巨匠 幻界灘男の展覧会が行われている。吾輩は幻界画伯の名画を見事にいただくつもりだ。
警察に通報するもよし、地方新聞に教えるなり、いや、それよりもはるかに強力な手段、ネットで情報を流すのも結構。
楽しみたまえ、それでは。

害人三十面相より、だよー。
(ふざけた話だが、本当かもしれない。)
と春川は思考した。
幻界灘男は日本画といっても白黒の枯淡な水彩画などではなく、現代日本を描く画家で年齢は七十にもなり、一部の熱烈な崇拝者によって高額な値が美術オークションなどでつき、海外、特にイギリスの美術愛好家の資産家連中の購入意欲を誘う数少ない日本人なのだ。
その絵は神秘的にして宗教的な作品もあり、東京のスカイツリーの上に立つ観音菩薩の姿などが見られたりする。
幻界灘男は福岡県福岡市の出身で東京在住、分譲マンションの最上階に住む。旅行好きで自宅を開けがちなため、以前、戸建て住宅に住んでいた時に盗難にあい描きかけの作品を持ち去られたことがあった。それで今は二十四時間警備付きの分譲マンションに住んでいるのだ。
それ以来、盗難事件は起こっていなかった。幻界灘男の絵は福岡市でも来場者が多く毎日盛況な東区の美術館であるが(田舎というほどではないにしても福岡の美術館だから警備は手薄かもしれない。害人三十面相も目の付け所が、さすがなのかもしれないなあ、うむ。)と春川智明は思うのだが、しかし彼は私立探偵、こんな犯罪予告には興味はなかった。

幻界灘男の展覧会は一階の展示室で行われていた。午前九時から午後五時までの間だが、その日は春川智明に予告された日から一週間経った月曜日、つまり美術館は休日の日。
美術館は警備会社に委託して警備にあたっている。展示会が始まって十日、何事もなく過ぎて、大抵の美術展はそうなのだが、警備員の気も緩んでいる時だった。
警備員は控室でモニターの画面を見ている。二人の警備員は三十代の若い男性、二人とも独身だ。
「退屈だなー。」
「こんなもんだよ。ドラマか映画じゃないから何も起こらないのが普通じゃないか。」
と彼らは話し始める。
「柔道をやってきて女なしの青春、就職難でこの警備会社には入れたけど、事務員は四十代のおばさん。大学は男がほとんどの東京の大学でね。」
と武山は話す。
「そうか、おれも同じだよ。俺の場合は空手だけどな。瓦は二十枚くらい重ねて割れるけど。」
と滝道は答えた。武山は、うなずくと、
「おれもだ。」
「このまま一生を終わるんだろうか。」
「仕事は、それでいいけど。女との出会いはないとねー。」
「空手って女でもやっている人が、いるだろう?」
「それは柔道だって、同じだろう。」
「ああ、でも、あまり好みじゃない。」
「それは、おれもそうさ。」
その時、ドアが開くと若い女性が顔を出した。武山と滝道が武道家らしい目で、その女性を見たが何という美しい顔立ち、長い髪と赤い唇は笑顔を作り、両の瞳は涼やかに黒目が大きい。
「失礼します。わたくし、今日から入館しました江浦(えのうら)みさきといいます。これから、よろしく、お願いします。」
甘く透き通る声だ。身長は百六十センチ弱というところ、当美術館の制服を着ているし胸には館員証をつけている。
二人は武道家らしい構えを解いて雇われている警備員らしき態度に変わると、
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
と口々に挨拶した。
江浦みさきは一歩、部屋の中に進み出ると、
「さっそくですが、幻界灘男画伯の展示中の絵のうち、「観音菩薩の慈悲」を持ち出すことが必要なんです。それは今日一日ですが、画伯からの要請なのです。
ですから、警備の方に了解いただきたいと思いまして。」
「観音菩薩の慈悲」は時価、三十億のもので、東京のある宗教団体から美術館がレンタル料を払って展示会のために借りているもので、今回の展覧会では最高の日本画だ。
アメリカの自由の女神の頭上はるかに高いところに観音菩薩が空中に現れて、右手でオーケーの印を作り、左手は手のひらを上にして前に差し出している構図である。
青紫の靄が観音菩薩の周囲に漂う神秘的な感が見る者の気持ちを惹きつける。

武山と滝道は互いの顔を見合わせると、武山が答えて、
「わかりました。どうぞ、我々はモニターで見ておりますから。」
と笑顔になる。
江浦みさきは胸のポケットからキャンディーの包みの様なものを取り出すと、
「とても香りのよいキャンディーを幻界画伯から戴きましたの。警備の方に、あげてほしいとのことでしたから。」
と話しかけて優しい手つきで二人に差し出す。二人は右手のひらを差し出して、
「いただきます。」
とうれしそうな顔で、そのキャンディーを受け取った。江浦みさきは
「鮮度が大事なキャンディーですの。すぐに召し上がってくださいね。」
ニコリとうなずくと、部屋を出て行った。

江浦みさきは香水とは違う若い女性の持ついい匂いを警備室に残していた。武山は、
「新しい館員さんらしい。毎日、楽しくなりそうだな。」
「うん、このキャンディーも、いい匂いがするな。」
「食べよう。鮮度が大事なんだって、言ってたな。」
「ああ、そうしよう。」
二人はキャンディーの包みを解いて大粒のそれを口に入れた。甘く広がる洋風な味、二人はモニターに向き直った。

二人とも「観音菩薩の慈悲」が展示されている場所のモニター画面を見入る。そこに、もうすぐ江浦みさきが現れるのだ。だが、二人は美人館員の彼女を二度と見ることはなかった。

夕方の六時になった。警備員交代の時間だ。武山と滝道と交代する夜勤の警備員二人は警備室に入ると、
「おい、起きろよ。交代だっ。」
「なんで寝ているんだぁっ。」
と口々に大声で叱咤した。
だが、椅子の上でぐったりとしている二人は目を覚まさなかった。
「しょうがないなあ。おい、起きろよ。」
「いつから寝ているんだよう。」
二人は武山と滝道の肩を揺さぶった。
「死んでいるのか。」
「まさか、まだ体温はある。」
「そうだな。脈もある。」
「救急車を呼ぼう。」
一人が携帯電話で救助の連絡を取った。

武山と滝道は救急車で運ばれていった。
「館内に異常はなかったか、見回ってくるからな。」
「おれは、ここでモニターを見ているよ。」
見回りに出た警備員は真っ先に「観音菩薩の慈悲」を確認しに行った。大丈夫、盗まれていない。壁面に高額の名画は鎮座ましましている。幻界灘男のほかの作品も点検しに回った警備員は何も異常はないのを確認した。

近くの病院に運ばれた警備員の武山と滝道は深い昏睡状態から医師の手当てで五時間後に目を覚ました。二人は意識を取り戻すと、
「なんで眠ってしまったのか。あのキャンディのせいじゃないか。」
と武山が隣のベッドの滝道に慌てて問いかける。
「ああ、そうだ。他に思い当たらないぞ。あの女が・・・大変だ。絵が盗まれているんだっ。」
滝道は右手のこぶしを握り締めた。滝道はベッドわきの携帯電話を取り、会社に電話を掛けた。
「もしもし、滝道です。あ・・・今、気を取り直しました。」
「そうですか。それは、よかった。部長に変わります。」
電話の相手は警備部長に変わった。
「おう、滝道君。とにかく、よかったよ。」
「大丈夫なんですか。絵が盗まれていませんか。」
「いや、異常はなかった。それは直ぐに確認しに行ったそうだ。」
「それは、よかった。ほっ、としました。」
「完全に治るまでは寝ているように、な。」
「はい、でも、もう出勤できます。」
「武山は、どうなんだ。」
「武山も大丈夫みたいですが。」
「それなら、いつ来てもいいぞ。」
電話は切れて、そばで聞いていた武山も安堵の胸をさすっていた。

 翌日の午前、幻界灘男展は平日とはいえ、そこそこの人が入場していたが、目玉の「観音菩薩の慈悲」の前に立ちすくんでいる一人の中年の太った男性が、
声を出した。
「違う。これは本物の「観音菩薩の慈悲」じゃない。」
少し大きな声だったせいか、近くに座っていた女性美術館員が近づいて来て、
「どうか、しましたか。」
と尋ねてくる。
「これは贋物ですよ。私は幻界先生のこの絵を宗教団体に売ったのです。その時、注意深く、まあ、どの絵でもですが、見ていたので贋物は分かるのですよ。」
四十代の女性美術館員の顔は、みるみる青ざめた。眉を寄せると、
「館長に連絡します。」
と言うや近くの警備員に走り寄って話をした。

五分もしないうちに六十代初頭らしき眼鏡を掛けた紳士然とした男性が背広姿で、その場にやってきた。口を開くと、
「≪観音菩薩の慈悲≫が贋物だと、おっしゃるのですね?」
と画商らしき男性に話しかける。
「ええ、間違いありません。」
「よろしい。警察に届ける前に確認した方が、よさそうですな。幻界画伯に連絡しますよ。そうすれば、なによりも確かですからね。」
館長の眼鏡の奥でギロリと丸い目玉が光った。美術館の館長として大事な絵が盗まれたとあっては恥辱の極みとなる。すぐに警察に連絡するのは、とにかく避けた方がいい。
 それに美術品の盗難など警察は何処の国でも本腰をすぐに入れてこない。館長の目から見て本物か贋物かは実は分からなかったのだ。
ということで幻界画伯の登場となるわけだった。

その前に美術館長は警備会社に今一度、館長室に戻ってから電話で警備のことで尋ねてみた。
「最近、特に不審なことは、ありませんでしたね。」
警備部長は即座に、
「ええ、ありませんでした。防犯カメラには不審な人物は映っておりません。江浦みさきさんという新人の館員さんが幻界画伯の【観音菩薩の慈悲】を持ち出されるのは映っていますが、その後、ちゃんと戻していますから。」
館長の表情が変わると、
「江浦などという館員は、うちには、いないのですよ!」
「えええっ、では、その女が・・・でも、戻してはいますよ・・・。」
「うむ。それは・・・。」
贋物だ、と言おうか言うまいかと館長は迷ったが、
「うん、絵はあります・・一応、確認のためです。以後も、よろしく。」
急いで電話を切ると、
江浦みさき、か・・・と館長は心の中で呟いた。
そんな館員は、かつて、いたためしはない。自分が館長になってからは、そうだ。それに新人の館員さん、と警備会社の部長は言っていた。そんな新人は、この美術館には存在しないのだ。

 翌日の朝早く、美術館が開館になると同時に幻界画伯が木製ステッキを携えて現れた。
館長室に職員に案内されて入った幻界に館長は揉み手をして、
「これは、幻界さま、お越しいただき恐縮です。」
と云うと立ち上がり、
「さっそくですが、「観音菩薩の慈悲」を見ていただきたいのです。どうもわたくしの勘では贋物とすり替わっているような気がします。」
「なんだと!ちゃんと管理しておるのかっ。とはいえだな、あの絵は既にワシの所有物ではないのだ。画商に売っておるのだからな。」
ステッキを振り上げて仁王立ちの画伯は、怒りの顔の後は平静に戻った。そしてポツンと、
「連れて行ってもらおう。ワシなら、すぐに分かる。」

館長と女性職員、そして幻界画伯はまだ客のいない「観音菩薩の慈悲」の前に移動した。
名画の前に近づいた画伯は、
「おお?これは贋物じゃ。よく似せて描いておるが、紫の光は微妙に違うし、観音様の目などワシほど丁寧に描写しておらん。館長さん、あんたのご指摘通り、これは贋物じゃよ。」
幻界画伯は呆れた顔をした。それから、
「つまりは盗まれたのだね、君。」
「ええ、そうなります。」
「そうなるとは、なんだ。警察に届けたのか。」
「いえ、まだでございます。」
「どうするつもりか。」
「警察に届けるのは却って危険かもしれません。まだ犯人からの要求も、ありません。」
「犯人の要求通りにしないと、む、燃やされるかもしれんな。」
「そういうことも考えられます。」
「では待つか。要求を。」
「そうするしか、ないでしょう。」
そこへ警備員が駆け付けると、
「館長、犯人らしき人物から警備室のパソコンにメールが来ました。
なんでも害人三十面相とか名乗っているのですよ。」
「なに?害人三十面相、前に高宮の宝石店から宝石を盗み出した事件が、あったのを覚えている。」
警備員も、
「それは私も覚えております。あの事件の後、うちの警備会社で営業に行って今ではそこをうちで警備しております。」
「ふふん。そこも大丈夫かな。ここは、やられたではないか。」
警備員は返答に窮した。
幻界画伯は不満そうに、
「とにかくな。この贋物の絵は外してくれ。これがワシの絵だと思われれば目のある人たちは奇異に思うからな。」
と抗議したので館長は、
「は、直ちに取り外します。おい君、この絵を取り外すんだ。」
と駆け付けた警備員に指示した。

展覧会の一番の注目品は取り外されて、そこには
「調整中」
という張り紙が張られた。

その日の午後一時に美術館に電話があった。それは盗まれた絵画の建材の所有者である宗教団体の幸福霊会からだ。
四十代の男性の声が事務室の電話に、
「幻界さんから聞きましたがね。おたくに貸している「観音菩薩の慈悲」が盗まれたそうですな。」
電話に出た女性事務員は、
「館長に、おつなぎします。お待ちください。」
それで電話は館長に、
「もしもし、お電話変わりました、館長の・・・。」
「絵が盗まれたそうですねえ。」
「はい、申し訳ありません。必ず、取り戻しますので、ご心配なく。」
「あの絵が展覧会終了後にないと、ちと困るのですよ。ニューヨーク支部に持っていく予定なのでね。」
「あと十日あります。必ず取り戻します。」
必死に懇願する館長の言葉に何の反応もなく電話は一方的に切られてしまった

体験版・ブルジョア気分でセックスしたい

 照山秋絵は福岡県福岡市南区井尻に住む、二十八才の主婦だ。人口百五十万人を突破した福岡市は、全国で六番目に人口が多いところ。照山秋絵は福岡市の生まれ育ち、夫の照山幸次郎も同じだ。
照山秋絵の身長は158センチ、B86 W59 H89となかなかの身体であるけれど、顔は美人と言うより知的な印象を与える。
それもそのはず、秋絵は九州大学文学部国文学科を出た才媛で福岡市内の不動産会社に勤務した後、夫の幸次郎と結婚した。
夫の幸次郎は身長178センチと高く、やせ型で出身大学も秋絵と同じ九州大学で経済学部の卒業、二人は同い歳で学生時代には同棲していた。
秋絵の実家は福岡市内にあるけれども、東区にある九州大学には遠いため、大学のある箱崎という町に1LDKの広い部屋を娘に借りてやった。
大型冷蔵庫まで備え付けてやった父親の配慮は、幸次郎との生活に大いに役立った。大学四年の夏に同凄を始めた。出会いは、その年の春に大学正門を抜け出た秋絵に後ろから幸次郎が声をかけたのだ。幸次郎は秋絵の大きな尻がぷるんぷるんと左右に揺れるのを見て、胸に込み上げるものを感じた、追いすがると幸次郎は、
「ちょっと、君。いいかな?」
「えっ、なんですか。」
振り返って立ち止まった秋絵の顔は美人ではなかったけども、幸次郎の視線は秋絵の胸に移動すると、その豊かな膨らみを認めて合格点を心の中で与えた。
「この近くで、お茶でも飲もうよ。」
「いいわよ。」
幸次郎の実直そうな顔はハンサムでなかったため、秋絵は安心したのである。つまり軽いナンパではないと、値踏みした。
秋絵のような知的レベルが高い女性に限らず、ハンサムな男性は女性は敬遠する。結婚するのにいやな男性の一番目は
女癖の悪い男
だそうだ。幸次郎は、
「じゃあ、連れて行くよ。」
と秋絵を誘導した。個室喫茶みたいなその店は、周囲を気にせずに話せるのがいい。
幸次郎は目の前に座った秋絵が大きく足を開いたので、白いパンティが眼に留まったが、すぐに秋絵は足を戻した。
幸次郎の口の中に唾液が出てきた。二十一歳の女性が持つ香りみたいなものを彼は、鼻一杯吸い込んだ。すると、股間のイチモツが少し反応してしまった。でもまず、会話をしなければ・・・
「君、頭がよさそうだね。」
と口火を切ると、秋絵は平然と、
「そうかなあ。文学部だから想像力の方が優先されると思う。」
「文学部ねー。ぼくは経済学部だよ。」
「それじゃあ、違いがありすぎるかもね。」
「男女の差ほどは、ないと思うよ。」
秋絵はくちびるの左右を両方上に上げた。目じりも笑って、
「気障な表現ね。それ。」
「文学的かな、と思って、言ってみたんだけど。」
すてきな人だわ、と秋絵は思った。この歳になるも男性経験ゼロの彼女は、男に声をかけられたのは、これが初めてではない。やはり、喫茶店に連れられていって、さて話を聞いてみると英会話教材のセールスだったり、あやしげな新興宗教へのお誘いだったりした。
それというのも秋絵は二十歳までは貧乳だったし、貧尻だったのだ。ここ一年ちょっとで、大きく女としては発育したのだが、秋絵の身体を見て好色な視線を注ぐ男も、彼女の顔を見るとまともな顔に戻った。つまりは、秋絵を軽い女と見ないということで、これは正解だろう。
目の前の男は過去の男性とは違う、と秋絵は直感したので、
「文学も好きなのかしら。」
と、弱弱しく尋ねると、
「ああ。ぼく、文学部に入ろうと思ったんだ。そしたら、高校の担任の先生が反対してね。男は、経済だっていうものだから。」
「なるほど、そうね。わたし、兄がいるけど、やはり経済学部に通わせられたのよ。兄も文学好きだけど、うちは明太の会社ですから。兄は社長にならないといけないし、父が、
『文学部にどうしても入りたいのなら、学費は新聞奨学生にでもなって稼ぎなさい。』
と言うと、素直に経済学部に入ったのよ。京都大学のね。」
「京都大学になぜ?」
「うちは、もともと京都なのよ。でも京都も博多も美人の産地だから同じね。わたしは美人じゃないけど。」
「そんな事ないよ。君は綺麗だ。というとお世辞めくから、本当のところは知的美人だな。」
秋絵は、うなずいた。その日は、それから携帯電話の番号を教えあって別れた。

それから数ヶ月後のある夏の朝、秋絵は幸次郎の荒々しい、いつものセックスを堪能していた。学生同凄である。鉄筋マンションの六畳の部屋で朝と晩、幸次郎に抱かれて九州大学に通った。
避妊具なしの性交は、幸次郎も覚悟の上だ。妊娠しても、出産は卒業後になる見込みで、秋絵が見込んだとおり幸次郎は真面目に二人の関係を考えていた。
勉強もあるし、週二回のペースでセックスに朝晩、一時間ほど励む。若いのに少ないと思う奥さん方は、セックスレス夫婦も世の中には多いという事を考えるべきだ。
初めて知った男のちんぽを、秋絵のまんこは離さなかった。文字通り秋絵の膣は幸次郎の竹のような男根を力強く締め付けた。幸次郎は外は暑くてもエアコンの効いた秋絵の部屋で下の布団一枚で、秋絵の上に乗り高速度で腰を前後に振りながら、
「おおー、秋絵―っ、ちんこがしまっていいー。あっ、出るっ。」
と叫ぶと、男の精密エキスを心置きなく放出すると、柔らかく大きな白い尻を若々しく震わせながら秋絵は、
「おまんこ、いいーっわっ。」
と叫んで、幸次郎の尻を両手で掴んで自分の方に引き寄せた。二十分の前戯と二十分の性交、二十分の後戯で朝晩のセックスは構成されたが、この時間はそれぞれ短くなる事も多かった。
九大生でもあるし、試験前にはセックスを控えておいた。試験が終わると徹夜でセックスに励む二人だった。
一晩最高、三回というのが幸次郎の記録である。秋絵の上で果てた後、幸次郎は、
「三回が限度だろう。度を超して射精すると下手したら死ぬかもしれないらしいよ。」
彼の顔を十センチ前で布団の上に横になって眺めながら、秋絵は、
「本当なの、それ?」
幸次郎は秋絵の大きな尻を優しくつかんで揉みほぐすようにすると、秋絵は、アアン、と眉を寄せて呻いた。幸次郎は、
「豊臣秀吉の本当の死因は、女とやりすぎたかららしい。三百人以上の女性とセックスしたあと、秀吉は死んだんだって。」
秋絵は幸次郎の小さくなった肉欲棒を右手で掴んでみた。すると、それは少し膨らんだ。
「そうなの。わたし、あなたに早く死なれたら困るわ。まだ学生だしなー。本当のセックスは、結婚してからね?」
「今でも世間のセックスレス夫婦よりは、セックスしているよ。そんな夫婦、奥さんが可哀想だよ。中には・・・・。」
と秋絵の硬さの残った乳首にキスすると幸次郎は、話し出した。

関東の方の主婦でさー、カリスマ主婦っているんだよ。アフィリエイトですごく稼いでいてね。アフィリエイトってインターネットで、企業やお店の商品やサービスを紹介して儲けるんだけど。
その主婦のアフィリエイトへのきっかけが、だんなのボーナスが出なかった事らしい。
こどもの教育費だけでもと、その主婦は考えたらしいね。
――――――――――――――――――――――――――――――
「登喜子、すまない。おれ、今年の夏のボーナスはなしだ。」
敬二は妻に話した。
「しかたないわよ。社会的な不景気ですもの。でも、いいわ。夜のお勤めだけでもしてくれれば。」
三十後半の登喜子は、色っぽい眼をして夫を見た。敬二は、
「ああ。ボーナスがないぶんだけ、夜のボーナスを出すとするか。」
と食卓で子供の寝静まった頃に、妻に答える。
いそいそと、食器を片付ける登喜子に敬二は後ろから襲うように抱きつくと、彼女の首筋を舐めまわした。登喜子は身をくねらせながら、
「ここじゃ、やめて。子供に聞こえるかもしれないから。」
「いいさー、聞かれても。おれたちの子供だろ。」
敬二は固くなったモノを妻の尻に擦り付ける。じわーっと、まんこが濡れるのを登喜子は感じたが、
「あなたみたいなスケベに、なってほしくないもの。」
と笑うように答えると、ふっと敬二は登喜子から離れて、
「大体、子供の教育で疲れたとか言って、ここしばらくご無沙汰だっただろう。だから、ボーナスないんだよ。」
「そんな・・そんな事が、ボーナスと関係あるの?」
「いや・・・言いすぎだな。関係はない。不景気が原因だろう。でも、おれの性欲は好景気なんだよ。」
敬二は自分の方を振り向いて立ったエプロン姿の妻の両肩を捉えて、キスをした。すぐに敬二は舌を差し込んだ。妻は柔らかく、それに応える。ぐんぐんと敬二の肉欲棒は大きくなっていった。エプロンとスカートをしたままの登喜子のパンティを身をかがめて、ずり降ろした敬二は妻のエプロンとスカートを上に上げた。豊かな陰毛が丸見えだ。敬二は妻を抱えて、台所の食卓の上に乗せると足を広げさせた。妻が腰掛けている食卓の部分は、いつも子供が食器に顔を向けているところだ。
登喜子は愛汁が溢れてきたので、声を出さなかった。敬二は妻の両足を抱えるようにして、いつの間にかズボンのチャックから出している金剛のような棒を妻の開いた穴の中に挿入していった。
夫の首にぶら下がるようにして、声を出すまいと頑張った妻の登喜子は夫が割りと早く放出した時に、
「あ、はーんっ。」
と艶かしく悶えると、食卓の上で腰を震わせた。

銀座のキャバクラに立ち寄った敬二は、ナンバーワンのあゆみに、
「今月から愛人やめても、いいのね?」
とトイレの前で聞かれた。
「すまない。夏のボーナスの後払いにしてくれた君には悪いけど、次のボーナスは確かじゃないし・・・。」
あゆみは冷たい眼をすると、
「いいわよ。お金に予定立ったら又、声かけてね。」
すぐに背を見せて歩いて行くあゆみの尻を見て、半分ちんこを勃起させた敬二ではあった。
数ヶ月、あゆみは敬二の愛人として都内某所にある彼女の自宅の高級、高層マンションの最上階まで敬二は、退社後、訪れていてはセックスレスとなった妻の代りにしていたのだ。
手付金というか前金をいくらか払っただけで、あゆみは敬二との愛人関係を了承していた。
敬二の今夏のボーナスは、あゆみへの銀行振り込みで跡形もなくなくなっていたのだ。やせていても胸と尻の大きなあゆみの身体は、敬二のちんこを捕らえて放さなかったのだが、昨夜の妻との台所でのセックスは、続けて夫婦の寝室での二回目にも持ち込めたので、妻は三十代後半とはいえ自分専用の女で、そういうまんこも持っている事がわかった。
なんとも、嵌め心地がいい。若いが、あゆみのまんこは遊び馴れているらしく、締まりのないようにも感じられると思い出す敬二だ。

次の日、敬二は又、台所で妻の身体を求めたが、
「ごめん。今からわたし、仕事なの。」
と拒否された。
「仕事?どこへ行くんだ、今頃から。」
「パソコンで、できるのよ。アフィリエイトって言うんだけど。」
「・・・・。」
「少し稼げば、セックスできると思う。」
登喜子は、すぐに台所から消えた。
次の日、敬二は食事後、トイレに入った妻にドアの前で、
「もう、終わったか?」
中から、
「終わったわよ。今はパンツはいてるところ。」
ガタッと勢いよくドアを開けると敬二は、パンティをあげようとしている妻に襲いかかった。登喜子は、
「やめてっ、こんなところで。」
と声を出したが、その唇は夫にふさがれた。それでも、口を外した夫に、
「アフィリエイトやってると、儲かるのが分るのよ。お願い、ここでのプレイはいつかするから。」
と両手を合わせた。夫は、たてていたモノが萎んでいくのを感じた。

幸次郎は寝そべったまま、
「それからしばらくして、その主婦はカリスマ主婦として有名になったし、という話。」
と秋絵に語った。秋絵は、びっくりしたような顔で、
「カリスマ主婦って、本当は大変なのね。実情は。」
「ああ、その夫の裏話もネット界のパパラッチが探り出したらしいよ。」
「ふーん。そうなのね。」
それから二人は朝陽の光が射してきたので、起きて服を着て大学に行く準備をした。
ドアを開けない玄関の中で、立ったまま二人はキスをしてから外へ出る。
九州大学は国道三号線沿いにある。その車道の大学側の歩道に沿って白い壁が延々と続き、中の様子は見えない。2013年の今は、かなりな部分が西区にできた新しい九州大学用地に移転しつつあり、2019年には完全に西区元岡という福岡市西の郊外に完全に移ってしまう。秋絵と幸次郎の頃には、第一ステージとして移転が始まっていた。最初のステージでは理系の学部だったので、幸次郎と秋絵は関係なかった。
 二人とも授業は真面目に出て、それが終わっても一緒に帰る事もなかった。近年よくあるカップルが手を繋いで並んで歩く、というような事もする事はなかった。むしろ、二人はそうするのを避けた。
なぜか、というと秋絵の手を握っただけで幸次郎は勃起したからだ。
東京でも福岡でも見られる手を握って歩くなどというカップルは、セックスレスなものと思って間違いない。ちんこを立てつつ街を歩くなんて事は、いくら男でもなかなかできないからだ。
また、その接触から即座にセックスに移行できないというのも、その男のインポ体質を表している。
手を繋いで歩けるのは、小学生までである。
大抵は幸次郎が先に部屋に帰っている。秋絵はもちろん、合鍵を彼に渡した。夕食の食材をコンビニで買って、秋絵が戻ってくる。
前に一度、二人で外食した。箱崎商店街の中にあるイタリア料理店は、小さな店で顔を合わせて食事をするにはもってこいのところだが、その頃、二人は週二度のセックスという慣習に馴染んでいて、その日が、やる日だったのだ。前菜に続いてパスタが運ばれた。幸次郎はフォークを取ろうと、まとめておいてある小さな細長いかごに手を伸ばすと秋絵も同じところに手を伸ばしていた。
二人の手は触れ合った。幸次郎は、右手の指先から女の色香が電流のように腕を伝い、喉から下腹部へと流れていくのを感じた。彼は、
「あっ。先にいいよ。」
と慌てて右手をどける。
「うん。お先に。」
秋絵は幸次郎より先に銀色のフォークを掴んだ。そのフォークは、クリストフルシルバーの大きなものだ。40ミクロンで銀メッキされているが、銀そのもののフォークは中々、作られるものではない。カトラリー(スプーン、フォーク、テーブルナイフなどの食器類)も贅沢にというのがそのイタリアレストランの趣旨だった。店主は時々、イタリアに今でも行って本場のイタリア料理を食べてくる。のみならず、昔修行したレストランに戻って手伝う事もある。
CUTLERYのクリストフルは、バターナイフその他もある。日本人のシェフにも人気がある。秋絵が手にしたものは、13650円のものだ。続いて幸次郎も同じ渋い銀色の優美に曲がったフォークを手にした。その時、そのフォークにも秋絵の色気が感染していたらしく、なぜならまとまったフォークを取る時は、他のものにも触るから、
だめ押しの形で幸次郎の小さなものを大きくしていった。
彼がフォークを小麦色のパスタに突き入れた時に、秋絵が口を丸めた後、
「おいしいね、このパスタ。」
と話しかけて来た時は、すでに幸次郎のイチモツは秋絵の股間より少し高めのところに向けて勃起していた。秋絵は幸次郎の前に座っている事もあって、白い太ももをダランと広げて座っている。純白のパンティは、そのテーブルの下に屈めば見えるはずだ。
秋絵の問いかけに幸次郎は、ハッとなり、
「う、うん。」
とまだ食べてないパスタについての感想を答えた。全勃起させているので、小さな声しか出せない。他のテーブル席には、横に三メートル離れたところに老夫婦が座っているだけだった。その老夫婦の頭の色は、どちらも半分白くなっていた。黙々とフルコースを食べているらしく、幸次郎には眼もくれない。
パスタの上に小さな肉が載っていたので、幸次郎は食器かごから15120円のテーブルナイフを取り出して切り始めた時に、テーブルにあったおしぼりを床に落としてしまった。拾うために屈んだ幸次郎の眼に飛び込んできたのは、むにむにとした白い太ももを広げている秋絵の姿態で、パンティが丸見えな上にぴっちりとはりついた布地に真っ直ぐな縦の線が入っているし、それが少しぷるぷると揺れて甘い匂いが幸次郎の鼻に侵入する。
両膝を床に着くと幸次郎は、秋絵のパンティに顔を近づけて割れ目がくっきりと浮き出ているところにキスをした。
テーブルの上の秋絵の顔は、感じているところを押し殺した表情だ。幸次郎は秋絵の顔が見たくなって、おしぼりを拾うと席に戻る。秋絵の顔は甘く歪んでいたが、非難の色はない。いつもは、後数時間もすれば布団の中で、ちんことまんこを擦り合わせている時間帯だ。幸次郎は、もう一度屈んでテーブルの下に潜ると、秋絵の白い布で覆われた縦のスジを見てみた。その部分は、じわりと水分に変色している。
座りなおした幸次郎は小さな声で、
「トイレに行こうよ。」
と秋絵の眼を見て囁いた。すぐに彼女は前髪を下に揺らした。そのついでに彼女の豊かな胸も小さく揺れた。
連れ立ってトイレに入った二人は、上は服を着たまま、ズボンとスカートをおろして、秋絵はパンティも膝まで下げて、幸次郎はブリーフの切れ目の中から出した肉体の巨棒を逆三角形の秋絵の陰毛の下にある濡れた柔らかなもう一つの口に、もどかしく挿入させた。
秋絵は頭を後ろに、のけぞらせると、
「ああーん。すてきだわあー。」
と声を高らかに出した。その時、幸次郎の両手は秋絵の白い大きな二つの尻肉をたっぷりと、掴んでいる。柔らかな尻の肉は幸次郎の指をのめりこませた。

もう一つのテーブル席にいた老夫婦の片方、奥方の方が手にしていたフォークを止めて、
「あなた、今、若い女性の声が聞こえませんでした?」
と口をもぐもぐさせている夫に問うと、
「ばかだな、おまえももうボケ始めているよ。声なんか、なんにも聞こえはしない。このおいしいイタリア料理に集中できないなんて、どうかしてるよ。まったく。何と言うか・・・。」
老婦人は顔を赤らめると、
「そうですね。そう言えば、そうですわ。長い間の欲望が声になって、外から聞こえてきたのかもしれませんわね。」
老夫は苦く笑うと、
「なんの欲望だ?もしかして、あれか?」
と声に出す前に店主の方をチラと見た。店主は彼等とは別の方を向いて、距離も十メートルはある。イタリア人みたいな日本人の中年店主だ。聞いている風には見えなかった。
老婦人は、ますます顔を赤くすると、
「そうです。あなた。あれなんです。」
「へへえー。帰って、するか?あれ。」
「いいですわねー。三十年ぶりになるのですかね。」
老夫は笑いをこらえた顔になり、
「は。よく覚えているよ。おれは、十年前に・・その・・・。」
老婦人の顔は、きっ、となると、
「浮気ですね。あ・な・た。」
「いや、そのね、勃起したのは十年前が最後だったかなー、と。」
「うまい、言い訳ですこと。」
「まあまあ、食べてから帰ろうよ。帰りに精力剤の店に寄るからさ。それで、大丈夫だと思う。」
老婦人の顔は、嬉しそうになった。首を二回もタテに振ると、
「さっきの声は、わたしの気持ちだったのですよ。やっぱり。」

赤い壁紙で内装されているトイレの中で、腰を逞しく振りながら幸次郎は右手で秋絵の口を押さえた。彼は小声で、
「おれも、いいんだ。腰がとろけそうだ。けど、秋、我慢しろよ。」
と彼女の耳たぶの近くで囁く。
自分の頭の左側で秋絵の顔がうなずいたのを感じると、彼は囁いた彼女の耳たぶを舐めまわして軽く噛んだ。彼女は、彼の手の中の口で、
うふん、いやっ
と悶えた。その感じられた声が幸次郎を昂ぶらせる。彼は、彼女の細い首すじにも自分の舌を長くして這い回らせた。秋絵の首の周りは、幸次郎の唾液でいっぱいになる。彼女の尻の肉から左手だけ離して、彼は彼女の右胸を揉みまくり続けた。知的な秋絵の目は、すでにトロンとなっている。